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補助金採択=補助金貰えるは間違い!

小規模事業者持続化補助金の第15回受付分の採択者発表がありました。無事に採択された方はおめでとうございます。
不採択だった方は次のチャンスもありますので、何が悪かったのかを振り返ってみましょう!

さて、タイトルにあるとおり補助金採択は補助金受給が約束されたわけではありません。あくまでも補助金を受け取る権利を得たにすぎません。それ以上でもそれ以下でもありません。実際に減額となったり、ゼロ回答となったケースも多くあります。

それはなぜか?
補助金は国の予算から支出されているものがほとんどです。つまり、補助金の原資は税金です。日本国民全員から集めた大切な税金を原資に、ある一定の審査の結果、適切と認められたところに支出されています。

「審査が通ったから採択されているのでは?」と思った方もいると思いますが半分当たっているようでそれこそが間違いです。
補助金が支給される流れは下図のとおりです。

申請~補助金入金までのフロー

つまり、事業を実施した後に報告書を提出し、その内容を審査したのち、認められたもののみ補助金が受給できることになります。
大事なことは【事業実施】と【報告】にも審査があるということです。

前置きはこの辺にして本題に入りたいと思います。
しっかりと補助金を受給するためにはどうしたらよいかを以下にまとめます。特に初めて補助金を扱う方は必見です!


1.補助金全体での注意点

①交付決定通知が届く前に事業をスタートしない

一部例外を除き、補助金の原則として交付前着手は全て補助対象外となります。どんな理由も認められません。一発アウトです。

②事業計画で書いたことをしっかりとやる

「いやいや、当たり前でしょ!」と思われたと思いますが、多くの場合これができていないことがあります。事業計画書はいわば約束事です。この事業をするなら採択しますよ、となっているわけです。
その約束事を勝手に破ったら…それは税金の使い道としては適切ではないですよね!?
例えば、「チラシを5,000部作って店舗近隣にポスティングをする」という計画をしていたのに勝手に部数を減らしたり、パンフレットにしたり、ポスティングではなく新聞折込にしたり、まったく違う用途に使ったり…これは約束違反になります。当初の計画と異なることをする場合には必ず事前に事務局に問合せ、変更申請を行いましょう!
また、補助対象経費ではなく自己負担でする計画も対象です。補助金とは関係ないとは言え、自己負担でやると書いていたから採択されているので、やらなければもちろんアウトです。

③事業期間内に事業を完了する

事業を完了するとは、支払いや納品、事業の実施まですべてやりきるということです。事業期間内に納品が間に合わなかったり、作ったものを使っていなかったり、支払いが1日でも遅れてしまえばこれも補助対象外となります。
特にクレジットカードやローンでの支払いには要注意です!クレジットカードの場合は決済した日ではなく、実際に口座から引き落とされた日が事業期間内でなければアウトです。また、ローン払いの場合はすべての支払いが完了した時が事業期間内である必要があります。

④適切な証ひょう書類を揃える

補助金には補助事業の手引きと言われるものがあります。そこには報告時にどんな書類が必要かがしっかりと記載されています。その書類が一つでも不足していればアウトです。経費ごとに必要書類は異なりますので、ご自身の事業計画書で計上した経費科目はどんな書類が必要なのかは必ず一番最初にチェックしましょう!
ちなみに報告は基本書面となり、口頭での説明は認められません。書類として提出したものが全てです。話せばわかるは存在しません!

⑤締め切り厳守で報告書を提出する

言わずもがなです。補助金というより社会人として当然のことです。そもそも多くの補助金において、補助対象者要件に「補助金執行上適切な事務処理能力を有する人物・法人」となっています。締め切りを守れないとは事務処理能力がないものとして要件不備に該当します。

2.持続化補助金の注意点

ここでは持続化補助金において、注意が必要な経費科目について言及します。(特によく使われる科目のみ)

①広報費

例えばチラシを5,000部作成した場合、事業期間内に配布完了した分だけが補助対象経費として算入できます。つまり5,000部で5万円かかった時、事業期間内に3万枚しか配布できなければ補助対象経費は配布した分の3万円となります。
また、いつ、どこで、何枚配布したかをしっかりと記録し、報告時に提出する必要があります。

②ウェブサイト関連費

SNS広告やリスティング広告などを行った場合、実際に広告が表示されているところのスクショや表示されている期間、広告の結果(クリック数など)を記録しておいてください。報告時にそれらが確認できない場合は補助対象外となります。

③旅費

飛行機を利用した場合は航空券の半券もしくは搭乗証明書が必要です。eチケットの控えでは代用できません。

④開発費

試作用に原材料を購入した場合は、何をいつどれだけ購入し、何をいつどれだけ使用し、どれだけ残があるかがわかるように受払簿が必要です。また、開発品の写真等だけではなく、開発途中の工程がわかるような写真等も報告時に必要です。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか?決して特別なことではなく当たり前のことですが、いざやろうとするとできなかったりするものです。
通常の商慣習では当たり前のことが補助金では認められないということはよくあることです。
補助金をうまく活用すればとても有利に事業を進められます。しかしながら、補助金をもらうためには同時に多くの制約もくっついてくるのです。

補助金が採択されたら、申請した事業計画を見直し、事業完了日と補助事業の手引きを確認(少なくとも報告時にどんな書類が必要かだけは絶対見るようにしましょう)しましょう。そして交付決定通知書が手元に届いたのを確認してから事業を始めるようにしてください。

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