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メンズ・マニキュアについて考察(※セルフ・ネイルの方も参考になるよ)

身体が健康的になってくると、爪のコンディションも良くなりますが、ふとネイル・ファッションについて、思いを巡らすようになりました。女性がネイルにカラーや装飾をするというのは、現代ではごく普通。しかし、男性がマニキュアというと・・・なんだかちょっと照れくさいでしょうね。しかし、敢えて考えて見ようと思います。

★マニキュアとジェルネイルの違い

「ジェル」と呼ばれる液体を爪に塗り、UVライトまたはLEDライトを当てて固め(硬化させ)ることで仕上がるネイルがジェルネイル。ここまでは女性なら誰でも知っているでしょう。成分は紫外線で硬化する光硬化樹脂(アクリル系樹脂)で、わかりやすく言えば、樹脂でコーティングするやり方で、非常に強力に接着しますが、水、アルコール類、クロロホルム、エーテル類、ほとんどの油脂をよく溶かす「アセトン」をかなり大量使用して除去するので、爪の生育にはかなり負荷をかけます。巷では、非常に簡単に施術出来るので、やけに大流行ですが。あまり長期に渡って使用すると、爪が薄くなって割れやすくなりますね。爪の表面を固く固めてしまいますから。

髪を染めるのと同様、一旦やり始めたら辞めるわけには行かなくなるわけです。ちなみにそういう理由もあって、私は白髪染めをしないわけです。

一方のマニキュアとは、2種類あり、水溶性とそうでないものの2種類あります。マニキュアとジェルネイルの違いは、樹脂か塗料であるかの違い、そのように考えて間違いないです。

水溶性マニキュアは、 α、β−エチレン性不飽和カルボン酸、メタアクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びスチレンなどで構成された、高分子化合物で硬化させるので、実は水溶性と言いながらも硬化すると、樹脂と同じになります。水性塗料と同じですね。ただ、耐性が有機溶剤系に比べて弱いという特徴があります。しかし独特の臭いが無いわけです。

一方のマニキュアの成分は、ニトロセルロースと溶剤である酢酸ベチルの2つが主成分で、こちらは完全な塗料。有機溶剤で溶けます。この溶剤成分の酢酸べチルが、例の独特の臭いがするわけです。ニトロセルロースは、硝化綿なので発火性がありますが、指先を高温にする方はいませんでしょうから、こちらは案外、爪に負荷はかかりません。繊維を塗料に溶かしてある、そんな感じで、耐性はかなりあります。

★メンズには、有機溶剤系マニキュアがオススメ

男性の場合は、完全にファッションであって所謂、身だしなみとはちょっと違う視点でネイル・ファッションは考えた方がよろしいかと。流石に毎日する気にはなれませんしね。その点、後者の水溶性でないマニキュアは、除光液と呼ばれる有機溶剤で落とせるので、楽といえば楽です。実は除光液も成分はジェルネイルリムーバーと同じアセトンですが、染料はアセトンで簡単に溶解するので簡単に落とせます。ジェルネイルより負荷が低いんですよね。

ちなみに水溶性か、そうでないかは、売り場で蓋を開けて、中にある筆を持ち上げると沈殿して色にムラがあるのが水溶性、いかにも塗料のように見えるのが、有機溶剤の方のマニキュア(※以下マニキュア)と、一応判別できます。初めてネイル・ファッションをするなら、マニキュアの方が良いと思いますよ。手先が器用なら、断然こちらが良いです。

今回、奮発してブランドのマニキュアを買っても良かったのですが、まぁ試しに・・というわけで、相変わらずダイソーの100円です。ただ、メンズの場合は明るいレッドやピンクは流石に薄気味悪いですから、グレーか、アンダー、ダークなブルーが良いということで、以下の製品を購入。

ちょっとボケてますけど、製品名は”AT サロンネイルエナメル 14"、成分は、まさしくマニキュアで、ラメは入らずシックな濃紺色ですね。「サロン級仕上がり!」とかシールが付いていました。つーかまぁ、フツーのマニキュアで、酸化スズが配合されているので、深いアンダーです。中身のクオリティは高いですね。イオン結晶性の化合物の硫酸バリウムと、ガラス化合物であるホウケイ酸が含まれているので、なかなかリッチな艶が出てくるようです。それが「ネイルサロン級」ってことでしょうね。”14”とは14色め、そういう意味でしょう。

