私にとっては自分事、貴方にとっては他人事

先日、人生で初めて小さな公募に小説を出した。
小説家になりたいと小学4年生のころから願い、そして自己満足に物語を書くだけで夢のために努力をしてこなかった私が、初めて、人に批評される公募に、自分の世界を、みせたのだ。

だが、特に緊張することも、達成感も、何もなかった。

書いた。 それだけ。

そして入賞した。
小さな小さな公募の中で、もっとも小さい賞。
それでも確かに、1000近い応募作品の中で、賞を取ったのだ。

嬉しかった。
普通に、人並みに。
これで小説家として活動できるわけでも、大きな賞金を手に入れたわけでもない。
でも初めての応募作品で、初めて賞を取ったのは、私にとって大きな誇りとなり、自信となった。

数人に報告した。
「実はちょっと前に出した小説が入賞した」と。

「すごい」「おめでとう」
みんな口を揃えて言った。
でもそれで終わった。

私にとって大きな成果は、他人にとってはその2言で終わってしまうのだ。
もう彼らの頭の中に、私の小説が入賞したことは残っていないだろう。

悲しかった、んだと思う。
私は、もっと褒められたかったんだと思う。

でも現実はそんなものだ。

私にとっては大きな出来事であっても、他人にとってはただの他人事。
それに尽きるのだ。

何故自身の喜びを他人と共有しようとしてしまったんだろう。
何故自身の価値を他人に高めてもらおうとしてしまったんだろう。

何故


他人を自分の人生に巻き込むことが、これほど難しく、面倒で、虚しいことなのか、改めてわかった気がした。

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