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観光でも定住でもない「関係人口」という戦略

・移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に 関わる者である「関係人口」に着目し、地域外からの交流の入り口を増やすことが必要(「これから の移住・交流施策のあり方に関する検討会」)。
・地域との関わりを持つ者に対する地域づくりに関わる機会の提供や地域課題の解決等に意欲を持つ地域外の者との協働実践活動等に取り組む地方公共団体を支援するモデル事業を実施。将来的には、「定住人口」の増加も期待。

総務省のサイトにある「関係人口創出事業」の紹介は、上記の記述となっています。

机上から発するお役所の目論みは、そう思うようにはいかないことの方が多いのだが、この「関係人口」という考え方はおもしろいと思う。

生活が一変する「移住」には、相当の覚悟と決断が必要だろうから、その入り口に多様性を持たせることと、敷居を下げることは有効だと思う。

「このまちに骨を埋める覚悟はあるのか」というような受け入れ地域側の強い身構えは、地域で暮らしてみたい、地域で自分を活かしてみたいと考えている人たちにとってはとても高いハードルに違いない。


明治大学農学部教授の小田切徳美氏は「関係人口」について、「農村に対し多様な関心を持ち多様に関わる人の総称」と定義し、
(1)地域の特産品の購入
(2)地域への寄付
(3)頻繁な訪問
(4)地域でのボランティア活動
(5)準定住(二地域居住など)
(6)移住・定住
と、「段階的に関わる」ことで説明した。
一言でいうと、地域のファン、地域の課題解決にも関わってもらえる地域外の人々とのネットワークを拡げる取り組みといえる。


伊藤洋志氏&pha氏著、「フルサトをつくる 帰れば喰うに困らない場所を持つ暮らし」は、“地方創生“のタイミングと重なり話題になった。

京大出の二人が熊野にシェアハウスをつくり、二地域居住をした体験から、“拠点がいくつかあった方が思考は柔軟になる”、“都会か田舎かという二者択一を超える住まい方を考えたい”といったように、まさに「関係人口」が語る定住ではない地域との継続的な関係の在り方などについて書かれ、都市生活者の「関係人口」の考え方、逆に「関係人口」を模索する地域の在り方などへ柔軟な考え方が示された。

小さな田舎でも、いろんな人がいろんな所でいろんな活動をしている。
それらがバラバラになるのではなく、情報とやる気を共有しながらの切磋琢磨が欲しい。
地域内外の多様なキャラクター、人財を結び付けて地域ごとに模索していくこと、それにより様々な取り組みが生まれる場を育てていくことが重要だと感じます。


「#露熊プロジェクト」も、いろんな人生経験やスキルを持った人たちの集まりとなっている。
あと、どれだけ多くの住民の方がプロジェクトに参画してくれるか?
それがプロジェクト成否の重要な指標になると考えている。

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