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【自動車業界】中の人が2020年一体どうなるのかガチで考えてみた

どうも。カッパッパです。

自動車業界で働きながら、日々関連ニュースを発信するTwitterを運用しています。

興味のある方はこちら。



今回特別企画!

「2020年自動車業界どうなるの?」大予測

をやってみようと思います。

19年末に自工会会長、トヨタ社長豊田章男氏はこのように言われていました。

まずは、2020年こそは平穏無事な年であってほしい。

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1225577.html

残念ながら現時点3月の時点でこの希望は無くなってしまいました。。。

皆さんご存知新型コロナ。中国を皮切りに世界各地で流行を始め、日本でもこの2週間は超厳戒態勢。自動車業界への影響もとてつもなく大きいです。

ただでさえ先行きは明るくなかった2020年。新型コロナによって状況はリーマンショック、東日本大震災レベルの苦境に陥っています。

一体全体2020年度自動車業界はどうなるのか。現段階での状況をもとに独断と偏見で予測していきます。先の全く見えない社会。自動車業界ニュースに詳しいという自負はあるものの、当たるかどうかはさっぱりわかりません。

ただ今自分は状況をこう捉えていて、結果こうなると予測していたというプロセスを残しておくことはなかなか面白そう。答え合わせは1年後!当たったら褒めて、はずれてたら「何いってたんだあいつ」と笑ってやりましょう。

それでは、カッパッパの勝手な2020年自動車業界大予測スタートです。

1.現状把握

1−1.コロナ以前の見通し

今回新型コロナは20年にはいってから突発的に出てきた事象です。ではその前の段階で見通しはどうだったのでしょう。

とこちらに関しては前回業界研究のnoteで書いたのでそこからまるっと持ってきましょう。(興味のある方は購入していただけると作者の昼飯代1食分になりますので是非【PR】)


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世界全体をまとめると20年はほぼ横ばいの9370万台予想(ただ下振れ要因が大きい)。これまで成長してきた中国も数量は伸びず、成熟市場は横ばい、新興国でかろうじて販売が伸びるだろうという予測でした。

1−2.新型コロナの影響

1月末、中国の休暇である春節とほぼ同時期に問題が拡大化していった新型コロナ。現状での影響についてまとめておきましょう。

まずは直接的な生産への影響から。

春節(中国の旧正月休暇)は1/24〜30で2/3からは通常の操業が開始の予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府が操業規制、人、物の移動の制限を実施しました。発生元の武漢は3月中旬まで、他地域は2/16まで操業禁止、再開後も人が戻らないため稼働率を下げて生産しています。2/3開始が17日に変更、その後も昼夜勤→昼勤のみで生産とした場合、ざっくりですが、当初の2月計画にたいし△70%の生産量になります。3割しか作れていない計算です。

また中国から部品を輸入しているメーカーにも影響が出ています。海外では現代、FCAが操業停止。国内では日産が稼働を一時ストップ、ホンダ、マツダ等は生産量減や部品の間に合うものから生産できるよう順番変えて対応しました。


次に販売台数の影響

中国、2月の販売台数は前年比80%減となっており、台数だと約120万台減っています

https://response.jp/article/2020/03/05/332327.html

ディーラーは2月前半営業することができず、2割は3月になっても再開できていません。3月に入っても移動制限は継続しており、依然販売台数へ影響がありそうです。

3番目に経済全体への影響

新型コロナの感染拡大リスク、また人移動制限に伴う旅行者の減少等による需要減に伴い、世界各地で経済指標が悪化。株価が急激に下がり、不況に入りつつあります。中国では製造業の景気指数が過去最低を記録。

日本でも同様に経済指標は悪化。株価も一気に下落。欧州でもほぼ同様の傾向。唯一2月の指標の良かったアメリカですが、世界の新型コロナへの懸念及び自国での感染確認、拡大があり株価は大きく下落しています。こうした現状から消費者個人需要は大幅に悪化しており、自動車の購買意欲が低下しているとかんがえられます。

最後に19年三四半期の決算が2月半ばに発表されたので各社の現在の経営状況確認しておきましょう。

簡単にまとめるとトヨタ一人勝ち。他はSUBARUが比較的売上が良い(ただし品質問題で利益減)ですが、他社は非常に苦しんでいます。特に日産は自動車事業が赤字転落。またこの段階では通期の見通しに新型コロナの影響は反映されていないため、20年度決算は現在の見通しより大幅に悪化するでしょう。


2.2020年のこれから予測

さてずいぶんと長々と現状について確認してきました。ここまでが確定事項。これから先は予測。果たしてあたるのかどうなのか。現状を基にこれからの動向について必死に考えてみました。皆さんも是非予測立てて見てください。さあレッツ未来予想!

