見出し画像

バイデン政権の危険な通貨監督庁長官人事(CFACTの記事)

写真出展:OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/openclipart-vectors-30363/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=155799

 2021年11月22日にCFACTは、バイデン政権によるザウレ・オマロワ氏の次期通貨監督庁長官指名に関する記事を発表した。通貨監督庁とは連邦法銀行の免許交付者かつ監督官庁であり、その長官は上院同意人事で大統領により任命される。オマロワ氏の極左的な政治思想のため、上院での同意がまだ得られていない状況であり、任命された際には金融面から温室効果ガス排出削減を推進する恐れがあるとされている問題のある人物である。単なる環境保護庁による環境規制だけでなく、金融面からも環境政策の圧力が迫っていることがわかる内容であることから、参考として本記事の概要について紹介させていただく。

↓リンク先(Joe Biden’s most dangerous nominee)
https://www.cfact.org/2021/11/22/joe-bidens-most-dangerous-nominee/

1.本記事の内容について
 ・バイデン大統領は、9月にザウレ・オマロワ氏を次期通貨監督庁長官に指名したが、上院での承認が保留されている。これは彼女の極左的思想が懸念されているためであり、中央集権的な金融システムへの見解、化石燃料を使う産業の淘汰、ビットコインなどの暗号通貨への否定的な見解などがその主因となっている。
 ・今回の人事については、憲法上は「上院の同意と助言に基づく」とされており、大統領が指名した人物と雖も、上院も任命責任を共有することになる。通貨監督庁は金融機関に対して大きな権限を有しており、オマロワ氏の社会主義的思想が金融規制に適用される懸念がある。具体的な内容としては、まず銀行を国有化し、物価を統制し、計画経済を強制しようとしている。
 ・皮肉なことに、彼女はアメリカンドリームの体現者である。ソ連の治世下で弾圧されたカザフスタンから亡命してきて、2005年に米国籍を取得し、その後カーネル大学ロースクールの教授になった。この成果は彼女の努力と知性の賜物であり、自由主義の恩恵を享受した結果であるが、同時に大学でマルクス主義的な経済思想に傾倒することにもなった。
 ・公聴会において、彼女は共産主義者ではないとわざわざ断る必要があったが、これは彼女の経済思想がソ連の社会主義に似ていることが疑問視されたからである。確かに彼女は旧ソ連型の社会主義者ではないが、ヨーロッパの社会主義者やバーニー・サンダース上院議員、オカシオ・コルテス下院議員の思想に極めて近い。
 ・彼女の暗号通貨に対する見解だけでも噴飯ものである。公聴会で暗号通貨について問われた際には、その存在自体を否定し、中央集権的に管理されるべきであると述べた。彼女は暗号通貨の根本であるブロックチェーンを理解していないようで、「大企業やビッグテックが全てのインフラを抑えてしまっている。」と批判している。
 ・彼女は最も危険なタイプの学者である。2019年末まではフェイスブックのマルクス主義者のグループに所属しており、「男女の賃金格差があるとは思わなかった。」と述べており、アメリカの経済を批判しつつ社会主義を称揚していた。彼女の就任は統制経済への道である。

2.本記事読後の感想
  極左はある意味で人材豊富なのだろうか、次から次へとポストを与えられようとしている。現在の金融体制を望ましいものとは思っていないが、ここまで革命的なものの見方をする人間も極端である。過去には化石燃料を使う産業は全て倒産して欲しいなどとも発言しており、極めて危険な雰囲気が漂っている。
 金融はある程度規制される必要があり、リーマンショックのような金融破綻を回避するためには、例えば金融商品を厳格に規制する、株を買ったら1年は売却できない、信用取引の倍率や金額を引き下げる、値幅制限を狭くするなどの措置は必要だろう。ただ現在の仕組みを破壊してしまうような改革は避けるべきであり、民間の企業活動を不当に制限するような規制を導入するべきでもない。
 中でも金融商品の気候変動リスクの加算などはこの典型であり、リスク評価を官側が強制して定めるのではなく、民間の競争に委ねるべきである。日本では金融面でこのような動きを見せている人物は少ないものの、SDGsへの投資が喧伝されるなどして妙な形で環境政策が浸透しつつあるのは懸念事項である。とかく皆がやっているという言葉に弱い日本人であるため、同調圧力に流されてしまうことから、こういった流れを断ち切るには、賢明な人間を増やしていくしかない。今後も、今回の記事のような情報が入手できるような日本の言論空間の形成に尽力していきたい。

 英文を読んでわからないという方は、メールにて解説情報をご提供させていただきます。なにぶん素人の理解ですので、一部ご期待に沿えないかもしれませんので、その場合はご容赦願います。当方から提供した情報については、以下の条件を守ったうえで、ご利用いただきますようよろしくお願いいたします。

(1) 営利目的で利用しないこと。
(2) 個人の学習などの目的の範囲で利用し、集団での学習などで配布しないこと。
(3) 一部であっても不特定多数の者が閲覧可能な場所で掲載・公開する場合には、出典を明示すること。(リンク先及び提供者のサイト名)
(4) 著作元から著作権侵害という指摘があった場合、削除すること。
(5) 当方から提供した情報を用いて行う一切の行為(情報を編集・加工等した情報を利用することを含む。)について何ら責任を負わない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?