実はワタクシ、顔料と染料にはデザインマーカーの開発をやってましたのでかなり詳しい知識を持ってまして、黒みに赤を混ぜると墨に近くなることを知ってますが、やはりこれにも、黒インクでも使う酸化スズに赤い染料を加えて、濃い群青色にしてあるのがこの製品です。群青色とは日本古来からあるブルーで、濃いブルーにわずかに赤みがあるのが特徴です。色見本帳を今でも持ってますが、発色がかなり良いですね。

ちなみに皆さんが学校で習う色の混合と、染料の混合は全く発色が違います。これは豆知識。色の再現はかなり難しいのが染料の方。

製品は日本で混合率を決め、中国で生産しています。

★トップコートとアンダーコートは、透明マニキュア

メーカーが違っても問題はありませんが、最初にアンダーコートを塗ったら、とにかく十分乾かす必要があります。次に本体のマニキュアを塗り、最後にトップコートですが、それぞれよく乾かすため、マニキュア施術中は、ほぼ家事は出来ません。本体のマニキュアは、出来るだけ薄く伸ばしながら塗り、必ず筆を一方向だけに限定して(根本から爪先へ)2度塗り。これを誤ると艶が台無しになります。時間は結構かかります。

ちなみに、トップ・アンダーコートは水性の透明マニキュアでも良いか?うーん・・悩ましい問題ですが、耐性を強めたいなら、トップ・アンダーコートも有機溶剤系の透明マニキュアですね。塗料同士の食いつきが良いので。

★マニキュアに必要な道具は?

サロンではエメリーボードと呼ばれる、細めの板ヤスリを使いますが、粉が出るのでセルフ・ネイルではあんまりオススメ出来ません。あくまで爪先を揃えるだけの役割なので、必須ではないです。心配なら、ホームセンターで、3,000番くらいの紙やすり1枚あれば充分ですね。よく手洗いすれば良いです。

筆はあったほうが良いです。容器に付いている筆では縁を上手に塗れないので、ホームセンターの塗料のコーナーに、ナイロンの筆先で、極細筆が200円くらいで買えるので、これが非常に便利です。

除光液ですが、これがまた何気に危険な揮発性溶剤なので火気厳禁はもちろん、市販のものは純粋なアセトンではないので、落ちにくい場合があります。アセトンはホームセンターで実は安く購入できますが、女性や初心者は避けたほうが無難かもしれませんね。しかし筆を使う場合には、あった方が良いかもしれませんが。ノンアセトンなど、無印良品でも売ってますが、所詮はマニキュアとは別成分ですので、落ちは良くないかもしれませんが。

除光液は簡単な話、マニキュアの主成分でマニキュアを落とすという方法なわけで、揮発性も高くすぐ乾きます。換気は充分行う必要があるわけです。

★マニキュアを落としたら?

当然すっかり爪の油分が抜けていますから、しっかりスキンオイルなどでカバーし直す必要があります。髪にも使える馬油が良いでしょうね。

そもそも、男性にマニキュアってどうなのよ?

長々、マニキュアについてお話しましたが、結論としては「似合ってれば良いんじゃないか?」。・・・あまり参考になりませんが、しかしながら、大前提でもありますよね。また、爪の保護の意味では、透明マニキュアは男性でも勧められるもので、スポーツ選手などではよくやっています。しかし、カラー・マニキュアは、メンズではかなりハードルが高いでしょうし、男性が自ら可愛さをウリにというのも、なんだがズレている気がします。

加えて男性の場合、爪ばかり主張してもなんだか変ですよね。スクエアのネイルなんて、確かにちょっとどうかなァ・・・。つけ爪もメンズ用があるようですが、あれもどうかな~~と思います。

しかしながら、手軽に出来るクリエイティブな装飾なので、自分のセンスを試す意味では男性もチャレンジする価値は高いと思います。タトゥーよりもずっと印象は良いでしょうから。体に傷もつけませんしね。


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