20230709


値上げ「今年度も」5割超 外食調査
2022年度の飲食業調査によると、23年度に値上げを計画する外食企業が52.6%に上る
9割超の企業がすでに22年度に値上げしたものの、食材高騰や人手確保の費用を補えない。
主要な外食企業550社を対象に4月上旬から6月上旬まで実施し、306社から回答を得た今回の調査では値上げしても費用負担の増加を補えない収益環境が浮かぶ。

人手不足は深刻だ。22年度の人材確保の状況について聞いたところ、コロナ前と比較した前回調査より24.2ポイント高い、84.5%の企業が人手が確保しにくくなっていると回答

物流費もかさむ。日本経済新聞の調べでは、複数の荷主の荷物を搭載した混載トラックの運賃は直近では19年秋ごろと23年初めの2回にわたって計7%引き上げられた。

ナフサ、2年半ぶり安値圏
スポット500ドル台、中国需要低迷続く
石油化学製品の基礎原料ナフサ(粗製ガソリン)のスポット(随時契約)価格 1トンあたり500ドル台前半と、2022年3月の直近高値より5割安く、約2年半ぶりの安値圏
スポット価格は22年3月、ウクライナ危機による原油価格急騰を受けて、08年7月以来の高値である1184ドル前後に達していた。

ナフサはガソリンや軽油と一緒に原油から精製する。石化会社はナフサをエチレンやプロピレンといった基礎化学品に分解して、さらにポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂(プラスチック)を作る。基礎原料であるナフサの価格は、幅広い石化製品の価格指標となる。

ナフサはアジアで供給過多に陥っている。「ガソリンなどの石油製品の市況は堅調で原油の処理は減っておらず、副産物であるナフサの供給は減っていない。ただ、ナフサは川下製品の需要が弱い」(石化大手)。

中国の需要低迷を受け、アジア全域の石化製品に余剰感が強まっている。

様々な石化製品の値決め指標になる国産ナフサ価格は、四半期の平均輸入価格を参考に決める。アジアのナフサ相場は、輸入価格を介して、おおむね2カ月遅れで国産ナフサ価格に反映される。
現在のアジア価格の下落は、7~9月期の国産ナフサ価格の押し下げ材料になる。4~6月期の価格は1~3月期(1キロリットルあたり6万6500円)を上回る見通しだが、石油化学コンサルタントの柳本浩希氏は「円安進行の影響以上にナフサの価格が低迷し、7~9月期の国産ナフサ価格は下落する方向」

国内の石化業界には製品値上げを目指す動きもある。石化製品の加工会社の担当者は「用役コスト高やトラック運転手の残業時間規制が厳しくなる物流の『2024年問題』など、ナフサ以外のコスト負担が大きい」国内石化製品の需要は消費者の節約志向などで

需給ギャップ
日銀は5日、日本経済の需要と供給力の差を示す「需給ギャップ」が2023年1~3月期でマイナス0.34%だったとの推計を発表
生産機械の稼働率などから算出する資本投入ギャップと、労働時間や労働者数の増減などから算出する労働投入ギャップの合計で推計
一般にプラスだと需要超で物価には上昇圧力が働きやすく、反対にマイナスだと物価が下がりやすいとされる。

半導体などの供給制約が尾を引き、自動車の減産なども影響したもようだ。
ただし、労働者の労働時間が前期に比べるとやや増えたことなどで、生産に弱さが残るなかでも全体の需給ギャップは縮小した。
需給ギャップについても「物価を規定する要因の一つ」との認識を示している。今後日銀の見通し通りに需給ギャップが縮小し、プラス圏に向かえば、物価の上昇基調を裏付けることになる。

賃上げ平均3.58% 30年ぶり高水準
連合は5日、2023年春季労使交渉の最終集計結果を公表
基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ率は平均で3.58%
3%を超えたのは29年ぶり
賃上げ額は平均で1万560円と前年比で4556円


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