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意味と背景を調べながら歌詞の和訳を完成させるまでのメモ『Pāpālina Lahilahi』
Aloha!
Ka'ohuです。
この記事では、Pāpālina Lahilahiを訳していきます。
タイトルにある「意味と背景を調べながら歌詞の和訳を完成させる」は、私のフラの勉強方法です。
レクチャー講座を受けたり、本を買ったりもしましたが、それらはいわば受け身の勉強方法。その時は分かったつもりでも、自分の知識として使いこなせるには至りませんでした。
ここでご紹介するのは、受け身とは真逆の、自分の手と頭を動かす方法です。
ひとつの文章を腹落ちさせるのに何日もかかったり、調べても分からずじまいなことも少なくありません。ですが、その過程で見つけた「情報」や「知識」はしっかりと自分のものになります。今では財産と言えるくらい、日本に住みながらフラを学ぶ私にとって価値を持つものになりました。
この「財産」は、もしかして、どこかでおなじように奮闘している「フラを学ぶ仲間」の役に立つかもしれない。そう思い、調べる過程とともに「メモ」として残すことにしました。
困った時、ほかの人の解釈を知りたい時、私の記事を覗きに来ていただけたら光栄です。
ゴールのないフラ道、 'olu'olu ka mana'oを忘れずに、景色を楽しみながらお互い歩き続けましょう。
そして、いつかどこかで会えたら称え合いましょう!
ハワイアンソングには「フラを習っている人なら誰もが踊れる曲」というカテゴリーが暗黙の了解で存在します。
Pāpālina Lahilahiは、その筆頭、第1位です。
メリー・モナークをはじめ、イベントやコンサートなどで最後に演奏され、会場にいる人全員で踊ったり、ワイキキのホテルで毎晩おこなわれているライブでも「次の曲はPāpālina Lahilahiだから、踊れる人は前に出てきて踊って〜」と呼びかけられたりします。
フラを学ぶものとしては、必ずおさえておきたい「マストな曲」なのです。
そしてこの曲、実はアダルトコンテンツ!
「パパリナラヒラヒっていう曲をフラダンスのイベントで子供たちが踊ってて可愛かった」と言われたことがありますが、歌詞の意味を知ると、とても子供には踊らせられません😂
なぜそんな曲が1位?! と思ったりもしますが、そういうところがまたハワイアンの魅力でもあります。
フラを習っている人はもちろん、フラを踊らない人にも、ハワイに興味がない人にも、ハワイ語の歌詞のおもしろさが伝われば嬉しいです。
では、よろしくお願いします😊
1.ハワイ語の歌詞を手に入れる
▷まずはHuapalaを確認
いつもどおり、まずはHuapalaを見ます。手元に歌詞があっても見ます。
ありました。→ Pāpālina Lahilahi
この歌詞をベースにして、誤字脱字がないか(特にオキナとカハコー)、確認して整えます。
▷ハワイ語の歌詞を自分で書く
自分で書いたり、キーボードで打つことはすごくおすすめです。
ここまでが一つの文なんだ、と分かりますし、自分でオキナやカハコーを書くことでより気を付けられるようになります。
ということで打ちました。
Pāpālina Lahilahi
■Verse1
He aloha wau iā 'oe lā
Kou pāpālina lahilahi
I ka ho'ohulu mau 'ia lā
I ka hunehune o ke kai
■Verse2
He aha nō ho'i kāu lā
O ke alawiki 'ana mai
Ua 'ike iho nō 'oe lā
A he pua 'oe ua 'ako 'ia
■Verse3
Hā'awi hemolele 'ia lā
Mai ke po'o a ka hi'u
He aha nō ho'i kāu lā
O ka pūlalelale 'ana mai
■Verse4
Ha'ina mai ka puana lā
Kou pāpālina lahilahi
Ha'ina hou ka puana lā
He aloha wau iā 'oe
✅ 上記の歌詞PDF(A4タテ)を作りました。必要な方はダウンロードしてください😊
HulaはMele(歌詞)ありき。という言葉があるように、フラは「歌詞の解釈」のアウトプットのひとつだと私は考えています。
踊ることだけでなく、歌うことも、こうして文章にまとめることも、自分の解釈を表現したものだと思うから、私にとっては「自分はこの歌詞をどう捉えるか」がとても大切なのです。
この歌詞を、「私自身はこう解釈しました」と説明できるところまで自分に落とし込むのが最終的な目標です。
そこを目指して、次に進みます。
2.いろいろな音源を聴いてみる
この歌は第1位だけあって、たくさんのミュージシャンの音源があります。ぜひいろいろ聴いてみてほしいです。
歌い方、演奏の仕方は、その人の解釈のアウトプット。「この歌をこう捉えるんだ」と知ることは、自分の視野を広げるのにとても役立ちます。
そのうえで、「私はこういう歌い方や演奏が好きだな」という1曲を見つけてみてください。
自分の好みを自分で知るのは大事です。好きなものに出会える確率あがると思うから。
では、何曲かご紹介します。
▷Genoa KeaweのPāpālina Lahilahi
まずはハワイアン・ミュージック界の大御所オブ大御所 からいきましょう。
Genoa師匠を知らない方は、この機会に名前を覚えるとともに(ネットにいっぱい記事あるので読むのもおすすめです)、このアルバムだけでも聴いておくといいと思います!
