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楽しいひと時と心の痛み

先週のこと、私は初めて家族で海外旅行に行ってきました。
海外など新婚旅行で行ったきり…子育て中は教育費などが大きな負担となり、遊ぶ余裕はほとんどありませんでした。

子供たちが成人すると、次は親たちの老いに伴い、介護やら入院生活が始まり精神的にも旅行するなどの娯楽には負い目を感じるようになったのです。

とはいえ、私ども夫婦もドップリと中高年の仲間入りをし、何事も先送りしていては身動きがとれなくなってしまうかもしれません。
子どもたちの巣立ちを目前にし、思い切って楽しむ運びとなりました。
私たちはヨーロッパを希望していたのですが、夫の意向でハワイに。
寒い日本から常夏のハワイ。
一生に一度は行ってみたかった場所でもあります。

そこで見たもの…

初めて訪れる異国の地で美しい海や広々とした緑いっぱいの公園を散策していると…あちらこちらにホームレスらしき人々が大きな声を上げたり、何やら不可思議な動きをしている人も。

そういえば、思い出しました。
何かの報道で耳にした「ハワイにはホームレスが多い」ということを。

ある日、私たちはワイキキビーチにほど近いファストフード店で軽食をとっていました。
そこへ一人の大きな体でヒゲをはやし、ロングヘアの(ホームレスと思われる)男性が入店してきました。

何やら大声で威嚇するかのように店内を徘徊し、テーブルの周りをうろついては睨み、店内のゴミ箱を漁ろうとしています。

店内は不穏な空気に包まれ、人々は眉をひそめて彼を軽蔑した眼差しを向けます。
店員は何度も厳しい態度で彼に店の外へと出るように促していました。

その男性は悔しそうに捨て台詞を吐き、立ち去っていきました。

とても切なくなりました

私たちは、カードで食事をし、喉が渇けば飲み物を買い、お腹いっぱいになるほど食べることができているのに、すぐ傍らでは飢えてイラついている人がたくさんいる。

道端の植え込みにグッタリと身体を横たえている人や、お金を乞う人もいる。

どうしてそうなってしまったのか。
そういう生活を楽しんでいるはずもなく、なりたくてそうなったのではないでしょう?
きっと、そんな生活から抜け出したいと思っているのに、そうできない苛立ちや自暴自棄、存在価値すら認めてもらうことができない悲しさ。

日本のように凍え死ぬ心配はないだろうけど、辛いに決まっている。

貧富の差は開くばかりなのか

私たち観光客は自国に帰れば、安心して住む家がある。
水道の蛇口をひねれば、いつだって衛生的な水を飲むことができる。
もちろん飢えることなどない。
教育も受けられ、医療制度も整っている。

生まれながらの悪者など居ない

わたしはそう思っている。
誰だって可愛い、無垢な赤ちゃんだったはず。

しかし、貧困や置かれた環境によって教育を受けられないなど、人生の路を踏み外してしまう人が多いのだと思う。

ホームレスだって同じこと。
立ち直る機会と再教育など受けることができれば、真っ当な人生を歩めるのではないだろうか。

ほんの数日、異国で過ごした私は日本という国との違いをたくさん見て感じた。
これだけSNSで情報が溢れているにも関わらず、行ってこの目で見て、肌で感じることがまだまだある。
そこに行かなければ気づかなかったこと。

楽しいことばかり想像しつつ訪れたハワイで、心がシクシク痛んだ。

今日はクリスマス。
19時間遅れのハワイはクリスマス・イブ。
どうか皆に安心な生活と自分を誇れる日が訪れますように。


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