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「ユーエンミー」がヤバ過ぎて心と心がマリアージュした


 いきなり不思議な画像を出して恐縮ですが、「ユーエンミー」で人はここまでキテしまうんだぞというサンプルでございます。



 最 高 過 ぎ る 。

 皆様、このトガり具合をご覧くだされ。31歳とは到底思えぬ血の気の多さ。想いを一方的に押し付ける独善的な歌詞も然る事ながら、歌い方が物凄いのさ。須田氏のがなり声は「バグアウト」や「ユートピア」でも聴けるけど、ここまで強くがなりをアクセントに据えた曲は何気に初では。エッジゴツ盛りで鼓膜がビリッビリッですよ。
 しかもこれ、ドラマタイアップ曲ですからね。ファンキーがモンキーしそうなコメディに「ポリアンナ」みたいな曲くっ付けるとか、お須田のお景凪やばくない? 一応書き下ろしじゃなくて後付け起用らしいんだけど、まぁそんなのはこの際なんだっていいのさ。今までのタイアップ曲とは明らかに一線を画すハジケ・ソングってのが重要。色々思い切ったね~! と心底思います。

 というのもこの曲、「ユーエンミー(You and Me)」ってタイトルなのに“あなた”の存在感が極めて希薄なんですよ。

軽やかに
跳ねる背に見惚れていた
青い温度の正体が
恋だとしたら

須田景凪「メロウ」より

瑠璃色を隔てて
ぎこちなく笑い合っていた
華やかな笑顔に見惚れました

須田景凪「雲を恋う」より

 須田バルーンのラブソング(あるいはそれに近い曲)って、上記の様に“あなた”の様子や、それに対する主人公のリアクションが具体的に描かれているものが多い。これ以外だと「美談」の「優しくなりたい あなたのように」とかもそうですね。“あなた”の人となりや時折見せる一瞬だけの姿を丁寧に切り取る。それが、須田バルーンが描くラブソングの特徴だと思うのです。

 ほんならYou and Meと名付けられた曲は道理的に次郎系よろしく“あなた”描写マシマシやろ、と思いきやどっこいこれがほぼない。ほぼってか全くない。

ウォーアイニーさ
今夜は何処にも行かないで
ウォーアイニーさ
あんたは少しも分かってない!

須田景凪「ユーエンミー」より

誰もあんたにはなれやしない
お願い信じて欲しいんだ
あ、試しにアバンチュールでもどうですか

須田景凪「ユーエンミー」より

 あんた(あなた)と歌われている部分をピックアップしても、相手の人物像/主人公との関係性/二人が置かれている立場etc……が他の曲に比べてどこか曖昧だと思いませんか。
 一応、主人公の想いだけが空回りして、焦った主人公が“あなた”を責めたり縋り付いたりしてるのは伝わってくるけど、肝心の“あなた”描写は一切出てこないんですよね。そう、「ユーエンミー」には特定の個人たる“あなた”が存在しない。メインで描写されているのは主人公側の一方通行な愛情表現「あなたと私」という狭く深い関係性を描いた曲なのにこれ如何に? ここに須田景凪ならではの滑稽なシニカル味を感じ、ぼかぁ膝を叩いたね。

 思うにこの曲、単純なラブソングというよりかは、主人公を取り巻く人物それぞれとの関係性を歌っているような気がしてならない。
 恋人は勿論、家族や友人、同僚や上司、はたまたペットやヤンキー中学生のナカジマ君。生きているならば大なり小なりの人間関係が必ずあり、様々な愛の形があり、その分だけすれ違いや騙し合いもある。主人公はそんな人々のいる日常を愛してやりたいと思っているし、深く繋がりたいとも思っている。思ってるんだけどなんでか上手くいかない。主人公が想いを寄せるのは“あなた”ではなく、“あなたに恋する行為”の方だから。「愛してる」ではなく「ウォーアイニー」と外国語でしか伝えられないのが空しいな。

 よって届かない愛情に心を蝕まれ、どこかの“あなた”をよすがとしているにも関わらず、【私だけの】孤独に苛まれているのかな。でも最後は「惹かれ合う」と希望が見え隠れするオチなんだよね。退廃的で皮肉っぽいのに、決して残酷にはなりきれない須田景凪の神々みたいなめんどくささ大好きなんだ。
 てかこの解釈合ってる?? 「ラブシック」や「朝を呑む」みたいな“男女のラブソングっぽいけど実はちゃうねん”系の曲が好き過ぎて、須田がラブソングって言う度「ホントはもっと深い意味があんだろ? 俺は詳しいんだ」とドヤってしまう。でも出だしからして主人公(というか須田さん)の内面描写全開だしな……真相は須田の中。