▷参考動画その1
Genoa Keaweの孫Pōmaika'iさんが、名誉理事的なkupunaさんに花をもたせてウクレレボーカルをお願いして自分はフラにまわる、alohaに満ちたPāpālina Lahilahiです。みんな出てきて踊って〜と言ってますよね😆
メリー・モナークや、日本の整ったステージももちろん素敵ですが、ハワイのゆるいこの感じが私は好きです。
あと、踊りが上手なことより楽しむことが大切だと気付かせてくれるところも好きです。
▷参考動画その2
Genoa Keaweの流れを汲むIzumiちゃんのPāpālina Lahilahiもぜひ聴いてほしいです。
ハワイでも今や数少ないトラディショナル・ハワイアンの歌い手IZUMIちゃんのLeo Ki'eki'e(ハワイのファルセット)は、柔らかくて繊細で「触れなば落ちん」的な魅力なんですよね。ちょっと他にいないんじゃないでしょうか。
この動画も、ゆるい感じがなんとも素敵です。「ハワイって、ふだんはこんな感じなんだ」というのもつかんでおくと、行った時にギャップがなくて良いので、こういう動画は意識して紹介するようにしています。
ちなみに、ゆるいのに超絶すごいです!
▷Kamaka FernandezのPāpālina Lahilahi
Kamakaさんは幼少期からハワイ語の教育を受け、マウイ島のファルセットコンテストで優勝もした、ハワイアン・ミュージック界のエリート。歌声も、なめらかなハワイ語の発音も美しいです。
私たちも、こういう機会に恵まれたらひるんだりせず、このご婦人のように颯爽と前に出て踊りたいですね!
▷Sean Na'auaoのPāpālina Lahilahi
Seanさん、スラッキーもボーカルもjazzyで大好きです。彼が歌うと、カントリーちっくなトラディショナルソングも洗練された都会の香りをまといます。I Konaもとても素敵なのでリンク貼っておきますね。
▷Makaha Sons Of Ni'ihau のPāpālina Lahilahi
Izが在籍していた伝説のグループ Makaha Sons。彼らのハーモニーにかかると、どんな歌も重厚で厳かになります。もちろんPāpālina Lahilahiも。
この動画は、Makaha SonsのPāpālina LahilahiをふたりのMiss Aloha Hulaが踊る、貴重な映像。左のkumuは1993年、右の生徒さんは2007年のMiss Aloha Hulaです。笑顔もフラも、まるで双子のようです。
控えめで、品があって。私はこういうフラ、大好きです。
▷Mahela のPāpālina Lahilahi
これは実際にステージで踊る時に私がよく使う音源です。
長さも、速さも、曲の感じも、すべてにおいて使いやすいです。
いかがでしたか?
ぜひ、自分の「好き」を見つけてみてくださいね。
それでは次の項目です。
3.作者について
作者のAlice Johnsonについて、有益な情報は見つけられませんでした。
4.このmeleにちなんだエピソードについて
こちらも有益な情報は見つけられませんでした。
3と4は、この曲に関しては情報があまりなくても大丈夫だと私は思っています😊
なぜなら、この歌は、歌詞の「裏の意味」を理解することこそ重要だから。
では、ここから歌詞の翻訳に入ります。
まずは準備です。
5.ハワイ語翻訳の神ツールを準備
▷Hawaiian Dictionary
ご存知、ハワイ語のオンライン辞書です。これなくしては始まりません。
▷DeepL
超優秀な翻訳ツールです。DeepLを知ってしまったら、もうGoogle翻訳には戻れません。アプリもありますし、Chromeの拡張機能もあります。
▷はじめてのハワイ語
激推しのハワイ語の参考書です。13年間、愛用しています。
この本だけで勉強すること13年、先日ついに短い作詞(haku meleと言います)ができました!
では、1番からさっそくいってみます。
6.和訳メモ:1番
▷1行目 He aloha wau iā 'oe lā
Heから始まる所有を表す文です。He ○○○+△△△. = △△△は○○○を持っている。これに当てはめると訳せます。
△△△に入るのはwau(私)、○○○に入るのはaloha(愛)なので、私は愛を持っています。となります。
iāは前置詞のi(人称代名詞、固有名詞の前につくとiはiāになります)でtoとかtowards. 'oe=you. ということで、あなたに。
私はあなたに愛を持っています。つまり I love you.