2−1 新型コロナの動向と景気(3/7現在)

まず中国。感染者数の推移を見ると落ち着いてきており、拡大期は過ぎたようです。(データ胡散臭いという意見があることは承知の上で)なので3月末には終息、通常稼働に戻り、4月くらいまでは余波でまだ影響は残りそうなものの、5月くらいからは正常に戻ると予想。

続いて日本。現在目下感染拡大防止のため、厳戒態勢中。うまくいけば、感染者数を抑え、パンデミックは回避。ピークの山自体は下がるものの、ピーク時期は3月末から4月、落ち着き始めるのが4月末から。5月中旬以降で通常運転に戻るという予想。無事オリンピックも開催、というか無理やりでもやると思ってます。(出来なかったら超不況に突入)

北米。正直1番読めない。当初はトランプさんが「コロナなんとかするでがははは」みたいな会見を開いて、なんとかなるかと思いきや感染は拡大。株価も下落(金利下げたけど効果はいまいち)。大統領選挙が控えているので無理矢理好況を維持すると思っていましたが、新型コロナの感染はどうにも防ぎようがなく、今後拡大するとアメリカの経済までやられるはめに。個人的には是が非でも好況を保とうとするので、そこまでひどいことにならないと予測(ただ本当にアメリカが1番読めないので外れる可能性高い)

欧州。まじでやばい。そもそもブレグジットやらドイツ国内問題で揉めていて景況感悪化している中でコロナ追い討ち。イタリアでの感染拡大非常にまずい。早期に防止できれば良いがバカンスの時期まで入ってしまうと今年の欧州は本当に死ぬ。大規模な感染拡大までは至らないがそもそもの景気が後退し始めていたこともあり、不況にINと予想。

インド。国としては回復期にあったが、全世界的なリセッションの影響を受けて回復が横ばいから微減になる可能性が高い。現在コロナ影響が比較的少ない国だと思っている。

ASEAN。コロナに関しては今のところ、国としての感染はそこまで広がっていない。ただここもまずい。代表国タイは観光業がメインで中国人が主なターゲット。観光客が入ってこないため、一気に景気が悪化する可能性が高く他の国も同様。昨年までほどの経済成長は見込め無さそう…

ではこれらの動向をふまえ、車の販売ってどうなるのでしょう。

2−2世界各地での自動車販売見込

表一つにまとめてみました!

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評価基準は 悪 XX<X<△(前年と同等)<○<◎ 良

中国は直近コロナの影響で大幅マイナスだが、取り戻しすべく後半からは政府が補助金導入、ナンバープレート規制解除などで大幅に回復させようしてくるはず。ただ前半のマイナスが大きすぎるので年間全体として減の2450万台予想

北米はコロナ感染リスク拡大で景気が低迷。現在の主流である嗜好性の高いピックアップトラック、SUVは景気が悪くなると売れなくなる可能性が高い。大統領選挙にむけ経済を失速させないために手を打つものの、機能せず、販売台数は4月以降減ると予想。年間1700万台程度になるのでは。

欧州。1番景気悪くなりそう。良くなる要因がなく、イタリアの様子を見ているとコロナが感染拡大していきそうで景気が一気に後退。車も売れなくなり年間1250万台予測

日本。そもそも消費税増税以降車は売れておらず。景気は後退局面。にコロナで追い討ちで一気に不況モードへ。オリンピックはなんとか開催されるものの、企業の業績悪化、個人消費者需要の落ち込みにより年間販売台数は500万台を割ると予想。日本は今年から不況に入り自動車業界はかなり厳しい時期にはいると思っています…

