「今まで長い間本当にありがとうございました。」
皆さんは85歳を過ぎたご夫婦からそう言われて頭を下げられた経験はありますでしょうか?
自分はあります。それもつい数日前。
先日、ご夫婦の奥さんからお店に電話がかかってきまして。
そういったご依頼でした。
何年か前、お家に行ってその自転車を預かりに行ったこともあったし
奥さんは店に来て父親と3人でお話ししたことも何度かあった
ご主人ともいろんな話させてもらった、豪快って文字がそのまま来るようなイメージだった
その奥さんからそういったお話をされて。
事情が事情だから、こちらも無理に「まだ大丈夫ですよ」とは言えない
引き取りをさせていただくことになりました
まだまだ暑い日のお昼すぎ、電話をしてから線路沿いにあるお家に向かう
来るのをお二人で外に出て待っててくれた
しばらくぶりにお会いしたけど元気そう
だけどご主人が杖をついてる
すこしお話させてもらった。
しゃべり方とか昔のまま全く変わってない
笑い方なんて前より豪快に思えるくらい
違っていたのは杖をついてること
歩くスピードがだいぶゆっくりだったこと
耳が遠くなってるように思えたこと。
お話してから引き取る自転車のところへと
倉庫の奥の方に置かれてしばらく動かしてなかったのかなと…
そんな状態になってたのを出して車に乗せる。
そこからまたすこし話をして。
うちのお店でずっとお世話になってくれてたことを聞いたのさね。
自分もだし父親やおじいちゃんの頃から、お二人だけでなく子供やお孫さんが乗るのもずっと。
そうなると10年20年どころじゃなく、もっと長いお付き合いだったんだって。
子供さんやお孫さんはこっちにいないし、今のお家には二人だけ
今回引き取ってゼロになったことで「これからなかなかお話できなくなっちゃうね」とか言われてね。
帰るときお茶のペットボトルを3本もらって
ご挨拶したとき言われたのがタイトルの言葉
「今まで長い間本当にありがとうございました。」
そう言って頭を下げられたの。
自分もいつも以上に頭下げた感覚だった。
車を動かして戻るときも道を曲がって見えなくなるまで見送ってくれてるのがバックミラーで見えるのさ。
なんだろう、うっかり泣きそうになってね
そんな言葉を掛けられたこと初めてだったから今までにない感覚になってさ。
三世代でとなれば、もしかすると50年とかのお付き合いだったのかな
その長い時間の最後になるかもしれない言葉を父親とおじいちゃんに代わって聞いたのだから
受け止めた重さっていうのを感じたし、2人はそういう仕事をしてたし、自分も同じようにそうしてくんだって認識したの。
一人で仕事してて分からない事だらけだし
これっぽっちも足元に及ばないけれども
やれることしっかりやってけば…てね。
そんな数日前のお話でしたとさ。。
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