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屋号を考えるのが楽しかったので語る

4月から会社を退職し、フリーのライターとして働きます。

それに先立ち先日、税務署に開業届を提出してきました。

フリーランスの事情についてあまりご存知ない方のために解説しておきますと、開業届には、屋号(やごう)という事業の名称をつけることができます(つけなくてもOKです)。法人化する際に屋号をそのまま会社名にすることも多いので、会社名のしょぼいバージョンだと思っていただくとわかりやすいと思います。

別に屋号を名乗らなくても仕事はできますし、税務署に届けたものとは別の肩書きを名乗っても一切問題ないので、実は屋号はそれほど重要なものではありません。

じゃあ何のために屋号なんて考えるの? といえば、まあ、アイデンティティのためですね。会社員としてではなくイチ個人として社会とつながる自分を、どう定義するのか。そんな話なわけです。


さて、本題。

屋号を考えるにあたり、ひとつの方針がありました。

それは、「やたらとかっこよすぎる言葉を使わない」というものです。

自分を指し示す言葉に、「ハイパー」とか「メディア」とか「クリエイター」とか、そういうかっこいい言葉を使うのは、むしろダサかろうと思ったわけです。

というわけで使おうと思ったキーワードのリストが下記。

・金欠
・暴論
・虚栄心
・破滅願望
・情緒不安定

我ながら振り切っている。冷静に考えて、これを自己紹介としてお客さんに話したときに、案件がポシャったらどーすんだ、と思ってしまいました。

もう少し、かっこよすぎず、さりとて反社会的すぎず、ちょうどいいワードはないかとぼんやり考えていたところ、

たわごと

という言葉が頭をよぎったわけです。

これは悪くない。ネガティブなワードではあるけど、心が沈むほどの卑屈さはなく、若干の遊び心を感じさせる。日常的に使う単語ではないからこその、うっすらとした知的さも帯びている。

しかも、図らずも「言葉」に関係してるときた。ライターっぽい。

「たわごとのようなことしか書けない」と思われてしまわないか? とも思いましたが、そこは考え方次第。

個人的に『刀語(かたながたり)』というアニメが好きなのですが(2010年のアニメなのでもう10年近く前。衝撃)、その中に「斬刀・鈍(ざんとう・なまくら)」という銘の刀が登場します。

伝説の刀鍛冶によって作られた、究極の切れ味を誇る刀なのですが、そこにつけられた名前がまさかの「なまくら」。作中の考察によれば、制作者の皮肉でこのような名前になったのでは、とのことです。

オシャレじゃあないですか。これはいい。

文章を書くとなればその内容に自分自身が心から納得できるまで考え抜く派のぼくですが、それをあえて「たわごと」と言い切ってしまう。うん、何度考えてもいい。自分の性格のひねくれ具合ともうまくマッチしている。「ぼくの書くことなんて、しょせんはたわごとなんで」みたいな謙虚さをワンチャン感じてくれる人もいるかもしれない。最高。

屋号は、コミュニケーションのフックになってくれればそれでいいんです。この屋号なら、嬉々として語れる自信がある。


そんなこんなで、今後は「たわごとのアドライター」として活動していきます。なんかややこしいけど、まあいいや。

基本的には自分でやりたい仕事を見つけてアプローチしていく予定ですが、何かお仕事のご相談があればご連絡ください。

現時点では、文字単価1.5円程度であればお引き受けできると思います。調べたり考えたりは得意なので、ジャンルの好き嫌いなく、わりとなんでも書けると思います。

ご相談はツイッターのDMまで。お待ちしております。

@ad__writer

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