シャレードマニアクス―プレイレポート
◆概要
※全力でネタバレしているので、未プレイの方が読むことはまったく推奨していません。
初めまして。
noteの使い勝手を学んでおこうと思いやってきました。カリンと申します。
このノートは、2018年8月9日に、オトメイトから発売された『シャレードマニアクス』通称『シャレマニ』のプレイ内容をネタバレを含めて振り返ったものをまとめたノートです。
あまりにもシャレマニが溜まってきたけれど、ついったに書いたらネタバレになるので、読み返しの用途も含めてまとめています。
とりあえず、今回はキャラ別プレイ後レポと総轄だけ。
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◆キャラ別
◎萬城トモセ
声に出したい名前ナンバーワンの萬城トモセ。罪深い。
運命力に抗えないので幼馴染属性に弱いんですけど、結果的に後半になって同じく運命力を唸らせてぶつかってきた男が現れたので、萬城トモセは幼馴染という呪縛に縛られた男という立ち位置でしたね。
異世界配信がなかった場合の萬城トモセは、幼馴染から脱却することができたのだろうか。序盤のオープニングから、幼馴染万歳最高ありがとうなわたしのなかで最高の見せ場だったわけなんですけど、普通に考えてヒヨリちゃんは「続きを聞きたくない」と思っていたので、答えは「幼馴染として以外は見られない」でしょう。罪深い。
それが分かっていたからこそ、幼馴染という立場から抜け出せずに焦る萬城を救ったのが、結果的に異世界配信という非日常でも萬城の傍にいることを選択し続けたヒヨリちゃんだと思えば、萬城にとってヒヨリちゃんが女神というのはあながち間違いではないでしょう。
代償にヒヨリちゃんは「感情」を失ってしまったわけだけど、ヒヨリちゃんは本当に見る目がある。「感情」を失ったヒヨリちゃんを手に入れることで、彼女を手に入れたつもりになる男たちが、キャストには数人いるとわたしは踏んでいる。というか美味です。
けれど、萬城トモセだけは絶対に違う。他ルート含めて、萬城トモセの行動原理は「ヒヨリの幸せ」なのだ。長年に渡って染み付いた価値観なのだ。萬城だけはヒヨリちゃんの幸せを優先する。「ヒヨリちゃんが罰ゲームを受けること」は、避けるべき事案。
それにもしかしたら、演劇が好きという萬城だからこそ、他の誰よりも「感情」の尊さを理解していたのかもしれない。そしてヒヨリちゃんの身体を張った『信じる』の結果、萬城はヒヨリ好みの男に一皮剥けて帰ってきたわけで。本当に良かったね……ずっと抜け出せなかった幼馴染の関係から一歩踏み出せたのだから、萬城はいっしょに指名してくれたディレクターに、少しは感謝するといいんじゃないかな。
ところで。射落さん(とまあ恐らく凝部もだけど)は萬城のことを
> 「白に近いけれど白とは言い切れない」
って断言していたわけだけど、萬城トモセのプロデューサールートはとんでもないことになりそうですね。演技力も高いわけだし。
ただ、ヒヨリちゃんに罰ゲームという事実に萬城に耐えなければならない理由があるかどうか、なのですが。
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◎明瀬キョウヤ
ヒヨリちゃんを救う絶対的なヒーロー枠で、イコール白だと過信していたんですけど、蓋を開けたら、まさかのヒヨリちゃんによって救われる男枠だった!?
