日本語の誤用の一覧

弱冠

20歳のこと。近代では少し意味が広がり、20歳前後を指すようになった。しかし「わずか○○歳にして」の文脈で使用されることが多く(弱冠8歳にして・・など)、8歳というのはどう見てもこれに当てはまらないので、誤用としてみなされる。同じ読みで「若干」があるが、年齢には用いないので若干8歳、とするのも間違い。弱冠を若冠と表記する誤りもある。出典が男子20歳の異称であるため、女子にそのような言い方をするのは適切・適格ではない。

生き様

現在は「その人が生きていく態度・ありさま。生き方。」ともされているが、「様」とは「無様」「この様」「様見ろ」の様という屈辱的な意味合いがあり、「自分の過ごして来たぶざまな生き方。転じて、人の生き方。」ともされている。このため、小説家の藤沢周平は過去に使いたくない言葉に挙げている。なお、1990年代以前の国語辞典・国語辞書には「死に様」しか記載されていない。

確信犯

本来の意味は義賊やテロリズムなどの、自分の信念こそが正しい、社会体制は間違っていると強く思って犯す罪のことであるが、悪いことと知りつつ犯罪を起こす故意犯を意味する単語と捉えられ使用されていることが多い。文化庁の平成27年度『国語に関する世論調査』では、誤用が69.4パーセントで、本来の意味の17.0パーセントを大幅に上回っている。

姑息

文化庁の平成22年度『国語に関する世論調査』では、本来の意味ではない「ひきょうな」という意味であると回答した人が70.9パーセントで、本来の意味である「一時しのぎ」という意味であると回答した人の15.0パーセントを大幅に上回っている。

性癖

端的には癖の意。人間の心理・行動上に現出する偏りや傾向のことで、特に貧乏揺すりのように悪癖と見做されるものを指す場合が多い。ここでの「性」は性質の謂であるが、誤って性交の意ととらえて、専ら性的な交わりの際に現れる癖・嗜好、交接時の習慣・習性、すなわちフェチ・性嗜好、性指向や性的な嗜癖の意味でのみ用いられることがある。

情けは人の為ならず

文化庁の平成13年度『国語に関する世論調査』では、誤用である「人に情けを掛けて助けてやることは、結局はその人のためにならない」と回答した者が48.2パーセントで、本来の意味である「人に情けを掛けておくと、巡り巡って結局は自分のためになる」と回答した者の47.2パーセントを上回った。平成22年度の調査では誤用が45.7パーセントで、本来の意味が45.8パーセントと上回ったもののほぼ拮抗している。

役不足

文化庁の平成14年度『国語に関する世論調査』では、誤用である「本人の力量に対して役目が重すぎること」と回答した者が62.8パーセントで、本来の意味である「本人の力量に対して役目が軽すぎること」と回答した者の27.6パーセントを大きく上回っていたが、平成18年度の調査では誤用が50.3パーセント、本来の意味が40.3パーセント、平成24年度の調査では誤用が51.0パーセント、本来の意味が41.6パーセントと本来の意味を回答する者が増えてきている。

見切れる

映像制作などにおいて、映ってはいけないものが映ってしまうことを「見切れる」という。一般的には映すべきものがフレームに収まっていないことを「見切れる」と表現されているが本来は全く逆の意味である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E8%AA%A4%E7%94%A8


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