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第二の人生60

涼が目を覚ますと、横で紗奈美が寄り添うよう横になって眠っていた。
時計は、午後4時を少し回ったところだ。

外に目を移すと、雪がチラチラと舞っている。

紗奈美を起こさないように起き上がってトイレで用を足した。
雪景色を見ながら、涼は一服して、寝ている紗奈美に目を戻す。このひとときもまた幸せな時間だと思う。

しばらくして紗奈美も目を覚ました。
寝起きの紗奈美にキスをする。
気持ちよくて、私も寝ちゃいましたと照れくさそうに紗奈美が微笑む。

2人は晩飯前にと、敷地内の大浴場の温泉に入りに行った。

風呂から戻るとすぐに仲井さんが来て、夕食の準備に取り掛かってくれる。

大晦日の晩御飯のメインはすき焼きだった。
これがめちゃくちゃ美味くて、たまらなかった。
しっかりした黒毛和牛の赤身肉、サシが多くないのがイイ。
肉は、宮崎の鶏もも肉もある。
白菜、椎茸、こんにゃく、焼き豆腐、えのき…ツケ卵がまた濃厚でたまらない。
シメにうどん玉を用意してくれて、これがまだ最高に美味かった。

後片付けをしてくれた中居さんが、23時頃に年越しのお蕎麦をお持ちいたしますと言って部屋を出て行った。

2人で顔を見合わせて、お腹いっぱいで、蕎麦まで入るかな?と心配になった

食後に2人で、露天風呂に浸かり、穏やかでゆっくりとした時間を過ごした。

風呂上がりに紗奈美は、涼をうつ伏せに寝かせて、ゆっくりと首、肩、背中、腰、腕、足、まで丁寧にマッサージした。

めっちゃ気持ちいいよ…紗奈美…。

紗奈美は、笑って涼さんに喜んでもらえて嬉しいですと…。可愛いことを言う。

涼さん、今度は仰向けになってください。

涼は言われたとおりに仰向けに寝そべると、紗奈美は、涼の足裏をマッサージし始めた。
涼は、腹が満たされた上に、風呂に入って身体が温まって、さらにマッサージまでされて、眠気に襲われて、足裏をマッサージされながら、ウトウトして、眠りについてしまった。

涼がふと目を覚ます…恐らく眠ってたのは30分ほどだ…股間が気持ち良くて目が覚めた。

ふと見ると、紗奈美が肌けた浴衣の間から溢れるように出ていた、涼のものを優しく丁寧に口で愛撫していた。
涼は、ソッと紗奈美の頭を撫でた。
紗奈美は、起こしちゃってごめんなさい💦と言うのを涼は遮り、続けて…とお願いした。
紗奈美は嬉しそうに頷いて、丹念に涼のものを咥えて、舐め尽くした。
少しずつ手で擦るスピードが早くなっていく、涼はそのまま我慢できずに紗奈美の口の中に放出した。

紗奈美は、その後も綺麗に舐めて、全て飲み込み恥じらいながら、我慢できなくなって…しちゃいました…とまた可愛いことを言う。

涼は、紗奈美を引き寄せて抱きしめて、唇を塞いでいった。

そこへ、部屋の呼び鈴が鳴り、紗奈美が口元を綺麗して、入り口へ向かった。
仲居さんが年越しそばを持って来てくれたのだ。

テレビでは、紅白歌合戦が、赤組の勝利で最後の挨拶がなされているところだった。
紅白が終わって、すぐ除夜の鐘が響く…テレビ番組、ゆく年くる年が始まった。
しかし、除夜の鐘は、テレビからではなく、宿近くのお寺さんの鐘だと、仲居さんが教えてくれた。

除夜の鐘の音を聞きながら、温かいお蕎麦を2人で啜った。
鰹出汁がしっかりした、とても美味しいお蕎麦だった。

紗奈美が、涼さん…今年は本当にありがとうございました。私、こんなにも幸せを実感した年越しを経験してことがありません。
涼さんさえ、許していただけるのなら、来年も涼さんのお側に居させてください。と言うので、涼も紗奈美に、それは俺も同じ思いだよ。
これからもずっと俺の側にいてくれ…と。

紗奈美は、目に少し涙を浮かべらながら、ハイと返事した。
涼は、紗奈美を自分の近くに呼び寄せて、あぐらをかいた足の上に紗奈美を座らせて抱き寄せて、また口づけを交わした。
その時、テレビから、NHKのアナウンサーが、0時を回りました。新しい年になりました。
あけましておめでとうございます…と。

2人は、唇を離すと、笑い合って、あけましておめでとうと言い合った。
これが二年越しのキスってことですね…と紗奈美。
うん、そうなるね。
嬉しい…本当に私、幸せです。
涼は、良かったと満足そうな笑みを浮かべて、紗奈美にもう一度キスをして抱きしめた。




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