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第二の人生77

今日も綺麗な黒髪を軽くなびかせて、白い薄手のブラウスから大きく張り出した胸を微かに上下に揺らし、ギュッと引き締まった腰から下、黒のストレッチの効いた膝丈のタイトスカートに包まれた大きく盛り上がった尻を左右に振り、スカートのバックスリットから適度に肉付いた長く伸びた光沢のあるコーヒー色のストッキングに包まれた足を黒の高さ7センチほどのピンヒールでカツカツと音を鳴らしながら颯爽と運ぶ丘野紗奈美の後ろ姿を羨望の眼差しで、ほぼ全ての人間が見送る。

当然、男は一度でいいから、あの服に隠されたその下着姿はもちろん、全裸を拝んでみたい…できることなら触れてみたいと考える。

ぴっちり張り付いたタイトスカートから下着のラインが浮き出ていないのは、Tバックを履いているからなのか?などと男の妄想を掻き立てる。

そして、その身体の持ち主である丘野紗奈美と渋谷涼の関係は、今や多くの職員の知るところであり、渋谷の奴…いい思いしやがって…と、渋谷涼を妬む者も少なくない。
そんな中に、まだ涼と紗奈美の関係が知りわたっていなかった頃、紗奈美をストーカーまがいにつけ回し、自分勝手な妄想を膨らませて、自ら丘野紗奈美の男であると勝手な勘違いをして、あたかも俺の女だと周囲に言って周り、挙げ句の果てに紗奈美に抱きついて、周囲の人間に取り押さえられ懲戒処分を受けた男、鹿屋勝は、同時、環境対策課課長を務めていたが、その時の事件を受けて降格処分となって、現在は衛生係長となっている。一旦は婦女暴行として逮捕されたが、紗奈美が被害届けを出さなかったため、釈放されて職場復帰を許された。

その鹿屋勝は、未だ内心、丘野紗奈美をどうにかできないものかと考えている。
が、今は丘野紗奈美が渋谷涼と女であることを知っているので、どうにもできないとわかっているので、悶々とした日々を送っている。
そのため、事あるごとに会議の席や業務上、涼と関わった際に、異論を唱え突っかかるのだが、全くの筋違いで、正論をもって返り討ちにされるため、余計にフラストレーションが溜まっている。

ある日の夜、飲みに出ていた鹿屋勝は、歩いて帰る途中、コンビニである1人の女の客に釘付けになった。
丘野紗奈美だ❗️
その夜の丘野紗奈美は、身体のラインが綺麗に見える膝上丈のミニの白いワンピースを着て、黒い小さな網目の網タイツに白いピンヒールを履いて買い物をしていた。
丘野紗奈美は、少し屈んで商品を見ている。胸元が大きく開いているため胸の谷間が見えて艶かしい上に突き出した尻は、たまらなくエロかった。
かなり酔いの回っていた鹿屋勝は、丘野紗奈美に吸い寄せられるように近付いて行き、後ろから抱きつこうとした時、後ろから引っ張られて思わず尻餅をついた。
丘野紗奈美がびっくりして振り返ると、尻餅をついて座り込んでいる鹿屋勝とその前にしゃがみ込んでいる渋谷涼の後姿があった。

鹿屋さん…今、何をしようとした?と渋谷。
鹿屋勝は、渋谷ぁぁ、テメェ何様のつもりだ💢と喚いている。
あんた、今、紗奈美を後ろから襲うとしたよな?
んなことしたら、今度は懲戒処分じゃ済まないよ。
あぁぁ?俺が何をしたって言うんだ⁉️
何もしてねぇだろうが💢と、鹿屋。
渋谷涼は、鹿屋の後ろを指差して、んなら、警察呼んで一緒にあの防犯カメラの録画を見せてもらおぅか?と…。
鹿屋勝は、振り返って防犯カメラの存在を確認…顔を青くして…涼と紗奈美の方を振り返ると、だいたい、そんなエロい格好でウロウロしている方が間違っているんだ‼️と訳のわからない文句を言って、今日のところは許してやる‼️と言い放つと、立ち上がって店を出ようとした矢先、かなり酔っ払っているのか、足元がふらついて、そのまま商品何並べてある陳列棚に激突し、商品が散乱すると、今度は、なんだチクショー💢と怒りを露わにして、その散らばった商品を踏みつけた。
涼が止める間もなく、鹿屋勝は踏みつけて、そのまま商品を蹴り飛ばしたため、店員が駆けつけて鹿屋勝を涼と2人ではがいじめにして、取り押さえた。あんたなんて事するんだ‼️と、器物破損で捕まるぞ‼️と…鹿屋勝は、知ったことか⁉️と逆ギレして暴れるのを涼と店員は取り押さえた。
離せ‼️貴様らぁ💢と喚き散らしてる。
そこに別の店員が来て、今、警察を呼びました❗️と…。
鹿屋勝は、警察だぁ⁉️俺が何をしたって言うんだ⁉️俺は何も悪くないぞ💢渋谷ぁ‼️全部、お前のせいだ‼️お前みたいな奴がいるから、俺が惨めな思いをしなきゃならんのだ‼️丘野‼️一回ぐらいやらせろ‼️渋谷ばっかりずるいぞ‼️などと、訳のわからないことを叫んでいるところに警察官が駆けつけてきた。

その後、。鹿屋勝は、器物破損の現行犯逮捕となり、連行されて行き、涼と紗奈美は警察の事情聴取を受けて、帰宅した。
帰り道、紗奈美は、あの人…どうなるんでしょ?
涼は、うん…間違いなく懲戒免職扱いで失職だろうな。
そうですね…そうなるでしょうね…と紗奈美。
もっと若い頃は、あんな感じじゃなかったらしい…結婚して、子供にも恵まれて、ちゃんと家庭を築いていたらしいけどね…。

エッ?そうなんですか?

うん…聞いた話しだけど、40代になって、風俗通いを覚えて、ハマって…自分のお小遣いだけじゃ足らずに借金してまでして通って…嫁さんと子供に逃げられ…更に生活が荒れて、当然業務にも支障をきたして…もう破れ被れって感じになったんだろうな…。

なんか人の人生って、ほんのちょっとのつまづきで、そこから傷口がどんどん広がって、取り返しようのないところまで行っちゃうってこと…。

あぁぁ…少なくはないね。

兄も…多分、兄もそうなんじゃないか?って気がします。
うん…まぁ鹿屋勝とは違った意味で、傷口が広がっていっているような気がするね…心配か?
紗奈美から助けてやって欲しいと言うのなら、力になってもいいけど…。

いえ…涼さんに助けて欲しいなんて一切ありません…鹿屋さんが、この後どうなるのかわかりませんが、兄も行くところまで行き着いて、自らの間違いに自分です気づかなければ意味ないって思います。
私は、運が良かった…涼さんに巡り会えたことで、自分のダメだったところを気付かせてもらって、女として生きる喜びを涼さんから教えてもらえましたから…。
涼は笑って…そんな大袈裟な(笑)
それを言うなら俺だって、お前と出会えたことで生き甲斐を与えてもらったから、俺の方こそ感謝してるよ。と言って紗奈美の肩を抱いて、口付けを交わした。

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