台本解説〜泳ぐ大捜査線〜

暇を持て余してる人の為の、僕が飽きるまでの台本解説。

8月3日にREALITYと言うアプリ内で上演した
『泳ぐ大捜査線〜オルカデカのデカいヤマ〜』
こちらの台本について、空いてる時間にチマチマ更新していこうと言う企画。

まず、オープニング。
怪しい雰囲気の中、正体不明の3人の女性が、何やら話し合っている。『アレ』とか『計画』とか、なんだか分からないが、やたら意味深である。
そのまま、この約1ページの短いシーンは終わって行くのだが、彼女達が何の話をしているのか、それどころか、名前もわからないまま終わってしまう。

これは、よく使われる手法なのだが、冒頭で『具体的な情報を与えない事で興味を引く』
と言うもの。

本番をご覧になった方には既にお分かりの通り、彼女達は商店街の店主たちであり、話し合っている計画は福引のことであり、アレとはその景品のことである。
つまり、蓋を開けたら、どうって事のない話しを、わざわざ冒頭に持ってきて、意味深に語らせ、後々のしょうもなさへのフリを作っている。
(ちなみに、この時点では、「アレ」がなんなのかは、僕もまだ決めてない)

また、このシーンを入れたのは、もう一つ理由があって、前作では主人公の探偵まくらのモノローグから始めたので、全然違う入り方にしようと思ってのことである。

それと同じ理由で続くのが、この次のシーン。
音楽によって合わせ、カメラをガチャガチャ動かしながら、各キャラクターが一人ずつ現れ、一言ずつセリフを発して入れ替わっていくところである。
これも前回やらなかったようなことを入れようと言う事で、エンタメ演劇なんかで良くある表現をやってみようと言う試みだった。
とは言え、半分は遊びだったので、上手くいかなきゃカットすれば良いや、くらいに思っていたのだが、なんかそれっぽくなったから良しとする。

そして、そのエンタメ風のシーンで、最初のセリフの主役、オルカ刑事と、一番最後のセリフで、前作の真犯人、大嶋菜月を残し、昔の熱苦しい刑事ドラマ風のシーンに繋げる。
「これは(一応)刑事ドラマなんだよ。」と言う説明代わりである。

短いシーンであるが、前作のその後のお話である今回のお話しで、前作で捕まってしまった都合上、普通には登場できない大嶋さんの出番稼ぎのシーンも兼ねている。

このシーンが終わると、実はコレが前作のお話のクライマックスの更に抜粋だったんだよ。
と、言うような事がオルカ刑事の口から語られるが、今度はむくみ刑事に「話しを盛ってる(嘘だろ)」と指摘され、オルカ刑事もそれを認める。

つまり
「一応、前作に当たるものがあります。」
「大嶋菜月と言う人が犯人でした。」
と言う、最低限の情報だけ覚えておいてくれたらいいよ!後は今回のお話にはほとんど関係ないよ!知らなくてもヘーキ!忘れてもいいよ!

という、前作観てなくても大丈夫ですよ。って言う導線作りである。

ここまでを、冒頭の会議シーンから、流れを作って
意味深なフリで興味を引き

無駄にカッコいいオープニングで期待値を煽り

刑事ドラマであることと、前作観てない人へのフォロー

本編スタート

になる。
そして、そこまでの流れとは打って変わって、オルカ刑事とむくみ刑事の平和的で、なんて事のない会話に入って、本当に何もない、劇中のオルカ刑事のセリフを借りるなら「暇で暇で忙しい」時の二人がどんな様子であるのか、その2人を通して、このリアリ町と言う町と、ひいては世界観をやんわり説明していく。
それと同時に、オルカ刑事とむくみ刑事はどんな人柄なのか、関係性なのか、と言うのも提示して行くわけだが、オルカ刑事はともかく、むくみ刑事は今回の新キャラの為、僕も何も把握してないまま書き始めているので、書きながら、なるほど、むくみデカはそうなのか。と思いながら書いていた。

この二人に関しては、前作にも出てたオルカ刑事の日常を描くこと。
そして、その日常に新たに加わったらしいむくみ刑事とのやり取りで描かれる、新たな一面…!

と言う事前構想だった気がする。
だったハズだ。

それが、どうして、日常どころか現実離れしたお話になっていったのかは、僕にも謎のままである。

反響?反応?があれば、次回に続く。

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