 ところでAメロの歌詞、めーっちゃ良いよね。

未来なんて実は無いらしい
それなら今を生きていたいんだって
傷がついても 雨に濡れても

須田景凪「ユーエンミー」より

必ずってなんか馬鹿らしい
有り得ないくらいが丁度良いんだって
心踊るような夢を語ってやろう

須田景凪「ユーエンミー」より

 極めて刹那的な歌詞が最高にすだすだしてるね? ここ数年のスダ・トレンドたるストレートで分かりやすい歌詞ながら、バッチリ“らしさ”残してるとこホント秀逸。とはいえ普段より高二病寄りの泥臭さ/青臭さ強めっすね。露悪的なまでに感情を曝け出しているといいますか。
 このあたり、初期の「繊細な情景描写越しに感情を描き出す」作風からだいぶ変化してて興味深い。でも未だに傷付いてるわ雨に打たれてるわ、本当に伝えたい言葉は伏せてるわ、それでも前を向いて生きてたいわで根っこは大きく変わってないんだよな。

“Artless”では「昨年、身近な人が突然いなくなってしまった事で【今】を強く意識するようになった」という意味の事を話していたが、改めて歌詞全体を俯瞰するとまさしく須田景凪の【今】が強く反映された曲なのだと感じる。ってやっぱり須田の心情大盛りじゃん!! 何が言いたいかっていうと須田景凪自身が俺達の心躍る““夢””ってコト。

 あと、ストレートなラブソング筆頭たる「雲を恋う」のインタビュー読み返すと、色々対照的な事書かれてて面白い。共犯者の様な関係の「雲を恋う」選手は感情を吐露出来てないのに、すれ違ってばっかの「ユーエンミー」選手は言いたい事言ってストレス溜めないタイプなの皮肉だよね~。

 そしてもう一つ、語るべき事がありますよね。曲と同じく、いやある意味曲以上に衝撃的だった>>>上がりまくる季節<<<
 
 ヤバくなれるのは誰……?


須田⁉
須田‼️

すだ‼️


スダ‼️


須田‼️‼️


S・U・D・A‼️‼️‼️‼️

ah~↑↑↑💥💥真夏の🌞🌴🏄jamboree~~‼‼レゲエ🇯🇲💃🙌🏻砂浜🌺🏖🌴🌞big wave‼️‼️🌊🌊💥💥💥🌊🌊🌊🌊🏄‍♀️🏊‍♂️🏄‍♂️🤽‍♂️🚢🚢🚢🏝🏖🏝🏝🏝⛱🤳🦈🐋🐬🐟


 最 高 過 ぎ る (二回目)

 キャストがいる須田MVは微妙の極み。そう思っていた時期が私にもありました。メッッッチャクチャ良いじゃないですかこれ……! 私は“Artless”東京公演ラストでちょっぴり早めに拝聴したんですけど、ココ(左胸を強く叩く)に刺さり過ぎて危うく世界救いそうになったからね。映像、解釈、センス、全て満点。須リザリンに1200000000000000兆点!!!

ガバガバな食べる演技ほんとすき

 中国語を取り入れた歌詞&オリエンタルなダンサブル・ロックに合わせてか、今回の舞台はズバリ中華料理店。内容は“キョンシーが現れてうんじゃらげーはんじゃらげー”という、往年のキョンシー映画をかなり意識したであろうアクション・ホラー・コメディタッチ。こういう視覚的に分かりやすいストーリー/舞台設定ってかなり珍しいっすね。

 というかこれまでのキャストありMVって「ヲンナの存在が解釈違い(例→ANSWER、ラブシ)」「単純におもんないし意味不明でキレそう(例→無垢)」「そもそも曲と映像が全く噛み合ってない(例→ラブシ)」と、かな~~り微妙などんぐり揃いだと個人的に思っていて。
 基本、須田景凪の魅力だけで世界は完成するから、そこにキャストをひとつまみしちゃうとカスタム大失敗したスタバのドリンクみたいになるんすよね。伝家の宝刀・解釈は皆さんにお任せ☆系なんちゃってドラマ仕立てのせいでモヤりがちだし。ゆるるとドリア以外は軒並みチェンジ⤵️実写MVに対する期待値は、ここ数年で大暴落していた。

 そんなわけで、サムネ公開時にはその「仄暗い水の底から」めいた異様さに面食らいつつも(どーせまたアレっしょ。ラブソングって事でキャストたゃにモテモテすだすだ💖✨💋🌈🎀とかっしょ)とテンション激萎え沈殿丸、“Artless”では迫害する気満々で視聴に臨んだ(いやなオタク)

 ところがどっこい、これが良い。良いってか過去一じゃね!? “中華料理店でのキョンシー騒動”というコミカルな内容が尖った曲調にピッタリだし、映像も曲の疾走感に負けてない。ストーリーは分かりやすく、しかしただ歌って踊るだけの大味な内容ではなく、さりげなく考察要素を散りばめているのもニクいところ。
 須田の食事/首傾げ/ギタープレイ/ダンス/コスプレetc……と、オタクウケ最高な““萌え””的要素もバッチリ完備。曲とのマッチングや映像作品としての面白さなどなど、MV制作における多種多様なハードルを見事乗り越え、絶妙なバランスで「ユーエンミー」の世界を引き立てる神・MV。shun murakami氏……いや、shun murakami神! あなたホンマにようやってくれたで……!!!

