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洋上風力発電と海底ケーブル被害(CFACTの記事)

写真出展:Julie ZimmiによるPixabayからの画像ttps://pixabay.com/ja/users/juliezimmi2-33850931/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=7823624

 2023年10月9日にCFACTは、洋上風力発電所が海底ケーブルに与える被害に関する記事を発表した。内容は、洋上風力発電の被害を保証する保険のうち、海底ケーブルが占める割合が最も多いという現実を紹介し、今後の洋上風力発電所の展開を概観するものである。
 洋上風力発電所によるクジラへの被害などについて取り上げたことがあるが、海底ケーブルに多大な影響を与えるという現実について知っている人はほとんどないとおもわれることから、今回の記事は貴重な情報と言えよう。
今後のエネルギー政策を考える参考として、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(Failing underwater cables “pose global threat to offshore wind”)
https://www.cfact.org/2023/10/09/failing-underwater-cables-pose-global-threat-to-offshore-wind/

1.本記事の内容について
 ・洋上風力発電は、吹き付ける海水や波、予測不能な風などにさらされるといった過酷な環境で稼働するよう設計されている。こういう事情を勘案すると、保険適用を受けるべき損害は多岐に及ぶと考えられるが、保険申請のうち海底ケーブルの損害が85%を占めるのが実態である。海底ケーブルは修理が非常に困難であり、コストも膨大である。洋上風力発電所の停止に伴う停電といった二次被害も発生することを考えると、保険が適用されなくなる恐れすらある。
 ・海底ケーブルに関連の深い世界海底ハブのゴードン総裁によると、洋上風力発電所により損害を受けた海底ケーブルの保険金は、1か所当たり900万ユーロに上り、しかも休業補償がなされないとされている。もしこの損害が補償されないのであれば、2050年までの温室効果ガス実質排出ゼロの目標を達成することは不可能になるだろう。
 ・1.2ギガワットの洋上風力発電所は、耐用年数満了まで3億5000万ドルのコストを要するが、浮体式の場合は更に30%増しとなる。海底ケーブルに損害を与えた場合は発電による収益で賄う必要があるが、晴天と強風が続くことを祈るしかない。海底ケーブルに損傷が発生した場合における発電所の停止期間は、最短1か月で最長9か月にも及ぶ可能性がある。海底の送電用ケーブル損傷は、洋上風力発電からの送電障害の最大の要因であり、発電することで折角の送電網を毀損する可能性があるという欠陥を抱えているのである。
 ・最後に海底送電ケーブルの脆弱性を示す例を示す。オーストラリアのタスマニア島から本土への海底ケーブルは、ここ7年で3度も損傷している。2016年は5~6か月、2018年は2か月、2019年は1か月を要した。特に2016年は悪天のため数週間も修理作業に遅れが発生したが、これは修理には穏やかな天気の日が16日も必要だったためである。海底ケーブルが損傷してから16日間の穏やかな晴天の日が期待できるなどと考えるのは、あまりにも考えが甘いということがわかるだろう。

2.本記事読後の感想
 海底ケーブルは、今や人類に必要不可欠なインフラであり、島しょ諸国にとっては特に重要である。幸いなことにサメによる食害などのマイナーな被害はあるものの、他国による攻撃などの深刻な被害は基本的に発生していないが、ロシアのように攻撃を示唆する国もあることから、海底ケーブルの安全保障は今後重要なテーマとなってくるだろう。
 ただ洋上風力発電所による被害は、人類が容易に防ぎうるものであり、
今だに地球温暖化論者による異常な脱炭素政策のために、多くの欠陥を抱えた洋上風力発電事業が推進されている。こういった情報をきっかけに現在の政策について関心を持ち、最適な政策を考える習慣を身に付けていくべきだろう。

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