理想主義に近い明瀬にとって、自分の理想を追い続けることが非常に困難であることは他のルートで証明されているわけですけれども、そんな明瀬に憧れるヒヨリちゃんが傍にいることで、ようやくヒヨリちゃんのヒーローとして機能できるようになる典型的な救われる男でしたね。SSありがとう。ようこそヒヨリ教へ。ここが俺たちのアルカディアだ。
それにしても、明瀬ルートの明瀬がヒヨリちゃんにヒーローとして認めてもらえるポイントがいくつかあったわけなんですが、個人的に明瀬キョウヤのポイントが高いところが、
> 「演技力で勝負する萬城に負けないほど異世界人と交流をもった」
ってところでしょうか。
こんな状況でなければ、ヒヨリちゃんと同じく調和能力(=いい意味でも悪い意味でも、とにかく人の心に入り込んでくる力)が高い男なので、ヒヨリちゃんとお付き合いをした明瀬キョウヤは、きっとヒヨリちゃんがヒヨリちゃんでいてくれる限り、彼女を助けるヒーローになって助けてくれる男になってくれるに違いない。
それにしても「卑屈」で「傲慢」と彼に言ったお世話になった人は、本当に人を見る目がある。
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◎射落ミズキ
出会った瞬間にわたしという全てが崩壊しました。初見時の最推し候補だったんですけど、深呼吸してからまとめます。
とりあえずVFB読んだので、射落さんが作ったカクテルのカクテル言葉だけ貼っておきます。もうやだむり。
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◎獲端ケイト
絶対に白だという確証があった一人、獲端。総合的に、ケイヒヨちゃんはわたしの中で一番、「ヒヨリちゃんに普通の幸せを与えてあげられる」枠。
特典ドラマを聴いていても思ったわけですが、獲端ケイトは「恋愛」に対して理想を抱いているところがある。それこそ彼の過去という絶望があったからには当然のことだけど、「恋愛」には真摯に向き合ってくれていると思う。素晴らしい。生涯ただ一人の恋愛の相手に、同じく真摯に恋愛に向き合ってくれる、かつ普通の「恋愛」に憧れるヒヨリちゃんを選んだところはとても評価ができるポイントだ。
獲端ルートのエンディングだけは、二人だけで先に異世界から帰って日常に戻るっていうのも、獲端が異世界寄りの人間ではなく現実でヒヨリちゃんを幸せにしてくれる男だと感じられるポイントである。普通の女の子に普通の幸せを分けてあげられる男……普通枠に対する男にポイントが高い。
つまり、シャレマニちゃん内のわたしの最推しカプです。
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◎茅ヶ裂マモル
あまりにも白だと何も考えずに攻略を始めてしまったことを懺悔します。乙女ゲームなのに……攻略対象なのに……誰も信じるなって言われていたのに……。
年上+優しさ枠で、ヒヨリちゃんは茅ヶ裂ルートに行けば幸せになれるだろうなー?とかいう油断をしていたらknzmです。『ハーフ』という存在がスポンサーとか、大事な説明があったはずなのにふーーーんってスルーしていました。まったく闇が深い、というか王子枠ではなくて異世界恋愛枠だったんですね。序盤、あまりにも避けられるのでびっくりしたのですがそういう。闇が深まるわけだ。
愛を知らない男と恋を知らない女が愛を求めて手を伸ばす感覚、たまらないですね。ヒヨリちゃんによって生かされることを強要される男、最高です。ようこそヒヨリ教へ。ここが僕たちのアルカディアだ。「狂気」を「愛」とは思えないなんて純粋だなーなんて思っていたのですが、「狂気」という言葉は次の男でゲシュタルト崩壊を起こすので割愛します。
ところで、茅ヶ裂ルートのヒヨリちゃんの話。ルートによってヒヨリちゃんの考え方が異なるわけですが(今の言い方は明瀬さんみたいだった、とかですね)、茅ヶ裂色のヒヨリちゃんの「同じだけの罪悪感があれば茅ヶ裂さんと同じになれる」みたいなセリフ、ゾクゾクしました。これまでキャスト全員を信じる姿勢を貫いてきた女神のようなヒヨリちゃんが、「罪」を背負うってのぐうすこみがふかみのやばめ(※語彙力)。
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◎双巳リョウイチ
いったいなんなんだこの男は?????
という感じで初回プレイは怒り心頭でプレイしていたのでやり直しました。みんなリョウヒヨは好きそうって言ってくれていたので。
個人的にポイントが高いのが彼、双巳だけは、当初わたしが「瀬名ヒヨリはキャラクターと交流することでキャラクター色に染まるヒロイン」だと思っていたところをSSで真っ向から反対しに掛かっているところで、彼
> 「意外と頑固で、自分が良いと思ったことを善意で押し付けてくる」
みたいなニュアンスで、ヒヨリちゃんのやることなすこと全てを受け入れているので、この男は将来ヒヨリ教に入信してくれるでしょう。ようこそ我らがヒヨリ教へ。ここがオレたちのアルカディアだよ。
それにしてもこの男の
> 「俺にはできないことだから」
で隣の芝生を羨ましがるこの男、いつか過去の女に刺されると思うんだよね。まあ刺しにくるような情熱的な女性はいないだろうけど。どうせいたとしても、きっとお互いに使い捨てる前提の付き合いだよ……まってそんな目で睨まないでヒヨリちゃんごめんって。
