20230513

20230513
米政府の債務上限の引き上げを巡る交渉が難航
2024年の大統領選をにらんで強硬姿勢を強める二大政党の対立は議会の機能低下を招き、米国民からの信任も低下しつつある。

財務省は6月1日にも資金繰りが行き詰まると予想しており、残された時間が短くなるほど偶発的に債務不履行(デフォルト)に陥るリスクは高まっている。

防衛省・自衛隊は2024年にもサイバー分野を担う自衛官を初めて民間から採用する調整に入った。攻撃者の特定など高度なサイバー防衛の任務を見据え、高い技能を持つ人材を確保する。最高年収は事務次官級に相当する2300万円ほどとし国家公務員で最上位の待遇になりうる。

相手の攻撃の兆候段階で攻撃元へ侵入する「能動的サイバー防御」を導入すれば一段と高度な技術が必要になる。防衛省・自衛隊のシステムに限ってきた防護の対象も電力をはじめ民間の重要インフラに拡大する。

最大2300万円の給与は中央省庁の事務次官や自衛隊制服組トップの統合幕僚長と同等で、陸海空の幕僚長に近い。民間企業にはサイバー人材に年5000万円超を支払う例もあり、給与面に限ればなお劣る。

・セブン、納品で食品ロス削減
セブン&アイ・ホールディングスは傘下のコンビニエンスストアやスーパー事業で加工食品の納品ルールを緩和。
対象は賞味期限が6カ月以上ある、常温保存できる加工食品全て。

小売業界ではメーカーが定める賞味期限の3分の1を過ぎるまでに納品する「3分の1ルール」が慣習となっているが賞味期限が6カ月以上ある全ての加工食品を対象に納品期限を「3分の1ルール」から、2分の1を過ぎるまでに納品する「2分の1ルール」にする。

人工知能(AI)の活用で発注精度が向上し過剰発注を抑えており、納品から賞味期限が短くなっても売れのこりが少なくなり廃棄が増えないことを確認した。
賞味期限が6カ月以上ある、常温保存できる加工食品全てを対象にルールを切り替えることにより、倉庫内で取り扱いルールを統一でき、誤って返品するなどのミスを未然に防げる。
メーカーにとっては納品可能な期間が延びることで、実際の需要を超えて生産した場合のロスを抑えることもできる。

・レアアース、中国大手増産 生産枠2割増でEV需要対応
中国国有資源大手がレアアース(希土類)を増産する。
「EVや風力発電などで需要が拡大している」

北方稀土の能力増強の背景には、中国政府が23年上半期のレアアースの生産枠を前年同期比で2割増の12万トンに引き上げたことがある。同社に割り当てられた生産枠も8万1000トン近くと3割強増えたことから、生産能力拡大に踏み切った。

レアアース増産は米中対立の先鋭化に備えた対応との見方もある。中国のレアアースの輸入量は需要増に伴って5年間で3倍余り増えた。輸入先を国別でみると、米国が最大であることから、米国が同盟国や友好国との間でレアアースの供給網構築に動き、中国への輸出を減らすことなどを想定しているとの見方も浮上する。

・G7、通信網の構築支援
19世紀から敷設が始まった海底ケーブルは「海底の動脈」といわれ、日本は国際通信の99%を海底ケーブルに頼る。

米中対立やロシアによるウクライナ侵攻など地政学リスクの高まりにより、安全なルート確保が重要になってきた。
台湾では近年、本島と離島をつなぐ海底ケーブルが切られる問題が頻発しており、中国の関与が指摘されている。

G7各国は共同声明案や行動計画案で、海底ケーブルなど自由で開かれたデジタルインフラの確保が必要だとの認識に基づき、新興国や途上国向けに支援枠組みの拡充を打ち出す。

サプライチェーン・ファイナンス(SCF)
銀行などが手掛け、部品などの買い手(バイヤー)の大企業が契約するサプライチェーン・ファイナンス(SCF)が世界で拡大
世界のSCFの融資残高は22年12月末に約8600億ドルと前年末から約2割増。米州と欧州で8割強を占めるが、アジアやアフリカが欧米を上回る伸びになっている。

バイヤーに商品やサービスを提供する売り手(サプライヤー)が売掛金の期日前回収を希望する場合、銀行などによる売掛債権の買い取りなどを通じ、手数料が割り引かれた金額を受け取る。
手数料がバイヤー企業の信用力をもとに決まるのが特徴で、サプライヤー自ら資金調達するよりも低コストで資金繰りを改善できることが多い。

バイヤーは決められた期日通りに銀行などに支払う。バイヤーにとってはSCFを前提にサプライヤーへの支払いを遅らせて資金効率を高めたり、サプライヤーの財務健全化を支援するといった利点がある。

・人権デューデリジェンス
企業が供給網全体で人権侵害を把握し、改善する取り組み

欧州は実施や開示の義務化に向けて法整備を議論している。
米国も中国の人権抑圧などの懸念を念頭に、新疆ウイグル自治区でつくられた製品を輸入禁止にする法律を制定した。

日本に法律はなく、2022年に策定した指針で企業に対応を働きかけている。
経産省と外務省の21年の調査で、人権デューデリに取り組む上場企業は52%にとどまった。中小企業などからは「何をしていいかわからない」との声も上がっており、新たに事例集をまとめる。

事業分野・製品・地域・企業固有のリスクの4つの観点から人権侵害がないかの確認を企業に呼びかける。
事業分野は国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEP FI)が定めた10業種で注意すべき項目を指摘する。
漁業で人身取引による労働がないかや、化学・医薬品で危険な化学物質にさらされていないかなどを挙げる。

・銀行の破綻
一般的な銀行は個人や企業から預金として資金を集め、預金よりも高い利率で融資する
預金と融資の利率の差が利益となる
不況などで融資したお金を回収できないケースが増えると、銀行の財務状況が悪化し、資金繰りが行き詰まれば、銀行は破綻する。

SVBの破綻
SVBの場合はきっかけは保有していた債券の値下がり
一般に銀行は預金で調達した資金の一部を債券などで運用する。
SVBは資金の半分以上を米国債や住宅ローン担保証券(MBS)などで運用していた。
FRBが政策金利を矢継ぎ早に上げたため、米国債利回りなど長期金利も急ピッチで上昇。国債などの債券は金利が上昇すると価格は下落、融資者の不安が募り取り付け騒ぎに発展した

SVBの預金はスタートアップ企業やスタートアップに投資するベンチャーキャピタルなど、大口の法人に偏っていた。
彼らがツイッターなどを通じて預金引き出しを呼び掛け合うことで一気に巨額の預金が流出。その結果、資金繰りがつかなくなった。

・バイト・パートに雇用保険 政府検討、労働移動促す
政府は週20時間未満働く短時間労働者も雇用保険に加入させる検討に入った。

現在は育児休業を取得した際の育休給付金やスキルアップにつながる教育訓練給付金、失業給付の対象外となっていた。

雇用保険は現在、雇用形態にかかわらず週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある場合は原則として加入する。

2021年度は230万事業所に適用され、4400万人が被保険者だった。保険料は労使が指定の料率分を負担する。

厚労省によると週20時間未満の労働者は18年度時点で550万人と推計されている。離職後の失業手当や、育休取得中に賃金の最大67%が支給される育休給付、教育訓練給付などの対象から外れている。

複数の職場で雇用されているパート・アルバイトのなかには合算すれば労働時間が週20時間以上になるのに、雇用保険に加入できていない人もいる。


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