20230725

  • 2024年問題 安定輸送へ政府が指針
    ▽…2019年施行の働き方改革関連法で時間外労働時間の上限などが定められた。
    物流など一部業界では24年3月末まで猶予期間がもうけられていた。
    同年4月以降はトラック運転手の時間外労働時間が年間960時間と制約が求められる。
    物流業界は慢性的な人手不足が続いており、労働時間の上限が加わることで安定輸送がさらに困難になるとの懸念がある(「2024年問題」と呼ばれる)
    ▽…政府は6月の関係閣僚会議で「物流革新に向けた政策パッケージ」を策定した。
    ガイドラインでは荷待ち・荷役作業を2時間以内とし、すでに達成している事業者は1時間以内を努力目標とする
    事業者間での共同配送により、積載率向上に努めることも求める
    ▽…野村総合研究所は規制の強化で25年に全国の荷物の28%、30年には35%が運べなくなるとの試算
    こういった状況から、物流各社のほか、メーカーなど幅広い業界で垣根を越えた物流改革が急務となっている。


  • 物流「2024年問題」影響は?


  • 物流が停滞する「2024年問題」で、物流がストップすると経済や生活に幅広い影響が懸念される。
    これまで事前に労使で特別な合意を結べば、事実上、無制限に残業ができる仕組みになっていた。が時間外労働に上限が設けられた。
    ドライバー一人ひとりの働く時間がこれまでより短くなると、結果として物流業界全体で運べる荷物量が減る。
    野村総合研究所の試算では、30年には貨物需要に対して35%のドライバーが不足する。
    24年問題による物流の停滞を避けるには、ドライバーの負荷を減らす様々な手法を組み合わせる必要がある。
    長時間勤務になりがちな長距離輸送では、トラックから貨物鉄道や船舶に輸送を切り替える「モーダルシフト」が有力な対策の一つ
    中継地点を設け、複数の運転手で分担する「中継輸送」も選択肢
    2日で1往復の働き方を1日1往復にでき、日帰り勤務が可能になる。
    宅配業界ではドライバー不足に伴うサービスの見直しで今年相次ぎ値上げを実施。ヤマト運輸は6月に翌日配達が可能なエリアを縮小した。
    荷主企業も対策を急ぐ。例えば、味の素カゴメなど大手食品メーカーが共同出資会社を通じて共同輸送を手掛けるほか、ユニ・チャームライオンなど日用品メーカーと卸なども共同で物流の効率化を進める。

  • 国交省、荷主・運送業者の取引監視
    国土交通省は18日、トラック運転手の不足が懸念される「2024年問題」を巡り、総勢162人の「トラックGメン」を配置すると発表
    荷主と運送業者の取引を監視し、運転手の長時間労働につながりやすい「荷待ち」などの行為があれば是正を促す。
    21日に新設し、国交省と地方運輸局など全国に人員を配置、トラック事業者への聴取などにあたる。
    問題が見つかれば貨物自動車運送事業法に基づき是正を求める。
    荷主が違反行為の恐れのある行動をとっているとの強い疑いがある場合に法令順守の徹底を要請する。要請しても改善されない場合は勧告したり、事業者名を公表する
    物流業界では倉庫に到着しても荷主側の都合で待機させられ、長時間労働につながりやすい荷待ちの問題がある。原油価格の高騰などで運送会社が運賃引き上げを求めても不当に据え置かれる事例も出ている。

