phonk houseとは
昨年夏頃にやっとEDMにハマり、spotifyで好きなEDMを集めてプレイリストを作るということを繰り返し楽しんでいた。
EDMという概念の誕生以降、EDMサイドでの音楽分類と非EDMサイドでの音楽分類に違いがあるということはかねてからなんとなく肌で感じており、プログレッシブハウス など既存の音楽ジャンルと同名でありながら別のものを指す という現象が エレクトロ と同様に存在することを体感する。
まさにこの世はパラレルワールドという様相なのだが 違和感を感じつつもこの違和感こそが老害感覚という自覚もあり、ここはこの二元を楽しむべきと双方の感覚を楽しんでいた。
私はどうやらEDMではBASS HOUSEに興味を持っているようで、積極的にBASS HOUSEのプレイリストやおすすめで上がってくるものを聞いていたところ、
急にダブステップ（UK アンダーグラウンドでの）、グライムのような重く、良い意味で暗い雰囲気を感じるものが急に飛び込んできた。
どの角度からの観点かという問題もあるのだが、TRAPもEDMに分類されるものらしく、その関係、なんらかの関連で上がってきたのだろうが、
アンダーグラウンドな雰囲気のものが唐突に入ってきた感覚があったので興味をそそられスマホ画面に目を向けてみた。
この曲は Playaphonk の Phonky Townという曲で、髑髏のアートワークにデスメタルなどでよく用いられる様なフォントのビジュアルで、明らかにEDMとは様子が違う。更に驚いたのが再生回数だ。そこには数千万回の（四千万回ほどだったと思う現在は九千万回、一億回の再生に迫る勢いである）数字が示されていた。（Spotifyとアートワークが違うようですね いずれにしてもおどろおどろしい）
EDMなどはなんとなく流行っている雰囲気を実感する場面も遭遇する。フェス動画などで上がってくるものを見ていると多くの人が楽しんでいたり、ファストファッション店などでBGMとしてプレイされているのも耳にする機会もあるのでシーンの存在がある程度可視化されているが、このような曲が街中で使用されるところが想像つかず、これは私の知らないシーンがあるという気配を感じた。
playaphonkをググるとphonk という Hip hop,trapの派生ジャンルが存在するということ、さらなる派生としておそらく phonk house というものがある ということが判明した
phonk については FULLMATICさんのこちらの記事が詳しいので参照いただきたい。
phonk houseは phonkを作っているトラックメーカーが遊びでBPMを上げたものを作る（主にロシア勢）という流派 と LEGOWELT（menphis rapのコレクターでもあるそう）の流れを汲むロウハウスのトラックメーカーがphonkの要素を取り入れたという流派と二つの流れがあるようだ。
特徴として前者は曲が短く、(1分半ほどなども珍しくない) 四つ打ち特有のロングミックス前提という概念が無いものも多く、それも新鮮な魅力があるように思う。
後者はスムーズなミックス前提に制作されているものも多く他ジャンルの人も取り入れやすいのではないだろうか。
曲の構成としての特徴は menphis rapのサンプリング、808カウベルのライン、ベースとディストーションの効いたザラザラとした質感
である。 カウベルでのメロディに80年代の暴走族のバイクの六連ホーンによって演奏されるゴッドファーザーの様な、なんとも言えないヤンキー感、サグの空気が醸成されている。
phonkの中でも細分化が始まり久しい様で、コロナ禍 youtube上でムーブメントになった様々なインフルエンサーのジャックする TERIYAKI BOYSの“Tokyo Drift”
は drift phonk と呼ばれるものになるそうだ。
（私の好きな phonk houseは drift phonk house になると思う）
また Phonky Townの再生回数の謎だが、おそらくこの曲は TikTokで非常に多く再生されていることが要因であると思われる。
端的にインパクトがあり、少し冷めたクールな雰囲気がファッション系の投稿などにぴったりのBGMとして選ばれている様である。
@ixlade_skullshot Playaphonk - Phonky Town #heywannalistesntosometunes #playaphonk #phonk
♬ PHONKY TOWN - Playaphonk
クラブやフェスなどで楽しむことが目的でないこともあるのか、 vaper waveの様にインターネット上で楽しまれトラックメーカーも世界中にちらほら存在するというここ一年ほどの(2021年）シーンの様である。
コロナ禍に於いて配信でのdjプレイや遠隔でのプレイなど様々な試みが行われ新しい形が模索されている中、新しいジャンルやムーブメントも誕生していることに興味と希望を見ている。これからもディグをし続けたいと思う。
稚拙なものであるが筆者のdrift phonk house mixと使用曲のSpotifyのプレイリストリンクを下記に。
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