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【囲碁】応氏杯決勝2局目・逆転の一手

囲碁の世界棋戦である応氏杯決勝5番勝負が行われていて、日本の一力棋聖が中国の謝科九段と世界一を争っています。1局目は一力棋聖が僅差で勝利し、勝てば王手がかかる2局目を日本棋院のパブリックビューイングで観戦してきました。中盤まで一力棋聖の劣勢でしたが、一力棋聖の渾身の一撃が炸裂し逆転勝利となりました。あまりにも感動的だったので、振り返ってみます。


応氏杯2局目

黒147で白×が封鎖され白が劣勢と思いましたが、ここから白の一力棋聖が渾身の一撃を放ちました。

黒:謝科九段(中国) 白:一力棋聖(日本)

白148から流れを掴む

白148の割り込みから一連の着手で一力棋聖が流れを掴みました。私は日本棋院のパブリックビューイングで観戦していましたが、会場がどよめきましたね。

白148が手筋

白156のキリが狙い

白148は取られますが、白156のキリに回ることができました。

白156が狙い

コウになれば白大成功

黒157から白を取りにいきたいですが、白160で〇のコウになります。
黒はコウに負ければ黒△が即取られるだけでなく、白×も生還してしまうので負けられません。

白60までコウになります

しかし黒からコウ材が乏しいのに対し、白のコウ材は潤沢にあります(例としてA~D)。コウになった時点で白の勝ちでした。

実戦の進行でも白が逆転

実戦の黒157はやむなく右側から打ち右辺の黒地を確定させました。
しかし黒□が切断され白から絶好の攻めの対象になり形勢逆転です。取られた白148が欠け眼になっているのもポイントです。

黒□を攻めることができれば白の逆転です

この後、最後まで一力棋聖は緩まず最強の対応をし続け黒□を取りました。3回の持ち時間を全て買ったためコミは実質1目半まで減りましたが、盤面の時点で白が残っていたので白の完勝と言って良いと思います

なお棋譜は著作権に該当しないという判例があるため一部載せています。この記事は利益目的ではなくあくまで表現の自由ということでご理解ください。

あと1勝で世界一です(日本勢では約20年振りの世界棋戦制覇)!

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