  • 日用品、最大の物流連合
    24年問題はトラック輸送に頼る企業間物流で大きな影響が予想される。これまで企業側も鉄道や船を活用するなどしてトラック輸送への依存を軽減してきた。
    長時間労働の要因である配送の荷下ろしや待ち時間といった長年の課題の抜本的な解決を迫られている。
    日用品メーカーと卸の合計10社が年内に共同の物流システム基盤の運用を始める。
    数時間を要した荷下ろし作業時間を4割短くする。
    10社連合は共同運送も視野に入れ、運転手不足で物流が滞る懸念がある**「2024年問題」**に備える。
    日用品メーカーはエステー、ユニリーバ・ジャパン(東京・目黒)、小林製薬などの9社、卸からはPALTACの計10社が参画
    日用品卸のあらたも参加を検討中で、各社はP&Gジャパン(神戸市)に参加を促すことも検討する。
    商品の受発注システムを運用するプラネットが開発した物流基盤システムを採用
    メーカーが商品を発送する際に各トラックが運ぶ商品や荷物量のデータが事前に卸に共有され、卸の倉庫で段ボールを1箱ずつ納品伝票と突き合わせて商品を確認する細かな検品作業が不要になる。
    トラック運転手の荷下ろしや待機時間を長くしていた要因の一つは荷物の検品作業
    これまではメーカーと卸の間で商品の出荷情報が事前に共有されていなかったため、細かな検品作業が必要だった。
    実証実験では、荷下ろしの作業時間を4割短くできた。
    国土交通省の推計では現在、待機時間と荷物の積み下ろしで平均3時間を要する。国はこれを1時間以上短くすることを荷主企業に求めている。
    6月に政府がまとめた物流問題対策でも検品作業の効率化を挙げた。
    日用品は商品の種類が多いうえ、配送頻度も高い。全日本トラック協会によると、トラック貨物量の4.5%(20年度)を日用品が占める。
    トラックの荷下ろし作業が長引くと、別のトラックは倉庫周辺で待機せざるを得ない。長い場合は半日単位で待ち時間が発生することもある。運転手の長時間労働につながっている。
    メーカー各社の共同配送も視野に入れる。各社の拠点を最短ルートで回り効率よく卸の倉庫に届け、配送スケジュールを自動で算出する仕組みも検討する。

  • 「24年問題」で新刊発売さらに遅延?
    トラック運転手の労働時間を規制する「2024年問題」が、出版業界にも大きな影響を与える
    そうだ。首都圏から離れた書店では、さらなる発売日の遅れも懸念される。出版社と書店を取次会社がつなぐ出版流通の構造には改革が求められ、その兆しも見えている。
    出版取次大手の日本出版販売(日販)「これまでのやり方で現在の流通を維持することが難しくなる」「出版流通は東京から全国に運ぶ方式なので、このままでは遠方への輸送で労働時間の規制に抵触する恐れがある」。
    解消しようとすると、一部書店で新刊の発売日が遅れることも考えられる。
    「タイムラグは非常に深刻な問題」「既に北海道は発売が首都圏より3日遅れる『3日目地区』にあたる。今後さらなる遅れが生じれば、返品率にも影響が及ぶ」
    出版業界では、書店が売れ残った出版物を返品できる委託販売制度がとられている。
    書店が多種多様に仕入れることができる利点がある一方で、返品にかかる運賃や人件費の負担も大きい。「返品が増えることで、書店のコスト増も見込まれる」
    出版流通の改革に向けた動きも見られる。紀伊国屋書店、「蔦屋書店」などを手がけるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、グループで書店も運営する日販の3社は、新会社の設立を発表。書店と出版社の直接取引で仕入れを効率化し、書店の利益増や返品率低下を目指す。
    「書店も責任を持って仕入れなければならない」新会社では発注に人工知能(AI)を活用し、出版物の買い切りも進める。「24年問題で出版業界はいよいよ切羽詰まってしまう。出版社にとっても良い形を探し、業界全体を持続可能なものにしたい」
    コンビニエンスストアへの雑誌配送も悩みの種
    「コンビニの雑誌売り上げが落ちる一方で、各所に運送する手間は大きい。24年問題でコンビニから雑誌が消えることも考えられる」「現在は毎日出版物が出ているが、今後発売日の格差が広がる中でその体制を見直し、毎日新刊が出るという常識を変えていかなければならないのでは」

