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やっと子供達を愛おしいと思えるようになった

先日、急に長男(2年生)の通っている小学校から「お子さんが体育の授業で頭を打ったので、病院に連れて行ってください」と電話があった。

私は驚いて、慌てて、その時に進行していたオンラインの打ち合わせを早めに切り上げて、学校へ。そしたらとても元気で、病院なんて行く必要あるの?!と思いながらも、言われるがままに一応連れて行った。案の定、CTを撮ることもなく、子供の様子を見ていてくださいね、ということで終了した。


その次の日だったか、夜、うちで大勢でご飯を食べていて、子供達が外で遊び始めた。まだ足元がおぼつかない(歩き始めるのが遅かった)2歳10ヶ月の三男が転んで、頭から流血・・・。おでこを少し切っただけだったけど、甚平さんが血まみれ・・・。

私はびっくりしたものの、本人は激しく泣いているから大丈夫と思って(反応が薄い方が、頭を打った時に怖いらしい・・・)落ち着きを取り戻しながら、彼の赤い血を拭き取って、着替えさせた。

血が止まったとわかると、すぐにお友達とまた遊ぶと行って、外に出て行った。


そして、昨日は、次男(5歳)が、長男と一緒に下り坂を自転車で走って家に帰ってきた。まだ乗り始めたばかりの重たい補助輪なしの自転車でコントロールがつかなかったのだろう。

曲がりきれなくて、橋の端っこのコンクリートに激突して、すねを激しく擦りむき、顔も少し打ったようで、私が外出から戻ってくると、泣き叫ぶ声が聞こえた。

周りにいた仲間たちが介抱してくれていて、傷の汚れもすっかり落としてくれ、怪我は大したことがなかった。抱っこして家に戻り、しばらくなだめて、バンドエイドを貼ったら、たちまち元気になっていつも通りに。


三人の男の子がいると、いろんなことが起きる。

怪我や喧嘩は日常茶飯事。
食卓は常に何かがこぼれて、私はじっとご飯を食べることはできない。

でも・・・

三人が子猫のように仲良くじゃれあって遊んでいたり、
三人が自転車と三輪車で広々とした空間で、走り回っていたり、
三人が夫と一緒に畑に入って、作物を食べながら収穫してきてくれたりすると、私はなんて幸せなんだろうと思う。

少し前までは、なかなか抱けなかった感情だ。

一人目の時はとにかく余裕がなかった。こうしなくちゃいけない、いいお母さんにならなくてはいけない、という気持ちに押しつぶされそうになりながら、いろんなことを学びに行ったり、子育てにいいことをしようとしていた。

加えて、長男がかまってほしくて一人遊びができないタイプだったので、一対一で相手をすることに疲弊してしまっていた。


二人目が産まれた時は、上の状況に加えて、もう一人の育児が加わるのだから、心身ともに負担が大きかった。兄弟が欲しくて欲しくて授かった二人目だったのは確かだったけど、やっぱり子育ての渦中というのはしんどくて(そう思わない人もいると思うんだけど)、子供がいてくれて、幸せ・・・なんて思う隙間はこれっぽっちもなかった。


三人目がその2年半後に産まれて、その負担はさらに大きく・・・出産後、1年間はほとんど記憶がない。私はどう生き抜いたのか、思い出せないくらい。だから、次男の一番可愛い時代(2歳から3歳くらい)なんて、頭の中から吹っ飛んでしまっている。

お兄ちゃんとは言っても、長男次男はまだまだ小さくて、かまってほしいばっかりで、かといって、三男を放っておくわけにもいかず、授乳にオムツ替え、寝かしつけ・・・

ああ、世の中のお母さんって、すごい!って、毎日毎日思い続けてきた(今も思っているけど!)


そんな日々を抜けて、三男が2歳10ヶ月に。長男は7歳、次男は5歳。これまでは、2歳半差で次の子供を授かってきたので、一番下が2歳半を超えたのに、下に小さな赤ちゃんがいない、という状況は初めてのこと。

それによってか、私も、ようやく落ち着いてきた、と思えるようになった。そして、三人の子供達の可愛らしい瞳を、やっと正面から見つめることができるようになった。彼らのさまざまに生まれてくる要望を、ようやく真っ向に受け止めることができるようになってきた。

それだけで、私の気持ちが変わってきている。とにかく余裕が大事だったんだ。これまで、本当に余裕がなかったんだ、ということがわかった。


周りの先輩たちや夫は「今が一番いいぞ。子供達が可愛い時期だぞ」と言ってくれたけど、それを実感するための余裕がなかった。

トイレ掃除だって、やっと最近、毎日できるようになって、本当に嬉しい!(これまではよくて2日に一度で、悪くて1週間に1回、あとは汚れた時にしかできなかった。)

定期的にシーツを洗える心持ちになったのも、毎日掃除機をかけられるようになったのも、玄関掃除をしようという気持ちが芽生えてきたのも、上の方のホコリが気になるようになったのも、本当にここ最近のこと!

そりゃあ、頑張れば、掃除なんて毎日できたかもしれないけど、そこに至るまでの心の余裕が必要。ヘトヘトになったら、休みが必要。小さな短い休みをとらないと、心身ともに壊れてしまう。

そんな連続だったから、私は自分に甘く、頑張りすぎないことを、次男誕生あたりから決めていた。(だって、掃除しなくても、死なないけど、授乳や洗濯はしないと、生き延びれない・・・。)


小学校と保育園から元気に帰ってきてくれる子供達の顔、お腹ペコペコでご飯を必死で食べる姿、三人でコロコロ転がって遊ぶ・・・

それぞれの瞬間に、しみじみと幸せだな〜、と感じる私がいる。可愛いな、愛おしいなと思える私がいる。新しい自分。

個人差はあると思うけど、少なくとも、私はこれまで、こんなにしみじみとした幸せ感を、子供たちに対して抱くことはできなかった。大変だ・しんどい、といった感情が前面にあったため、幸せに子育てしているお母さんたちを見て、すごいなあ、いいなあ、と思ってきた。

三人も(しかも男の子ばっかり)子供がいるから、子育ては慣れているでしょ?ってよく言われるけど、まったくそうでもなく、むしろ苦手!くらいに思ってきた(今もそうだけど・・・)。

でも、今、ようやく、苦手だけど、楽しい。苦手だけど、幸せ、の領域に到達することができて、お母さんになって、(辛抱して!?)お母さんを続けてきて、よかったって、思える。

ああ、そういえば、私、服を作ることを仕事にしようと思った時も、お裁縫はてんでダメで、苦痛で苦痛で仕方ない中で専門学校に通ったんだけど、なんとか時間をかけてできるようになったら、たちまち楽しくなった!という経験がある。

苦手なことを乗り越えた時、実は苦手というのは思い込みで、それができるようになることによる幸せ感は相当のものだということを知ることができた。

苦手だからやらない、やりたくなくて放っておいたら、きっと一生そのままだもんね。ちょっとはチャレンジしてみなくちゃ。

これからもきっといろんなことがあるだろうけれど、子供達がのびのびとこの地で無事に大きくなってくれることが、今の私にとっての大きな願い。

彼らがそういられるように、この地域がこれからもよりよく続いていくように、私はできることをしていきたい。

きっと月日の流れによって形は変わっていくだろうけれど、この「幸せ」が続いていくように。


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