よく出てくるフレーズなので、定型文として覚えてしまうといいです。heがない時もありますが、ほぼほぼ同じ意味です。
《メモ》iāは、私のなかでは ia3きょうだい。ほかの2人は「ia これ、この、あれ、あの」と「'ia 動詞のあとにきて受け身にする」。おなじiaでもオキナとカハコーの有る無しで全然ちがう意味になる。間違えないように注意。
▷2行目 Kou pāpālina lahilahi
kou=your. あなたの。pāpālina(もしくはpapālina)はcheeks.ほっぺた。
lahilahiは辞書をひくと2行目がそのまま例文で載っていました。こういうの、なにげに嬉しい😆
your dainty cheeks と英訳されているので、lahilahi=dainty(きゃしゃな、かわいらしい)。lahilahiの一番目にある意味はweak(弱い)。それらをふまえて、私は「可憐な」と訳しました。
2行目は、あなたの可憐なほっぺた。ですね。
▷3行目 I ka ho'opulu mau 'ia lā
iは前置詞。kaは定冠詞theで、つぎにくるho'opuluが単数名詞だと示してくれています。'iaは受け身、lāは強意語。ho'opuluとmauが分かれば訳せそうです。
まずho'opulu。
《メモ》頭に付くho'oは、その単語が動詞なら使役動詞(〜させる)に、動詞以外ならば動詞に、それぞれ変化させる働きがある。ho'oは頻出なので、はじめてのハワイ語p59を読んで理解しておく。
あと、ho'o-で辞書に載っている場合もある。なくても、ho'oが付いた時の意味が書かれていることがあるので辞書をひく手間を惜しまないこと。
ho'opuluを辞書でひくと、See pulu, wet. 詳しくはpulu見てね、wetって意味だよー。とあるので、puluもひくと(この一手間が大事)、wet, moistとあります。濡れる、湿る、潤う。ってことですね。
mauはいつも、いつでも、いつまでも。
ʻiaが付くと受け身になるので、直訳すると「いつも濡れさせられている」
意訳すると(なにかによって)いつも濡れている。
▷4行目 I ka hunehune o ke kai
hunehuneはhuneの重複(すると意味が強まる)。huneをひくとtiny(とても小さい)。o=of, ke kai=the sea. 直訳すると「海の小さな欠片で」。
海の小さなひとかけらって何だろう。
あ、しぶきだ!
こういう表現の仕方が、ハワイの人達はほんとうにすごいです。なんて可愛い言い方なんだろう。
私は、ハワイアンの捉え方、視点、解釈が好きで、それを知るのが楽しくて、フラを学び続けているんですよね。
ちなみに、Tinyといえばこれ!Don HoのTiny Bubbles。
とにかく見つけたら聴いとく。全部じゃなくてもいいから聴く。
数を打ったあとに質がくると私は思っているので、けっこう手当たり次第です。youtube無料ですし!
サザンにも同じタイトルの曲があると知り、もちろん聴く。
そうこうしているうちに睡魔が到来したので寝る。
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一夜明けて2番。
聖子ちゃんも歌ってるとおり、夜明けの来ない夜はないです。
睡眠不足は百害あって一利なしなので夜明けが来る前に寝ましょう。
それにしても聖子ちゃん、なんて可愛いの!
《メモ》Heから始まる文にはもうひとつ、等式文 があります。He ○○○+△△△. = △△△は○○○です。こちらを使って、聖子ちゃんは可愛いです。という文を作ってみましょう。可愛い=u'iなので、He u'i Seiko-chan!
できました!こうして少しずつハワイ語の文が書けるよう練習しています。
7.和訳メモ:2番
▷1行目 He aha nō ho'i kāu lā
Heから始まる等式に疑問詞ahaを入れた疑問文です。He aha ○○○? = ○○○は何ですか?これに当てはめると訳せます。
nōもho'iもlāも強意語。残るはkāuのみ。kāu=your,yours.
あなた一体なんなんですか?
てことですよね。ドラマに出てきそうなセリフです。こういう時は次の行に詳細が書かれていることが多いので、次行と合わせて考えるべし。
と、その前に。
▷参考動画その3
He ahaから始まるメレといえば'Anapau。今年のメリモでカムエラが踊ってました。馬にまたがる活発なLili'u、可愛かった〜。Mele ma'i(ma'i=
生殖器)の意味深な感じをキュートに表現していて、特に最後の'Anapau lāを3回繰り返すところなんて最高でした。
▷2行目 'O ke alawiki 'ana mai
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