  • 物流「24年問題」
    **・物流「24年問題」 ***
    24年4月に施行される改正労働基準法
    自動車運転業務は時間外労働の上限が年960時間(月80時間)となる。現状は労使が合意すれば実質的に制限はない。
    休憩や待機などを含む拘束時間は現状より216時間短い年3300時間にする。月21日の稼働を想定した場合、1日あたり14時間から13時間程度に短くなる計算だ。
    厚生労働省の調査によると、トラック運転手の収入は全産業平均を下回る。労働時間短縮で長距離輸送などが難しくなると運送会社の業績が悪化し、運転手の収入減につながる恐れがある。担い手不足が深刻化し、物流網が混乱する可能性も指摘される。
    物流業界の2024年問題 運転手、時間外に上限
    ▽…働き方改革関連法が2019年に施行された際に特例でトラック運送業への適用が猶予されていたが、24年3月末で終わる。トラック運転手の時間外労働に年間960時間の上限が課せられる。人手不足が慢性化している物流各社が十分な運転手を確保できず、安定的な長距離輸送が困難になるとの懸念があり、「2024年問題」と呼ばれる。
    ▽…現状の物流システムや労働環境のまま輸送を維持するためには運転手の増員が必要になる。全日本トラック協会の22年の調査では、時間外労働が960時間を超える運転手がいると回答した企業は27.1%にのぼる。およそ4社に1社以上が24年以降の規制を満たせていない状態だった。
    ▽…野村総合研究所はこのままの状態では24年問題の影響で、25年に全国の荷物の28%、30年には35%を運べなくなる可能性があるとの試算を公表した。物流各社は、配送方法の見直しや荷下ろし作業の効率化、運転手の負担軽減などの対応が急務となっている。
    ・物流の2024年問題:物流業界の労働環境の改善について今後の制度改正に向けた中間案を示す(国土交通省)
    荷主らに物流プロセスの効率化を義務づけることが柱となり、関係者の意識改革を促す。
    ドライバー不足が深刻化する「2024年問題」に対応するため、関連法の改正を検討。
    中間案は物流プロセスの効率化への対策を盛り込んだ。待機時間や労働時間の削減、物流の平準化への対策を荷主や物流事業者に義務づけることを検討する。契約条件の明確化や物流コストの可視化、荷主企業の経営者や消費者に周知する方策も議論すべきだとした。
    物流施設、24年問題どう対応? 2023/03/30
    ・2024年4月からトラック運転手の時間外労働に年間960時間の上限規制が適用され、人手不足の懸念が強まっている。
    運送会社だけでなく、物流施設事業者も倉庫運営の効率化や人員の負担軽減などの対応策が求められている。
    ――24年問題が物流施設にもたらす影響
    「電子商取引(EC)の利用拡大を背景に荷物の小型化が進み、全体の流通量も増加傾向
    物流倉庫は『暗い』『危ない』といったマイナスイメージも根強く、現場は慢性的に人手が足りない。
    残業規制でドライバーに多くの人員を割くようになれば、荷下ろしや仕分け業務の人手が不足する恐れがある」
    ――人手不足の解消にはどんな策が有効か
    「大都市をつなぐ地方都市にトラック輸送の中継地点を増やすと、ドライバーが交代しやすくなり、労働時間や業務負担の軽減にもつながる。物流施設の開発用地も少なくなるなか、まずは(関東と関西のハブとなる)中部圏を中心に既存の輸送網の中で拠点を分散して増やしていくやり方が現実的と言える」
    「規制が本格化すれば地方の開発ニーズが顕著になるだろう。ただ、大型賃貸物流施設は開発に数年単位の時間がかかる。『仕分けや梱包といった作業場まで用意するのか』など、入居テナントである荷主ごとの要望に合わせた対応も求められる。ドライバーの負担軽減で駐車場や待機場、休憩所を設けるなどできるところから始めるべきだ」
    ――人件費や光熱費の高騰で物流施設の運営コストが上昇している
    「(複数の企業で空間を共有する)倉庫のシェアリングサービスが有効だ。例えばピーク時の約8割の荷物を自社スペースで、残りは他の荷主と施設を共有すれば倉庫管理にかかる人手やコストを抑えられる。ロボット導入による倉庫業務の自動化など、(業務効率化へ)入居テナント同士が知見を共有できるような仕組みづくりも進めたい」
    ――その他に取り組むべきことはありますか。
    「物流業界の地位向上も人手確保に欠かせない。当社は施設内にカフェスペースを設置したり、作業庫に窓を取り付けて自然光を取り入れたりなど、従業員が働きやすい環境づくりに力を入れている。22年からは地元の小中学生を対象に施設の社会科見学も始めた。物流の大切さを知ってもらうことが将来の担い手を育てる第一歩になる」
    ・物流施設の担い手は主婦ら地域の住民が多く、人手不足の解消には働き手が集うための生活インフラの向上が欠かせない。
    (物流不動産大手、日本GLP(東京・中央)の帖佐義之社長)
    **・**スズキ 鉄道輸送用の大型コンテナをJR貨物の西浜松駅(浜松市)で公表 2023/4
    補修部品の鉄道での輸送を2030年ごろまでに1.5倍程度に増やす。トラックから鉄道に切り替える「モーダルシフト」で輸送コストを抑え、二酸化炭素(CO2)の排出量を約8割削減するとしている。
    ・2024年に新東名高速道路の一部に自動運転車用のレーンを設置 2023/4
    主に夜のトラックで完全自動に近い「レベル4」の実用化を想定
    少子高齢化で物流の人手不足が深刻になるのをにらみ、省人化技術を活用できる環境を整える。
    ・自動運転はレベル1(自動ブレーキなどの運転支援)から5(完全自動)に分ける国際基準があり、国内で実用化しているのは、システムが運転を担い、必要に応じ手動に切り替えるレベル3まで。
    ・地域限定など一定の条件で運転手が不要になるレベル4は4月施行の改正道路交通法で解禁に。
    実際に走れるインフラの目玉となる新東名のレーンは駿河湾沼津と浜松の両サービスエリア間の100キロメートル超にする方針。
    ・等間隔に置いたセンサーやカメラなどで路面や車両の状況をリアルタイムで把握し、地図や3次元空間のデータベースと組み合わせて安全に走れるようにする。例えば落下物や障害物があれば検知して後続車も含め安全に減速・回避させる。
    ・国土交通省と経済産業省、中日本高速道路などが23年中にセンサーの設置法や走行ルールを固める。通信を安定させるため総務省も民間と連携して高速通信規格5Gのネットワークを拡充する。
    ・民間の技術開発も活発化、長距離トラックなどでの期待が大きい。
    「物流の人手不足の解消につながる。レベル4の大型トラック開発を急ぎたい」
    ・三菱ふそうトラック・バスはレベル2相当のトラックを発売済み。次は需要が大きいとみるレベル4の発売を目指す。三井物産も26年度からレベル4の大型トラックを使った物流事業を始める計画を明らかにしている。
    ・自動運転の普及は物流の「2024年問題」への対策でもある。24年4月からトラック運転手は年960時間の時間外労働の上限規制ができ、連続運転も4時間以内になる。人手を確保できず輸送量が減れば、日本経済の足かせになる。運転手が走行中に休めれば労働規制を守りつつ輸送効率を保てる可能性がある。
    ・「レベル4」の公道走行が解禁。 2023/4
    導入が想定されるのは無人運転バス
    ・レベル4は限定されたエリアでの車両運転をシステムが完全に担う。1日施行の改正道路交通法に基づき、都道府県公安委員会の許可を得た事業者は運行が認められる。定着すれば地方で先細りする交通インフラを代替できる可能性がある。
    ・政府はレベル4の移動サービスを25年度までに50カ所程度に広げる目標を掲げるが日本の道路事情にハードルが多い
    ・国土交通省によると日本は道路の8割を市町村道が占め、これらの幅は平均3.8メートルと狭い。国道でも大型車が余裕を持ってすれ違える幅7メートル以上の道路は3割にとどまる。米国やドイツは主要道路の7~8割が幅7メートルを超える。
    ・実証実験では狭い道での対向車や路上駐車などへの対応に課題がみられ、安全に走るためには費用が高い高性能センサーがより多く必要になる。
    ・現在主流の海外製バスを使う場合の導入費はシステム整備を含めた初期投資だけで1台数千万円に上る。
    国は自治体向け補助金でレベル4導入を後押しする一方、コスト削減策も探る。1人で多くの車を遠隔監視できれば費用を抑えられる可能性がある。「安全技術の向上と効率的な遠隔監視システムの両立が定着のカギになる」
    自動運転技術は地域の交通だけでなく物流での活用も見込まれる。国は24年度にも新東名高速道路の一部に自動運転専用レーンを設置する方針で、民間の開発を促す。

