見出し画像

バイデン政権のワクチン義務化強化がもたらす労働力不足について(ヘリテージ財団の記事)

写真出展:Gerd AltmannによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/geralt-9301/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=2161890

 2021年10月14日にヘリテージ財団は、ワクチン義務化の強化に伴う更なる労働者不足に関する記事を発表した。内容は、現在の労働力不足の要因分析、ワクチン義務化強化や3.5兆ドル予算などに伴う更なる労働市場の悪化について概観するものである。前回と類似の内容となっているが、より具体的な内容になっており、参考となる情報もあることから、その概要を紹介させていただく。

↓リンク先(Vaccine Mandates Aren’t Biden’s Only Job-Killing Scheme)
https://www.heritage.org/jobs-and-labor/commentary/vaccine-mandates-arent-bidens-only-job-killing-scheme

1.本記事の内容について
 ・労働省の統計によると、8月は1040万人分の職に空きがあり、その内150万人分は医療、介護関係者であった。また同月は430万人が離職しており、記録的な労働者不足に陥っている。更に2020年2月と比較して9月の求職者は310万人も少なく、小売業、接客業、建設などの一部では雇用が増加したものの、医療関係者の雇用は下落し続けている。
 ・パンデミックに伴い、2020年2月から3月にかけて16万5000人の医療従事者が離職することになり、1年半経過した今も、失われた半分以下の職員しか賄えていない。介護ホームは、2020年2月から2021年9月にかけて、産業全体の労働者数の12%となる41万人が離職した。
 ・バイデン政権の労働者不足対策は最悪である。ワクチン義務化に伴い、9月だけで介護ホームの職員38,000人が離職した。その他の影響として、8月だけで州及び地方自治体の職員25000人が、9月には19000人の教育関係者が職を失うに至った。教育関係者については、2020年2月と比較して、2021年9月は17万3000人もの空きがある。
 ・バイデン政権は、更にワクチン義務化を強化している。今年9月、労働安全衛生局に100名以上の従業員がいる企業にワクチン義務化もしくは毎週のCOVID-19の検査義務付けを指示した。ただ同局には法的権限も人的資源もなく、単なる負担を課すのみである。同局は800名程度の職員しかおらず、全ての100名以上が在籍する職場を巡回するだけでも160年を要するのであり、ワクチン義務化強化対策はほとんど実施不可能である。
 ・ある重工業の経営者の発言によると、ワクチン休暇を認めているにも関わらず、1300人の従業員の内30%しかワクチンを接種しておらず、解雇しようとしても労働力不足が深刻であり、そのような手段も取れないとしている。その他、毎週のテストを実施するための体制づくり、予算獲得、連邦政府への報告などについてもどのようにするべきか途方に暮れているという。
 ・10月12日のCDCの発表によると、全国民の3分の2近く、高齢者の95%異常が少なくとも1回以上ワクチンを接種したとしており、政府が望むペースより遅いものの、ワクチン接種は徐々に進んでいる。バイデン政権はこの状況を鑑み、労働者確保とワクチン接種推進の利益を比較衡量した政策を行うべきである。
 ・9月に下院予算委員会で可決した3.5兆ドル予算には、あまたの労働力不足を加速する政策が含まれている。シカゴ大学のエコノミストであるキャシー・マリガンの試算によると、所得増税などの労働意欲を失わせる政策、労働市場の競争の制限、雇用義務、通信・エネルギー・その他物資の物価上昇により、正規職員の雇用が700万人分失われるとしている。
 ・現在のアメリカは、インフレ、サプライチェーンの停滞、労働力不足などの経済的苦境に陥っているが、これはパンデミックによるものだけでなく、政府の失策によるものである。ロックダウンや学校閉鎖の延長、他の行動規制などにより経済が消耗しており、その対策も全く有効ではない。バイデン政権が今すべきことは、障害を取り除くことである。

2.本記事読後の感想
  前回の記事や9月20日のワクチン義務化に伴う労働力不足の記事の続編と言う位置付けである。この期に及んでワクチン義務化を強化するという愚策に出るとは思わなかった。自由や自己決定といった価値観が強いアメリカでは、ワクチン忌避率が高いのはやむを得ないのであり、粘り強く普及啓発に努めることが最も重要なことである。
  忌避している理由はワクチンそのものの不信感というよりは自由意思を奪う行為に対する反感が大きいように思われ、極左的な強権による政策はむしろこの傾向を悪化させてしまうだけあり、バイデン政権の政策は大きな失敗に終わるだろう。
  また、バイデン政権にはまともな経済ブレーンがいないように思われる。巨額予算を編成することそれ自体は結構なことであるが、財源を税金に求めたり、特定の産業を優遇したり、過去に失敗した社会主義的なモデルを現代で実践しようとしている。これではいくら巨額予算を支出しても意味はなく、無駄な支出による貧富の格差拡大や悪性インフレなどを招くだけになるだろう。
  この傾向がいつまで続くかわからないが、株式市場はそれほど不調ではない点が不気味である。大暴落の予兆とならなければよいのだが。

 英文を読んでわからないという方は、メールにて解説情報をご提供させていただきます。なにぶん素人の理解ですので、一部ご期待に沿えないかもしれませんので、その場合はご容赦願います。当方から提供した情報については、以下の条件を守ったうえで、ご利用いただきますようよろしくお願いいたします。

(1) 営利目的で利用しないこと。
(2) 個人の学習などの目的の範囲で利用し、集団での学習などで配布しないこと。
(3) 一部であっても不特定多数の者が閲覧可能な場所で掲載・公開する場合には、出典を明示すること。(リンク先及び提供者のサイト名)
(4) 著作元から著作権侵害という指摘があった場合、削除すること。
(5) 当方から提供した情報を用いて行う一切の行為(情報を編集・加工等した情報を利用することを含む。)について何ら責任を負わない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?