銀河図書館についての話

3日前には7th幕張公演のBDが発売になり、
そして昨日シンデレラガールズの総選挙が始まりましたね。
自粛や中止、いろいろなことがてんやわんやになっている中ですが、無理のないようにプロデュースを頑張りましょう!

今日は、前々から文章にまとめたかったことを書いてみようと思っています。

2018年7月18日に発売になった
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 19
に収録されている「銀河図書館」についてです。


2年近く前のことになるので、今なら皆さんがこの曲を聞く時の邪魔にならないように話せるかなと思います。
今日は詳しい解釈は一度置いておいて、曲を作ったときのことについてお話ししたいと思います。

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正式にこの曲の制作のお話をいただいたのは同年の2月頃でした。
実はその前から「そのうち鷺沢さんの2曲目の制作をお願いするかも」というふうに言ってもらったりしていました。

そんな経緯から、お話を受けたときには既に準備万全……ということはなく、大量の没曲や没アイデアの中で苦しんでいました。
というのも、いただいた発注が"鷺沢さんの2曲目の制作をお願いします!"という、最高にシンプルで、最高に試されている内容だったからです。

普通、曲の発注があるときは、曲調や内容、イメージなどの指定がある事が多いのですが、それが一切がない。
つまり「あなたの解釈で、鷺沢さんの曲を作ってください」そう言い渡されたのです。
これが相当プレッシャーでした。

自分は元々鷺沢さんPなので、自分の解釈するアイドルを思い描くことは簡単です。
しかし、そうであるが故に、"自分の解釈でしかないそのアイドル像を公式として押し付けてしまう"という危険がありました。

自分も1人のプロデューサーであることは間違いないです。
ですが作詞作曲者としてコンテンツに関わらせていただく時、自分は"各プロデューサーさんたちから依頼を受けて曲を書いた人間"でありたいと思っています。
なので、"自分が思い描く鷺沢文香"をそのまま出力する”ことは絶対避けたかったのです。

そういったことがあり、どんな曲を作っても"この曲は自分の解釈の押し付けになってしまうのではないか?"という疑念が消えなかったのです。

ただ、何回も悩んだり、今までの鷺沢さんの歩みを読み返した時に、いくつか頭に浮かぶことがありました。

・鷺沢さんの1曲目は、勇気をもって本の世界の外側に踏み出すことを描いている『Bright Blue』
であるならば2曲目は、"青い空・外側"という視点に対して、"夜空・内側"という世界観。
現実という太陽が昇ると隠されてしまうような、空想の銀河の世界をイメージの中心に据えつつ、『Bright Blue』とは逆の、アップテンポな曲がよいのではないか。
(直接的なモチーフにはなっていないのですが、星や夜にまつわる本を読んだりもしました。
『銀河鉄道の夜』や『星の王子さま』、『一千一秒物語』等々。)

・鷺沢さんの大きな特徴である、本や物語が好き、という性質を生かすには、ポエトリーリーディングが似合うのではないか。

・そのようなイメージで、鷺沢さんとプロデューサーさんが紡いできた物語を、そのまま曲に投影できるような曲にしたい。
そのためには、様々な解釈ができる歌詞にしなくてはいけない。

そうやって、曲や歌詞をギリギリまで、本当に締め切りの日の早朝まで悩んで、悩んで、出来上がった曲が『銀河図書館』でした。(関係者様各位や、相談に乗ってくれた方々には本当にご迷惑をおかけしました……。)

自分はこの曲を通じて、鷺沢さんをプロデュースしたことのある全ての方に問いかけたいことがあります。

あなたと鷺沢さんの間には、どのような物語がありましたか?
三行と四文字の先には、何が書かれていましたか?

ぜひ、その物語を聞かせてください!

#鷺沢文香に最高の1ページを

烏屋茶房

文章校正協力 友人B氏

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