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技能検定「機械・プラント製図」その1

しばらく機械設計技術者試験の話が続いたので、技能検定の話もしましょう。

『技能検定「機械・プラント製図」』とさらりと書いていますが、技能検定そのものは「機械・プラント製図」だけではなく現在約130種もの試験種が存在します。旧「職業訓練法」、現在の「職業能力開発促進法」という根拠法からなる国家資格です。
↓e-gov

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=344AC0000000064_20220401_504AC0000000012

改めてウィキペディアを読んでみると、もともとは1947年制定の職業安定法で置かれた「職業補導所」における全国統一の技能検定が1954年2月初開催されたとあり、そのとき実施された職種が「機械製図」「英文タイプ」「和文タイプ」「木工」「板金」「旋盤」「仕上げ」「電機機器修理」「塗装」「建築」との由。
130あるなかの古株中の古株というわけです。

わたしはたまたま前職のライセンススクールでFPとキャリアコンサルタントの試験にかかわる仕事をしておりました。技能検定本試験の運営をおこなうのは各都道府県の職業能力開発協会ですが、問題作成は中央職業能力開発協会です。技能検定という名前にはなじみがあり、この中央協会へも書類提出等の機会が折々あったのですが、当時はその全容を知ることなくおつきあいしておりました。
FP、キャリコンなどは新参者の資格でもあり実施を指定民間機関に委託されており、どちらかというとそちらのほうが例外であります。

なにぶん職種が多いだけに、その職種によって市場規模、それに伴う受験者数、実技試験を開催できる場所などの状況が異なります。
機械設計については1級、2級、3級が設定されていますが、47都道府県すべてで行われるわけではありません。
また、学科試験と実技試験は別日程となっており、都道府県によっては「他の試験種と共通日程の学科試験はおこなうが、実技試験はおこなわない」「実技試験については企業単位での団体受験のみ」などといった対応もあるようです。
学科試験はペーパーテストですから、一般的な貸会議室などでも開催できますが、機械設計の場合、一定の条件で使えるCADマシンが揃ってないとそもそも試験にならない(CADではなく手書きでの実技試験もありますが、それにしてもドラフタがないとダメでしょう)ので、需要度合いなどによってもこういうことになるのだろうと思います。
ちなみに昨年、令和3年度は南関東1都3県、一般受験を受け入れる実技試験は東京都の多摩職業能力開発センタと神奈川県のかなテクカレッジ東部(東部総合職業技術校・鶴見)かなテクカレッジ西部(西部総合職業技術校・秦野)の3ヵ所のみでした。コロナの影響もあり、東京は願書先着順(実質的には受付開始日に満員御礼になってしまっているため、そのなかで抽選)、神奈川県は電子エントリーしてから抽選、というような事態になっています。
受験準備をしていても抽選落ちという可能性もあるわけでシビアです。


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