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キーストーンパイプライン停止はバイデン政権の誤り(CFACTの記事)

写真出展:Johannes RupfによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/tumisu-148124/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=3167693

 2023年1月22日にCFACTは、エネルギー省が発表した報告書に関連した記事を発表した。内容は、キーストーンパイプライン事業の経済効果と化石燃料産業の有用性について主張し、現在のエネルギー政策転換を提言するものである。エネルギー価格高騰で再生可能エネルギー政策の非現実性が認識されてきているとは思うが、それでもなお既存メディアを中心として、相変わらず再生可能エネルギーの議論はメインテーマの一つになっている。
こういった貧困な日本の言論空間では得られない貴重な情報として、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(The Biden Administration finally admits its mistake in canceling Keystone XL)
https://www.cfact.org/2023/01/22/the-biden-administration-finally-admits-its-mistake-in-canceling-keystone-xl/

1.本記事の内容について
・エネルギー省は、昨年12月にキーストーンパイプライン事業の経済的利益を認める報告書をひそかに発表していた。これは、バイデン政権が実質的に事業停止の誤りを認めたことと同義である。ただこの報告書は、遅きに失したというべきだろう。本事業の停止により、すでに数千名もの雇用が失われ、数十億ドルの経済損失を発生させている。また、アメリカは記録的なエネルギー価格高騰に苦しめらており、議会はエネルギー政策を最優先課題とするべき状況にある。
・エネルギー省の報告書によると、キーストーンパイプライン事業停止により16,000~59,000名程度の雇用が失われ、34~96億ドルの経済損失が発生したとしている。事実、11,000名ものパイプライン労働者が解雇され、太陽光発電などの事業に回されることになった。
・しかし再生可能エネルギー政策は、化石燃料を代替することはできず、すぐにとん挫することとなった。アメリカで消費される70%のエネルギーは化石燃料由来であり、エネルギー情報局の試算でも、今後20年間で化石燃料生産量は8%程度しか下落しないと見られており、再生可能エネルギーがすぐに取って代わることはないのである。またカーター大統領やパパブッシュ大統領は、原油価格高騰に伴う不況により選挙で敗北したという歴史もあり、バイデン政権はこういった政治的なリスクも無視しているのである。
・バイデン政権の再生可能エネルギー政策により、たった1年で天然ガス価格と電気料金は2倍に上昇し、28%の家庭の食料や医薬品の購入額が大幅に減少した。一方でインフレ抑制法では、太陽光と風力発電に対し、3690憶ドルもの予算が計上されている。
・こういった中で、ヨーロッパの状況には先例として学ぶべき点が多々ある。ヨーロッパはアメリカに先行して再生可能エネルギーを推進してきたが、ほとんど成功を収めていない。ドイツでは、ロウソクの売り上げが記録的な水準に達し、ある村では石炭鉱山の道路を強制的に整備されることとなった。ロシアにガスを依存した結果、ウクライナ戦争に伴って化石燃料価格は極端に高騰することとなり、ヨーロッパ全体で14万7000名もの命が、寒波により奪われる見込みとなっている。
・フィンランドでは朝に電気自動車を充電することが禁止され、イギリスは節電にポイント還元などのインセンティブを与えており、国民に無理を強いざるを得なくなっている。もしアメリカが再生可能エネルギー政策を推進し続ければ、ヨーロッパと同じような状況に陥るだろう。幸いにして、アメリカには化石燃料を産出する技術も資源もふんだんに存在するのであり、アメリカの将来の繁栄のため、議会はエネルギー政策を転換するべきである。

2.本記事読後の感想
  これまでも再生可能エネルギー政策の非現実性を何度も取り扱ってきたが、化石燃料の敵視政策は相変わらずである。ウクライナ戦争に伴うエネルギー価格高騰という前代未聞の状況があってもこのありさまであり、洗脳や既存メディアをはじめとした情報の埋伏の毒が蔓延しているという証拠だろう。
  こういった情報に踊らされないためには、テレビ、新聞、週刊誌などの有害な情報源から離れることが有効である。ただインターネットにはこれら情報源から提供されたニュースが氾濫しており、配信されるニュースには注意が必要である。やはり良い情報は自ら探しに行くしかないということである。少なくとも英語メディアには、再生可能エネルギーに否定的な意見がそれなりに流通している。英語が読めなくても、最近ではブラウザの翻訳で十分に意味が理解できるようになっていることから、この機に貧困な日本の言論空間から脱却する習慣を身に付けるべきである。
  また今回語られていない論点として、石油精製所の問題がある。石油は燃料としてのイメージが先行しているが、実際にはプラスチックなどの石油派生製品の方に利用されているのが実情であり、石油精製所の減少は派生製品生産量に直接的に影響するのである。
  化石燃料という言い方そのものが、もはや否定的な造語に思えてくる。言葉の否定的な響きに騙されず、真に重要な事項は何かを見極められるよう、科学リテラシーを身に付けなければならない。

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