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私がパワーコードにこだわる理由

さて、今回はTIPS系の話題から離れて、自分のこだわりについて書いていきます。
題して『私がパワーコードにこだわる理由』です!!

まず、パワーコードが何なのか?というのを簡単にご説明しますと…
ギターを弾くときに左手でコードを押さえて右手で”ジャラ〜ン”と鳴らすじゃないですか。普通、よくあるコードって大体ドミソの音が鳴ってるんです。たまにシとかレとか他の音も鳴ってますが、大体はドとミとソは含まれてるんです。

ですが、私は好んでドとソしか鳴らさないようなプレイをしょっちゅうやってるんです。

ギターにあまり馴染みがない方からしたら「ええっ?何でミを鳴らしてないの?ドとソだけよりもドミソにした方がお得じゃん!!」という至極当然の意見が湧いてきそうですね。

でも、これには私なりの理由があるんです。
順に見ていきましょう。

簡単だから

むかしむかし、かおりPがまだギターを始めたての頃…
スピッツの弾き語りができるようになりたい!と急に思い立った私は楽器屋さんでスピッツ全曲集みたいなのを買い、日夜コード弾きの練習に明け暮れていました。

そこで、やっぱりつまずくんです。
そう、Fが押さえられないんです。ギターあるあるネタだと思いますが…
6弦辺りは鳴るんですけど、人差し指を寝かせてる付け根のところ(?)がパキパキいってちゃんと音が出ないんです。
似たようなやつでBも押さえられませんでした(今も無理です)。

なんかもう挫折というよりこれは無理ゲーなんじゃないかなと思いました。

そんなとき、とあるギタリストの先輩に悩みを打ち明けたところ…
「もうこれでいいじゃん。」と言われ教えてもらったのが、6弦1フレットを人差し指で押さえ、5弦3フレットを薬指で押さえただけのあの形!そう!Fのパワーコードだったのです!!

「えっ、1〜4弦は弾かなくていいんですか?」
「うん。これだけでいい。でもミュートして(1〜4弦が)鳴らないようにしといて。」

そのときの私の視界がパーッと開けたあの感じ、今でも覚えています。
「あ、これだけでいいんだ。」って思いましたね。
確かに鳴っている弦の本数は少ないので響きは違うんですが、不思議と物足りなさを感じなかったんです。
この、物足りなさを感じなかったという感性が、今の私を形作っているとも言えます。もっと難しいことができるようになりたい!とは特に思わなかったんですよね。

ベースに似てるから

元々ベーシストだった私はすぐにこのパワーコードだけでいろいろな曲を弾けるようになりました。
だってこれベースのルート弾きとほとんど同じじゃん!ということで、そこから先はベースで弾いたことのある曲はすぐギターで弾くことができて、ギターに対する抵抗感も徐々になくなっていきました。

その後、いくつかのコピーバンドに参加してメインでギターを弾くことになるのですが…ほとんどパワーコードに直して弾いていました(笑)。
別にピロピロ弾かなくていいよね?ということで原曲のアレンジをガン無視して、パワーコードでジャカジャカ弾くだけ。
でもそんなクレームみたいなのはなかったですね(笑)。
とりあえずマーシャルのゲインをそれなりに上げてればいい音になったんで、ギターの音がカッコいい!とお褒めをいただくこともありました。

3度をぼかすことができるから

そんなこんなで時は経ち…1年後くらいですかね。
当時私ばりにパワーコードしか弾かないようなハードコアなギターの先輩がいまして。他の人から陰口をたたかれてたんですね。
「あの人パワーコードしか弾かないから暗いか明るいかの区別が付いてない(笑)」と。

私はそこで先輩を蔑む意図はなくて、当時は素直に「パワーコードばっかりだと暗いか明るいかはっきりさせない効果があるんだな」と思ったんです。

3度を鳴らしていないということは必然的にどっちつかずな響きになるんですが、この感情がないような響きの正体はこれか!!と気づくと同時に、でもパワーコードだけ弾いてたとしても曲全体を見て明るい曲か暗い曲かの区別が付いてるのは何でなんだろう?と考えることになり、音楽理論の世界に足を踏み入れることになったのです。

今でこそ私の曲でよくやっている手法なのですが、使っているコード進行、メロディーのスケールから、明るい曲なのか暗い曲なのかを聴き手に判断してもらうというのが、私の曲のコンセプトのひとつになっている気がします。
ただのパンクロック好きが作った曲とはひと味違う感じにしてやろ…というひねくれ感?も、これが原泉ですね。

メロディーを邪魔しないから

その後、作曲ができるようになりたい!と思った私は、ギターをジャカジャカ鳴らしながら鼻歌で曲を作っていくことになります。

そこで気づいてしまったんです。
パワーコードでバッキングしてるときってメロディーが際立つなってことに。

おそらくなんですけど、コードでミを鳴らしてないのでメロディーのファと半音でぶつからないんですね。マイナーコードだとレですか。
ドとソしか鳴ってないということは次に怪しいのはメロディーのシなんですけど、これは高いところでしか鳴らさなければ位置関係としてはメジャーセブンスと同じなのでギリセーフかなと。

なんか勝手にメロディーに耳がいくようになるなーと思って、ますますパワーコードに惹かれていきました。

歪ませるとカッコいい音になるから

これはサウンド面でのお話なのですが、ゲインを結構上げて”ジャー!!”と弾くだけで『よく聴く音』が簡単に手に入るんですね。
で、これが3度もちゃんと入れて弾くと、なんか濁ったように聴こえるんです。

たしか当時の私はアンプの前で3度を入れたバージョンと入れてないバージョンを弾き比べて、入れてないバージョンだとスッキリした”ジャー!!”になるなぁ〜などと研究してました(多分ゲイン上げすぎ)。

おまけにオクターブ上のルート音も入れた方がいいのかどうかさんざん迷って…今では入れてないです(笑)。弦2本だけ。
オクターブ上を普段から弾いてるとオクターブ奏法のときと差がつかないなーと思って、以来なんとなくそうしてます。ギターを本格的にやってらっしゃる方はどっち派なんでしょう?
音域の関係からか、オクターブ上も入れると女性ボーカルとの親和性が上がるなーとも感じています。私はミクちゃん使いなんですけど、このDTM活動を通じての新たな発見でした。多分これ正解はないです。

まとめ

こんな感じで、要するにミニマリストなんですね私。
パワーコードってよくパンク・ロック系の曲で使われる…みたいなことがギターの初心者用の教本に書いてありますけど、私は全くそうは思っていません。
いやパンクロック嫌いじゃないんですよ。むしろ好きです。
ただ、積極的にポップスで使ってみたいという欲があって、自分の曲でいろいろ試してみたいなーと思って今に至ります。私の曲は実はロックじゃなくて、パワーコードを使ったポップスなんです。

これからもときに激しく、ときにさりげなくパワーコードを使っていくつもりです。あの感情を何も含んでないような音でいろんな曲調を表現していきたいですね。
最近の曲は中域でいろんな楽器の音が鳴ってますけど、1度と5度だけで十分なんじゃないかな〜と私は感じています。

ところで、最近1度と3度だけ鳴らすプレイを勝手に開発したんですけど(ていうかすでにみんなやってるよね)、これって何か名前ついてるんでしょうか?
弦を同時に2本までしか弾けない縛りプレイですね。まさに。

かおりP
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