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世にも奇妙な夢物話 3選

『ニューハーフ』

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久しぶりに会った友人と、喫茶店で話していると、いきなり旦那が店に飛び込んできた。大きな音をたててドアを開け、私と友人が座る席にダッシュでやってきて、勝手に空いている席に腰掛け、大きな声で話し出した。

「あの店、行ってみようよ!」

旦那が指差した店、それはピンク色の、お城のような見た目をした、ニューハーフの人がショーをするお店だった。
このご時世、飲み屋は良くないよ、と言いつつ、少し行ってみたい気持ちもある。
旦那は「あの店は会員制なんだ。俺が入り方を教えてあげるよ」といい、私の腕をしっかり掴むと、そのままピンクのお城へと歩き出した。
ふと、旦那の指に目をやると、赤いネイルをしている。旦那がネイルをしているなんて今まで気づかなかった。旦那の意外な一面を見つけたような気がして、嬉しかった。今度一緒に、ネイルサロン行けるかもね。
そんなことを考えながら、だんだん近づくピンクのお城のてっぺんを眺めていた。


『フランスパン』

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ずっと仲良くなりたかったけど、なかなか話しかけられなかった転校生。今日はなぜこうなったのかわからないけれど、家までの一本道を、一緒に歩いている。私は場をもたせるためにたわいもない話をしているんだけど、相手には通じていないような。そして相手も何か話しているけれど、よく聞こえないような。

お互い気にせず一方通行な会話を楽しんでいると、あたりがだんだん暗くなっていることに気づいた。

まずい、道に迷った。

上り坂の途中。周りはコンクリの壁に囲われていて、何も見えない。どうしよう、迷子になっちゃった。
すると、転校生が突然カバンの中を探り始めた。おもむろに取り出したのは、フランスパン。
そのフランスパンは、周囲の暗さに隠れ、いつもより余計に黒っぽく見えた。転校生は無言で、私にフランスパンを差し出している。
数秒考え、フランスパンを受け取ると、後ろから突然眩しい光にさらされた。

「何してるの!」母の声だ。母の車が迎えに来てくれたのだ。「早く乗って。」慌てて車に乗る。ドアを閉め、ふとさっきまでの場所に目をやると、転校生はもういなくなっていた。フランスパンの入っていた鞄だけが、そこに取り残されていた。


『母の煎餅』

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弟と公園で遊んだ帰り道、突然首を絞められた。咄嗟に大声で「助け」

「て」の声が出ず、私は意識を失った。

目が覚めると、雑に縄を巻かれた状態で、ワゴン車のトランク内に、私は横たわっていた。誘拐って本当にあるんだー…。完全に誘拐されているのだが、自分の身に起こったことがまだ信じきれていない。まるで夢を見ているようだ。

しばらく車に揺られていると、突然トランクが開き、私はそのまま外へ放り出された。
外の景色に目をやると、私よりもっと可愛い女の子が犯人に脅されている。
こうなったら、一か八かだ!私はバッグの中に入っていた煎餅を取り出し、犯人に突きつけた。
「これはお前の母さんが作った煎餅だ。母さんが今のお前を見たらどう思うか、わかるでしょう?お前だって、こんなこと辞めたいって思っているんじゃないのかい」
すると、犯人は泣き出した。「ごめんなさい、母さんが作った煎餅の味、忘れてた。」
そして、可愛い女の子を解放し、私の縄を解いたあと500円玉をくれた。
犯人の車は足早に去っていった。無事助かったのは良かったが、ここはどこだろう、どうやって帰ればいいんだろう…。


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今日の話は、全て私が見た夢の話です。なのでフィクションです。
でも夢で見たことは本当だから、ノンフィクション?
今宵はどんな夢を見られるかな。それではおやすみなさい。

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