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ビッグテックの選択~イーロン・マスクか中国か~(ヘリテージ財団の記事)

写真出展:Gerd AltmannによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/geralt-9301/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=2692575

 2022年12月8日にヘリテージ財団は、イーロン・マスクのツイッター買収とビッグテックの関係についての記事を発表した。内容は、ツイッター買収後のビッグテックの動向、今後の中国との関係について概観するものである。
 SNSの言論の自由についてはよく問題視されており、このことに伴いツイッターとビッグテックの関係は緊張が増していることから、アメリカのビッグテックがどのように動くのかが注目されている。果たしてビッグテックが現在の姿勢を継続するのか、それとも大きく方針転換するのか、その方向性を見ていくうえで参考になることから、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(Apple May Soon Have To Choose Between China’s WeChat, and Elon Musk’s Twitter)
https://www.heritage.org/technology/commentary/apple-may-soon-have-choose-between-chinas-wechat-and-elon-musks-twitter

1.本記事の内容について
 ・先日イーロン・マスクは、アップルがアップルストアからツイッターアプリを排除するという脅迫を受けたとするニュースが世間をにぎわせたが、ティム・クックとの会談後、誤解していたと発表し、騒ぎの火消しに回った。この騒動は、ツイッターの言論の自由を尊重するという方針が、ビッグテックの虎の尾を踏んだ結果だと言えよう。今回、ツイッターは幸運にも難を逃れたが、今後もビッグテックによるこういった統制は継続するものと見込まれる。
 ・マスクはツイッターのユーザーの信頼性を取り戻すため、誤って停止されたアカウントの復活に取り組んできた。今後数週間で6万件のアカウントを復活させることを考えており、トランプ元大統領、共和党マージョリー・テイラー・グリーン下院議員、ニュースサイトのバビロンビーの復活は、この端緒である。
 ・イーロン・マスクの方針は、ツイッターユーザーからは歓迎されているが、シリコンバレーの一部から圧力を受けることとなった。多くの企業は広告を取り下げるという報復に出たが、アップルはアップルストアからの排除をちらつかせた。アップルはその巨大なアプリのプラットフォームを利用して、ライバルを蹴落とし、競争を阻害してきた過去があり、今回もその独占力を活用しようとしたのである。
 ・アップルストアへの登録のロイヤリティは30%であり、アプリ開発者が減額交渉しようとしただけでも排除する。SNSについても同様であり、テレグラムがアプリのアップデートを配布しようとした際も、アップルストアでの登録承認を遅らせたとされている。グーグルやアマゾンも同様であり、他のSNSが出てくると排除しようとする。
 ・その他にも、アップルは政治的に疑問視されるようなビジネスも行っており、中国共産党との深い関係も問題視されている。例えば昨今の中国におけるロックダウンへの講義運動に際しては、情報拡散の手段となっていたアプリのAirDropを機能停止にさせるお手伝いをしたとされている。香港の抗議活動でも情報共有に利用していたアプリを削除するなど、中国共産党に協力してきている。
 ・アップルは、様々な点において中国に大きく依存している。2016年には共産党と2750億ドルの技術開発契約を締結し、95%のスマートフォンが中国製になっており、更には中国市場は世界第二位の収益を上げている。連邦通信委員会がTikTokをアップルストアから排除するよう要請しているが、アップルはまだ削除していない。
 こういった動きに対し、イーロン・マスクはWeChatの代わりとなるような”X”アプリを開発しようとしている。このことにより中国との衝突が避けられなくなり、ビッグテックとの緊張関係も続くことになるが、議会はビッグテックの狼藉を見逃してはならない。

2.本記事読後の感想
  私は昔からSNSを利用していないが、その理由は露骨な左翼的思想の蔓延が見られること、建設的な言論ができない愚かな人間を排除しない割には、思想的に右翼的な傾向が見られる人間を排除するといった、著しくバランスを欠いた運営をしているためである。愚かな人間があまりにも多いと言論そのものが成り立たなくなるため、本来であれば言論活動に参加する資質があるのか否かを判断基準にするべきだが、政治的な選り好みだけで決めるという恣意的な運営に嫌気がさすのである。
  言論の自由はよく「どんなことでも言える自由」と混同されがちだが、これは誤りである。自由とは言っても無秩序を意味しておらず、極端に人間を傷つけるような発言はご法度であることは言うまでもない。イーロン・マスクも何でもありとはしておらず、カニエ・ウエストの過激なツイートは認めないなど、一定の制限はかけている。今回の動きはむしろ歓迎すべきだろう。
  ただ今後もイーロン・マスクに対するネガティブな情報が拡散され続け、言論の自由の不当性を訴え続けるメディアが世間を賑わし続けるだろう。ただこういった輩のご都合主義的な情報など信じる必要はない。現在のSNSの異常な状況に対して我々は強く抗議するべきである。
  またグローバル企業と中国のような国家の親和性についても注意が必要である。国境や法律の壁を超越することができるのであれば、それは更なる利益拡大につながる可能性が高い。中国はそういった環境を提供してくれるという意味で、グローバル企業にとっては非常に重要である。今後も中国に協力していくことは間違いないが、こういった方向性を正せるのは利用者のみであろう。ビッグテックに飲まれるのか、それとも抗うのか、イーロン・マスクの今後の動きから目を離せない。

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