  • フェリー、運送業の救い船に
    >フェリー、運送業の救い船に
    併用でトラック運転手が休息可能 所要時間や運賃増加も
    「2024年問題」に向けて、海上輸送の活用が徐々に広がっている。フェリーには荷台部分のみを乗せて無人で運ぶか、運転手が乗船する場合も部屋で休息できるため、労働時間を減らせる。追加で必要になる時間や運賃などの障壁もあり、普及には時間がかかる面もある。
    味の素など食品メーカーが共同出資する物流会社F-LINE(東京・中央)は、3年ほど前から、味の素の加工食品工場がある三重県四日市市から仙台市までの輸送を陸送からフェリーに切り替えた。
    陸上の走行距離は43キロメートルへと94%短縮され、輸送量1単位あたりのドライバーの労働時間は88%減った。
    国土交通省が主催する22年度の「海運モーダルシフト(輸送手段の転換)大賞」を受賞した。海上輸送に切り替えると一般に輸送日数が延びるため、荷主の協力が不可欠だ。F-LINEは、味の素に「リードタイムを延ばすことをお願いし、納得してもらった」。
    フェリー需要は少しずつ伸び始めた。日本長距離フェリー協会(東京・千代田)によると、フェリーによるトラックの輸送台数は2022年度に126万5917台と、新型コロナウイルス感染拡大前の19年度の124万7444台を1.5%と小幅に上回った。
    フェリー各社には運送会社からの問い合わせが相次ぐ。背景には、24年4月からトラック運転手の時間外労働の上限が年960時間に制限され、運転手が不足するという懸念がある。
    海上輸送では、RORO船やフェリーが主な手段となる。フェリーの特徴は、運転手が乗船可能な点だ。貨物輸送でも運転手は客室で休んだり食事をとったりでき休息時間になる。国交省の調査によると、300キロメートル未満の近距離では9割が有人で、1000キロメートル以上では1割程度に減る。
    名古屋―仙台―苫小牧間を定期運航する太平洋フェリー(名古屋市)では、仙台―苫小牧間の2割程度で運転手がトラックとともに乗船しているという。
    本格的な普及には課題も多い。無人輸送するには運送会社は陸上輸送用のトラックから、荷台部分を切り離し可能なトレーラーに変更する必要がある。設備投資やフェリー利用の追加費用が発生すれば、荷主に求める運賃も高まる。
    現時点ではコストや輸送可能な台数などの見積もりにとどめる運送会社が多い
    24年にフェリーが満船になるリスクもある。国交省のアンケートによると長距離フェリーの利用率は22年11月時点で平均約75%。需要が集中する時期には枠が埋まりやすい。運送業界には「24年4月直前までは現状の輸送方法を続ける」

