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コント:長居/かにくりぃむころっけ

4年以上前に作ったネタです。
正確には6年くらい前に作ったネタを4年前にリメイクしたネタです。
どうぞ。


鹿庭:うーん、悩むなー

栗木:・・・・・・

鹿庭:どれも良さそうだからなー

栗木:・・・お決まりになりましたらお声かけください

鹿庭:あ、すみません

栗木:はいっ!ただいまっ!

鹿庭:これのワンサイズ大きいのってありますか?

栗木:はい、ございますが、ではこちらでよろしかったでしょうか?

鹿庭:いや、もうちょっとだけ考えさせてください

栗木:・・・かしこまりました

鹿庭:うーん、悩んじゃうなー

栗木:・・・・・・

鹿庭:ここはあえて小さいサイズがオシャレか・・・

栗木:・・・ぃいい加減にしろおおおおおおお!!!!!!!!

鹿庭:!なんですか、急に大きな声を出して

栗木:なんですかじゃねえよ!お前こそなんなんだよさっきから全然決めないでよ!
お前この店に入ってから6時間は経ってるよ!1日のクォーター費やしてるんだよ!!

鹿庭:僕、こういうお店は初めてで選ぶのに時間がかかっても仕方ないんです

栗木:仕方ないの範疇はとっくに突破してるよ!
そもそもここ、牛丼屋だよ!!!???

鹿庭:そんなこと改めて言われなくてもわかっています

栗木:俺の気持ちはわかってねえだろ!牛丼1つ決めるのに6時間だぞ6時間!牛1頭くらいだったら捌ききれんじゃねえか!

鹿庭:まさか!血を抜きとるだけでも6時間近くかかることもあるんですよ!甘えたことを言わないでください!!

栗木:全く甘えてねえしどこで熱くなってんだよ!
なんだよせっかく呼ばれたと思ったら「ワンサイズ大きいの」って!ちゃんと大盛の横に特盛が書いてあるだろ!そもそも牛丼チェーン店で「ワンサイズ」なんて言葉使ってんじゃねえ!

鹿庭:それは理不尽すぎますね

栗木:なにが「小さいサイズはオシャレ」だ!牛丼屋にオシャレなんて概念はない!

鹿庭:それも言い過ぎですよ。それに小さいサイズを頼む女の人が多かったからオシャレなメニューなのかと思ったんですよ

栗木:それはただの胃袋のサイズの差だから!女性とはそういうものだから!

鹿庭:貴方さっきから怒りすぎですよ

栗木:そりゃ怒るよ!今日俺は夜と深夜にシフト入れてんだよ!お前、夜の8時に来てもう夜中の2時だぞ!途中までは他のバイト仲間もいたからいいよ!深夜には俺しか入ってねえんだよ!後半ずっとお前とマンツーマンの俺はプレッシャーとイラつきが特盛なんだよ!

鹿庭:これが・・・ワンオペの闇・・・

栗木:そんな大層なもんじゃねえよ!

鹿庭:もういっそのこと全品全サイズ頼もうかな。どうせ2千円くらいでしょう?

栗木:そんな安くねえわ!どんな計算だよ!!

鹿庭:おっと丼勘定でしたね

栗木:うるせえしなんか違うだろ!!!真面目に決めろ!!!

鹿庭:そろそろ静かにしてください、メニュー見てるんですから

栗木:お前どんなメンタルしてんだよ!なんでこの期に及んでまだその調子でいられんの!?

鹿庭:では、このメニューの最初から最後までにしようかな、たぶん2千円くらいでしょうし

栗木:だから真面目に決めろよ!!!それさっきも聞いたわ!!!

鹿庭:おっと天丼でしたね

栗木:ややこしいことすんな!!!お前マジで何しに来たんだよ、牛丼食べに来たんじゃねえのかよ

鹿庭:もちろんそうですよ。牛丼が楽しみすぎて牛の屠畜についても勉強してきました

栗木:さっき熱くなった理由は分かったけど雑居ビルのテナントに入ってるただのチェーン店にその心構えは重いよ!あとそういうの勉強したらどちらかというと食べる気失せないか?

鹿庭:牛たちの命を無駄にするわけにはいきません、食べて消費することが供養です

栗木:俺たちの時間は無駄に消費しないでくれ!お前お冷だけでずっと粘ってんだぞ!

鹿庭:これ、お冷っていう割にはぬるいですね

栗木:そりゃ出してから6時間経ってるからね!常温にもなるわ!

鹿庭:おぬるですね

栗木:おぬるですねじゃねえんだよ

鹿庭:そういえば常連っぽいお客さんなんかは「ツユダク」とか「ネギヌキ」とか言ってましたよね

栗木:そういうのは慣れてきた人がやるやつだからな!まだ一度も注文すらできたことないうちは考えなくていいやつだからな!

鹿庭:僕も「『ツユダケ』『ネジヌキ』で!」みたいに言ってみたいですね

栗木:それだとドライバーのスープが来るよ

鹿庭:注文お願いします

栗木:いや唐突!怖!!なんで?なんで今?何きっかけ???

鹿庭:この水のおかわりください

栗木:牛丼を!注文!!して!!!くれよ!!!!てかいつの間に飲んだんだ!

鹿庭:ぬるいのは嫌だから替えてもらいたいだけです

栗木:もうすっごいわがまま!こんな意味のないやり取りしたくねえよ!

鹿庭:・・・意味はちゃんとありましたよ。それともアルバイト君にはまだわかりませんか?

栗木:・・・は?ちょっと、いきなり話が見えない・・・ですけど?

鹿庭:そのご様子だと僕が誰かご存じないようですね。お忍びで様子を見に来たというのに

栗木:え!?じゃ、じゃあまさか・・・あなたは・・・

鹿庭:いわゆる「上の人間」というやつです。貴方の接客態度はしっかり見させていただきましたよ、6時間じっくりかけてね

栗木:ということは、もしかしてこのお店の・・・

鹿庭:このビルの4階で働いている者です

栗木:いや物理的に上なのかよ!!!

鹿庭:4階の会社の社長です

栗木:社長は社長なのかよ!!!

鹿庭:では、早くこのおぬるとお冷を替えてください

栗木:帰れーーー!


リメイクしたときにごちゃごちゃ足したせいでごちゃごちゃしたネタになりましたが、全体的には悪くないんじゃないかと思ってます。
以下は何もありません。おひねり用です。貰ったおひねりは自販機で見たことないお茶を買うのに使わせていただきます。

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