20230322


・ダウ工業株30種平均は続伸
米金融当局が金融システム不安の拡大防止策を続けるとの観測が強まり、市場心理の改善につながった。
「銀行危機が悪化すれば預金をさらに保護する用意がある」「状況は安定しつつあり、米国の銀行システムは健全性を保っている」金融不安が今後広がった場合に預金の全額保護などの臨時措置をさらに拡大する可能性を示唆した。
これまで米銀シリコンバレーバンク(SVB)への対応は特殊なケースだと指摘してきたが、やや軌道修正した。金融不安の拡大防止に注力すると強調した。(イエレン米財務長官)
市場では「必要となれば金融当局が緊急対応に動くとの見方が投資家に安堵感をもたらした」
・「シリコンバレーバンク(SVB)の破綻で地銀(の財務)に市場の関心が高まっており、特に商業不動産ローンが大きな懸念材料だ」
銀行の貸し渋り懸念から、商業用不動産ローン担保証券(CMBS)のうち弁済順位が高く、信用格付けも高い区分を含めて一斉に上乗せ金利が急拡大する状況

・FRBの過度な利上げによる景気後退(リセッション)入りは不可避で、ソフトランディング(軟着陸)は難しく、ハードランディング(硬着陸)になる」と見られていたが、
一転、「ノーランディング(無着陸)」と言われる
米国の経済再開に加えて、中国はゼロコロナ政策を終了。欧州も暖冬の影響からエネルギー価格が低下し、インフレの落ち着きを好感して景況感が改善。

2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は米欧中そろって好不況の境目である50を超えた。マクロ的には中央銀行の利上げが経済を傷めていない。
ミクロ的、企業レベルでは米国企業の倒産件数を見ると、それなりに増加しているものの、利上げで増えた、という印象ではない。コロナ対策のための過剰給付や延命措置などの反動、自然増の範囲と見られる。


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