  • 全国のタクシー貨客混載可能に 政府、6月末から
    ・全国のタクシー貨客混載可能に 政府、6月末から
    国土交通省は30日、タクシーや貨物用ワゴン車が本来の業務に加えて荷物や乗客も運ぶ「貨客混載」を全国で可能にすると発表
    都市部で物流にたずさわる人手の不足や、医薬品などを迅速に運べるようにしたいとの要望に対応する。

  • セブン、配送1日4→3回
    ・セブン、配送1日4→3回
    トラック24年問題に備え
    セブンは大半の店舗で弁当類やおにぎり、総菜などを午前と午後を含め、1日4回トラックで運んでいる。今回は夜から翌朝にかけ、おにぎりやサンドイッチ、弁当類を届ける便と牛乳やパンを運ぶ便を統合して配送回数を1日3回に減らす。品質が落ちないように、米などの鮮度がより長く保つ技術を開発した。
    今回の取り組みで配送センターで働くトラック運転手の拘束時間が減らせる。配送や休憩を含めた1シフトあたりの拘束時間が11時間の運転手の場合、2~3時間減る見込みだ。配送回数や運転時間が減れば、CO2削減や輸送コストの低減にもつながるとみる。
    セブンの加盟店側は配送回数の減少で、商品の発注数量の変更や売り場への陳列のタイミングなどを見直す必要がある。業務が非効率になる可能性もあり、適切な運用方法を検証する。
    トラック運転手の人手不足感は強い。政府は働き方改革関連法を24年4月から運送業などにも適用し、運転手の時間外労働の上限を月平均80時間とする。人手不足がより深刻になり輸送能力の減少で、物流網が維持できなくなる懸念があり、小売りや物流各社が対応を急いでいる。
    ローソンは24年3月までに弁当や総菜の店舗への配送を1日3回から2回に減らす方針だ。ファミリーマートは商品を効率的に配送できるルートを作成する独自の人工知能(AI)システムを導入した。ライフコーポレーションなど首都圏の大手スーパー4社も、店舗への効率的な食品配送を協議する研究会を立ち上げるなど、人手不足に備える動きが活発になっている。


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