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◎凝部ソウタ
ぜったいに白だという確証があった人の一人の凝部。なのに、まさかの後半組枠。
傍にいることを選んだ結果、お互い相手のような考え方に染まっていくソウヒヨちゃんかわいすぎませんか???だというのに、これ以上に自分色に染めようとする凝部ソウタはいったい何者なんだ。
確かなものに縋りたい凝部のことを、自分の目で見て自分で判断した凝部色に染まったヒヨリちゃんが「信じたい」っていうこところがポイントが高い。ヒヨリちゃんの「信じたい」を受けて凝部が明確に「信じてもらいたい」を口にするのがたまらない。本気の凝部ソウタの本気をとくと見よってやつでしたね。
ありがとうソウヒヨちゃん。まあ、掃除班は情報収集班同様、誰か一人の名前を指名するなんてことはしてないんですけどね。
それにしても、射落さんや双巳の
> 「君は何も考えずに僕の判断に委ねれば良い」
やら
> 「俺についてくればお前は幸せになれる」
という、年を重ねてしまったが故にか割と頑固なところがあるメンツに対して、凝部の
> 「疑うことは僕の仕事、信じることがキミの仕事」
という、お互いを認め合って手を取って進んでいこうとするところが、同年代のハッピーハッピーカップリングですね。
あとあと、ソウヒヨちゃんSSの
> 「こんなことを考えている場合じゃないのに」
のシンクロ率が半端なさすぎませんか。お互いに真実に向き合いたいだけなのに、思考が麻痺する感覚。初恋万歳。
それと、もひとつ。「一話なら過激な内容が少ないドラマになりそうだ」とか言っていた双巳はいっぺん自ルートをやれ。
◎陀宰メイ
これはずるいよね!!!!!
ええまったくですね奥さん!!!!!
萬城トモセの幼馴染という運命力に対抗するかのように現れた新勢力。初恋や片想いという属性を被らせてきたにも関わらず、萬城の「当然の依存」とは違って「欠けた喪失感」という点から攻めてきた新星一番星。
獲端が「恋愛」の日常を焦がれていたとしたら、陀宰は比喩なく永遠に手に入らないかもしれない「日常」そのものを焦がれていたんだろうな。
直前にプレイした凝部ルートでは「全てを疑え」と言われ、実際に信じたいと思っていたヒヨリちゃんが凝部ルートでは「廃寺くんまで疑うようになってしまった」と言っていたわけですけど、陀宰に限っては重要な分岐点が「信じる」「信じない」の二択だったところも、様々な困難を乗り越えてきたヒヨリちゃん(とプレイヤー)の覚悟が問われていたに違いない。
それから主題歌「Hide And Hide」の歌詞「ありふれた日常」「信じる」「真実」「未来」「終わりのない物語」「この瞳に映す」あたり、ヒヨリちゃんの次に陀宰みが強いと思っているんですけど皆さんどうですか!!!!!
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◎廃寺タクミ
廃寺ルートと大団円ルートを別構成にした人は天才だと思う。
廃寺の幸せについて「パルトで良いのか」と思ってずっと気がかりだった一つの理由が、これまでの攻略キャラクターは攻略キャラクターのルートの中でしか幸せになれなかったからだ。そして幸せになったキャラクターの隣には、必ず幸せそうなヒヨリちゃんの姿がある。
けれど、廃寺の考える幸福はヒヨリちゃんの考える幸福とは決して隣あわない。薄々感じてはいたものの、廃寺は恐らく間違いなく、ヒヨリちゃんの「日常」の幸福からは一番遠い場所にいる存在だ。廃寺の幸福はヒヨリちゃんの幸福ではない。だからこそ、廃寺の幸福にヒヨリちゃんの幸福な姿はない。
けれどヒヨリちゃんにしても、廃寺と恋愛したかったのかと言われるとおそらく別で、廃寺ルートの印象は「疑うことに疲れたヒヨリちゃんが逃げ込んだ」が正解なのだろう。
廃寺と陀宰の勝負は確認した限り8勝2敗で廃寺が勝ち越しているわけですが、射落ルートのエンディング直前に関しては射落さんの予想が当たった廃寺であればと願わずにはいられない。
あと、廃寺ルートではみんなの前で公開処刑のように「廃寺くんを信じるよ」って言って自分の心から自分を切り離した瀬名ヒヨリの絶望具合が大変好みです。
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◆総轄
というわけで、ドラマCDも浴びるほど聴いたしVFBもゲットしたし主題歌もリピートしたので、みんなわたしのシャレマニちゃんの感想を恵んでください。
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◆謝辞
シャレマニプレイに当たってオススメの攻略順を教えてくれた波弦さん、本当にありがとうございます。
シャレマニプレイしてるときいて喪失を補ってくれたエレイさん、れんぬさん、お二人によって生かされています本当にありがとうございます。
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乙女ゲームのプレイレポートをnoteで書くっていうのは、ありなのだろうか……?
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