映画すみっコぐらしを見ました

感想文です、ほとんどネタバレなし。

公式サイト↓
http://sumikkogurashi-movie.com

 私は元々すみっコたちが好きで、劇場版の公開をとても楽しみにしていた。特にぺんぎん(?)が大好きで、映画ポスターのアラビアンな姿には大変興奮した。ぺんぎん元カッパ説を推す河童狂信者であるため、ターバンの中に皿がある可能性に喜んだ、シュレディンガーの皿である。
 カレンダーにすみっコ公開!と書き込むくらい待ち望んでいたのだが、残念ながら気軽に行ける範囲に上映場所がなく、すこし出遅れた。グッズ残ってるといいなあ、などと考えながらイオンシネマへ出かける日を楽しみにしていた。
 するとなんと!Twitterで映画すみっコぐらしが話題になっている。だよねぇ!やっぱりかわいいは最強だよねえ!!と見に行くと、なんだか不穏なバズり方をしていた。「絶望すぎて○○が脚本かと思った」とか「子供向けなのにクオリティが高い」とか。

 どんな感想を持つのも自由だが、私はこういった際に関係のない有名な他クリエイターの名前を出されるのが苦手であり、ちょっとムっとした。それを聞いて見に行こうと思うのも構わないが、変な角度から過度の期待をして、勝手にがっかりされるのは悲しく、理不尽である。このときのすみっコ感想たちは、いかに絶望したかを表現する大喜利のようだった。でも話題になったのはうれしい。

 また、子供向けなのにクオリティが高い、というのは大人の勝手な想像であり、元々子供向け映画は完成度が高く面白い。一緒に見に行った大人も飽きずに楽しめるし、むしろ大人の心に深く突き刺さる。例えば最近だと「それいけ!アンパンマン きらめけ!アイスの国のバニラ姫」が大変すばらしかった、楽しそうに見ている甥と姪の横で私はボロッボロに泣いた。興味のある方はぜひ見ていただきたい。
 
 しかし、信頼できるすみっコ好きの方々から「悲しくてしばらくすみっコたちを直視できない」とか「switchの劇場版すみっコゲーム買ったけど開封できなくなった」という声も聴き、すこし不安になってしまった。私は劇場で何を見せられるのだろうか?泣く前提ですっぴんにマスクで行くことにした。

 映画館は小さな子と保護者だけでなく、大人たちがとても多くて驚いた。私のようにすみっコが好き!という方もいると思うが、ネットでの評判を聞いてきたのかな?と邪推してしまった。彼ら彼女らが純粋に「おもしろかった」と思えるといいな、と余計なお世話だが心配してしまった。緊張してポップコーンをほおばりすぎてちょっとむせた。

ここからはネタバレを含まない範囲で、おすすめポイントを書いていく。
 まず、井ノ原さんと本上さんのナレーションがとてもやさしい。正直これだけで泣きそうになった。悲哀ではなく、包み込むようなやさしさやあたかかさに触れて、自然と涙が流れた。隣で友人が「え?泣くの早くない?」という顔をしていたが、仕方ないのだ。やさしさからくる涙を抑えるのはむずかしい。
 次に、映像や演出がほんとうにめちゃよかった。本当はこのシーンのここが~と挙げていきたいが、まだナイショにしておこうとおもう。動きすぎず、しかし飽きさせない映像、ポップコーンも進む。子供たちがあはは!と笑えるようなシーンから、大人がふふっとなるシーンまで、様々な楽しさが詰まっている。
 そしてこの話が一番したかった、ストーリー!!ネット上で絶望だとか言われていて不安でしたが、部屋のすみっコから絵本の中へ舞台を変えた大冒険は、ちゃんといつも通り、そしてちょっと違ったすみっコぐらしでした。

 絶望したから悲しいのではなく、あまりに世界が優しいから、みんながやさしいから、互いを思いやって、だれも悪くなくて、でも、だからこそかなしくなってしまう、そんなお話でした。

 興味のある方はぜひ上映場所や時間を調べてみてほしい。
公式サイトの劇場情報↓
 https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=sumikkogurashi

面白かったー!!!絶対にみて!!!と大声で勧めるというより
よかったら、すみっコぐらしの世界を覗いてみない?と問いかけたい。

そして、できれば先入観を捨てて、子供にもどったような気持ちで、すみっコぐらしの世界に浸ってほしい。

感動した!超楽しかったー!とか、激しいものを期待しているとちょっと物足りなく感じてしまうかもしれない。優しく包み込むようなお話です。

映画すみっコぐらしとびだす絵本とひみつのコ、よろしくおねがいします。


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