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”烏丸ストロークロックの道草”について

こんにちは。
京都の劇団 烏丸ストロークロックといいます。
私は、その管理・プロデュースを担当しています。富田明日香といいます。
烏丸ストロークロックは1999年に代表の柳沼が近畿大学在学中に旗揚げ、以降京都を拠点に国内各地で演劇作品の創作・上演を行っています。
メンバーは、劇作・演出の柳沼昭徳、俳優の阪本麻紀、同じく俳優の澤雅展、そして富田の4人という小さな団体です。

この度、いろんな方の協力を得て、"烏丸ストロークロックの道草"という上演活動とは少し角度を変えた対談シリーズを立ち上げました。ここでは、そのシリーズの経緯と思惑を少しお話しようと思います。

日本では、劇場に行って演劇作品を観る、という習慣は残念ながら、少し特殊な趣味という域を出ないのが現状のようです。本を読む、映画を観ると同じぐらいのハードルの低さで、劇場に来ることが習慣になることを、舞台芸術に関わる方の多くが望んでいると思います。

劇場にたくさん足を運んでもらえたら、それは本当に願ってもないことです。もちろん作品を観てもらいたいです。しかし私たちの行為の目的は果たして「演劇作品を観てもらう」でしょうかね。本当の目的はその先にあって、作品を観てもらうことによって「人の流れ」に変化が起きる、ことを至上とするのならば必ずしも「作品を観てもらう」だけが出来ることの全てではないのかもしれません。何せ映画よりも本よりも高いお金を払って決まった時間に面白いか面白くないかもわからないのに、わざわざ劇場に足を運ぶのは、なかなかの労力です。それを促す労力を惜しむものではありませんが、他にもつながる方法はあるかもしれません。

この対談シリーズでは、演劇にこだわらず、烏丸ストロークロックのメンバーがお話してみたい方と、お互いに関心の高いテーマとシチュエーションでお喋りをしてもらいます。創作の道すがら出会った人と交わす会話とそこで見た景色のようなイメージで「道草」と名付けました。投稿の場として、noteを選んだのは、noteは一方的な発信ではなく共感と共有の場になっていると感じるからです。京都の片隅の劇団と世の中の小さな交わりになることを願っています。

第1回目のキーワードは「神楽」です。馴染みのない方は多いかもしれません。現代における神楽の在り方は本当に様々ですが、パフォーマンスではなく、地域で、それと意識されていなくとも生活と信仰の上に行為として舞われる神楽は、私たちが目指す芸能の原初を紐解く入り口となりました。その出会いのきっかけとなったのが対談相手の八巻寿文さんです。自身も美術家でありながら、仙台市の施設に長く従事し「せんだい演劇工房10-BOX」工房長や「せんだい3.11メモリアル交流館」館長を務めた八巻さんとの東北愛・神楽愛にあふれた対談をぜひお楽しみください。対談の前日、八巻さんと烏丸ストロークロック一行は早池峰神社の例大祭へ神楽の奉納を一緒に観に行きました。その興奮と熱気も感じられる初回になったと思います。

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■第1回 次元を超える「神楽」なるもの (八卷寿文×柳沼昭徳)
《前編》

《後編》

最後にこの企画にご協力くださっている編集者の大堀久美子さんに心からの感謝を申し上げます。

2019年9月吉日 烏丸ストロークロック 富田明日香

写真:相沢由介

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