インド。今年は回復期の年!だったはずが全世界的な不況を受け、回復の度合いが減少。なんとか前年なみを維持する程度になってしまい、販売台数は370万台くらいに。

ASEAN。中国からの観光客減、景気減退による自国景気への影響が避けられず、個人消費が下がり販売は低下。結果、330万台ほどになると予想。

世界全体では3年連続のマイナス、9100万台に。2010年代前半から右肩上がりだった販売台数は今後も新興国を中心に成長はし続けるもののかつてほどの勢いはなく、成熟した市場になっていくだろうと予想します。


2−3.日本完成車メーカー各社の見通し

こちらも1枚にまとめてみました!

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トヨタ。世界全体で販売台数が減る中、ブランド力、ヤリスなどの新型車の投入により健闘、シェアは伸ばす。ただ中国での販売減が響き、販売台数は微減、営業利益はでるものの5%(19年8%)くらいになるのでは。

日産。中国割合が多いこともあり販売台数大幅減。新型車がたくさん投入される予定だが、不況で台数を伸ばせず。大幅なリストラを実施されることが予想され、その分の特損も計上すると思われるので、通期見通し段階で赤字に転落と予想。苦難の1年になるはず

ホンダ。日産同様中国での販売割合が大きく、また工場も武漢にあり、コロナウイルス影響が経営に与える影響が大きい。バイクなどでカバーできれば良いが、世界全体が不景気となればそれもまた難しい。と予想。

マツダ。マツダ3等の高級化路線がイマイチうまくいっているとは思えず、かつ世界全体不況の要因により経営状況は悪化していきそう。新型車の空白期間にもあたり、プラス要因が少ない。

スズキ。中国での販売が少なく、コロナの影響を比較的受け無さそう。ただ世界的な景気減退により日本、インドでの販売が伸びなやむ。なんとか今年なみは維持できるのではと思ってます。

SUBARU。北米での売り上げが好調なので、北米さえ大丈夫なら影響は少ない(ただし日本で車が売れないと厳しい)。なんとか19年とほぼ同じ所ぐらいまでは持っていけそう

三菱。日産同様かなり苦しい。新型車も3月に発売するもののこの状況だとなかなか売れない。ASEAN等の落ち込みも影響を受け、19年にくらべマイナス。最悪赤字すらあり得るのではなかろうか。

ちなみにVWなどの欧州メーカーは日本より悲惨な状況になることが予測されます。またGM等の北米メーカーはアメリカのコロナ次第ですが、かなり厳しいことは間違いないでしょう。


2−4.2020年自動車業界内で起こること

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こうした状況をふまえ、2020年自動車業界ではどのようなことが起こるのか。これまた勝手に予測したいと思います。

①業務提携の拡大

19年ではトヨタ、SUBARUの資本提携、ホンダ系部品メーカーの合併などかなり大規模な連携がありましたが、これがさらに進みそうです。部品メーカーを中心にかなり大規模な統合が進められていきそうです。

②大規模リストラの決行

不景気を理由に早期退職等を含めたリストラがかなり行われるのではないでしょうか。「終身雇用維持は難しい」発言が昨年トヨタ社長よりあり、働き方、雇用のあり方について、会社はかなり見直しを実施したいはず。どうせ決算わるいなた特損を積んで一気に構造改革を推し進め、「製造業は比較的安定」といったこれまでの見方が大きく変わってきそう。とりあえず日産は待った無しやろうなぁと。

この不況を期に働き方そのものが大きく変わっていく気がしています。

波乱万丈間違いなしの20年。とりあえずGW明けの決算が極めて重要なので業界関係の方は必ずチェックしたおいた方が良いです。またほぼ同時期に出ると思われる日産ルノーグループの中長期計画も必見です。

果たしてこの予想が当たるのか。現時点で頭振り絞って書いてみました。書いている間でも相場は激しくアップダウンしており、先はさっぱり読めません。来年答え合わせしてみて果たしてどうなっているのか。みなさんも自分なりに考えてみることすごく面白いのでぜひやってみてください。

あと20年とその次21年で起こること!

ボーナスが減る!!

辛いですが、出来ることは自分の身の回りだけ。

なんとかやっていきまっしょい。



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