 なによりなにより、ネックだった【キャストのいる意味】が今回はちゃんっっとあるのが良いよね。

キョンシー役の人の半笑いに淫夢感

 ソロだったらこのワチャワチャ感は出せなかったろうし、目玉である須田の初ダンスシーンもイマイチ映えなかった筈。とはいえ必要以上にキャストをピックアップしないとこが𝑺𝑼𝑷𝑬𝑹 𝑮𝑶𝑶𝑫 𝑱𝑶𝑩. いつもの踊ってない夜を知らなくてオワラセナイトな黒髪清楚女子ではなく、闇金ウシジマくんとかで大変な事になってそうなチャンニーチャンネーなのも新鮮。こういうキャストMVならどんどん作って(てのひらドリル) 

 というかね~、やっぱ須田のダンスシーンなんだわ。

この画像あと120億回使うな……

 JIANGSHI from KEINA SUDA TRIBEッ……! あまりにも格好良いので、2024年6月29日PM8:00過ぎの全国搬送者数が120倍に増えたという伝説のシーン。

 これはもう、言葉にならんね。落ちサビ~~からの颯爽登場𝐊𝐄𝐈𝐍𝐀!!(LDH所属) まさかさぁ、あのフロントから動かな過ぎてオタに不動明王とイジられた須田が、香取さんにダンスのお誘い受けてあえなく断った須田が、この遊び心溢るるMVのラストで踊るなんて思わないじゃん。直前のMCで「今後は突拍子もない事をぎょうさんやっていきたい」的な事仰ってたけどまさか秒速で回収してくるとは。お景の十八番は即オチ2コマ。最高です。 

 完全未経験らしいのに(※1)意外とハマってるというか、踊ってます感がなく自然なのも良いよね~! まぁ言うて推しは元から運動神経良いしスタイルも良いしついでに天使だかんね。ダンスなんぞやらせたらそりゃもう映(ば)えない方がおかしいってもんよ。でもよく見るとしんどそうな顔で踊ってるんだ。

※1 (7/17 追記:MUSIC LINEにて「披露した事はないが、実は数年前に習っていた」発言あり。納得)

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 こんな感じで最高アンド最高でした、「ユーエンミー」
 Aメロだけ聴いた時はこれはチェンジですなぁ⤵️と思ったものだが、まさかまさかここまで刺さる仕上がりだとは……曲もMVもハチャメチャに格好良かったです。って、これ「エイプリル」の時と同じ流れじゃん。余白君はFullを聴かずしてイキり出す癖が付いてるから人生うまくいかない。

 あと、個人的に気になってるのが【突拍子もない事していく】発言ですね。

 須田さんが「面白い事する」とバチクソ煽ってくる時って、基本的にミリもおもしろくないものがお出しされる前兆と思ってるんですよ。具体的に言えば鼻歌とかオーディションとかオーディオドラマとかfeat.むトとか、あとfeat.むトやfeat.むトなんかもそうでしたね。ゆえにヲタクは戦々恐々。が、初っ端の「突拍子もない事」があまりに良過ぎたもんだから、心の奥底で期待せざるを得ない自分がいる。レーベルも変わったし、これからは本当に「面白い事」をしてくれるのでは……? 景凪チャン‼️ 信じても、良いのカナ……⁉️😘💓✨

 何というか今回の「ユーエンミー」からは自由を感じるのよね。今までの不思議な事をやり始めた時に付きものだった“やらされてる感”がなく、須田氏が心からすきなものに傾倒するサマを確かに見た。小出しのメイキング映像やライブMC、断片的に語られるMV制作秘話等から楽しさがひしひし伝わってくる。やっぱり須田さんは何かに抑圧されるより、穏やかに狼藉を働いてる時が一番輝いてるな~とぼかぁ再確認しましたね。

 というわけで、次回の【突拍子もない事】は「黒スーツ姿にチャカ持った須田景凪が画面に向かって一発ぶっぱなし、犠牲者に向かって『良いザマだよね~お前♨』とゲス顔かましながら火の付いた煙草押し付けるMV」でお願いします! ダメだったらアボガドさんとのレスリング対決で。

🎈今回のハイライト🎈

行儀のよさ

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