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ロックのおともだち - 友蔵とジゴロとDavid Bowie

都内に若干の降雪が認められた2017年1月20日。年初のたしなみのひとつである新年会に結果的に不義理をし、天王洲アイルの寺田倉庫さんにてDavid Bowieを詣でた。

同行者は、ちびまる子の祖父が長身化したような風貌を持ち、ロック雑談のよき相手である友蔵。そして無国籍なお顔立ちでBrian Enoのファンであるジゴロ。

David Bowieのベルリン3部作と呼ばれるアルバム群についてその空気感を褒め称えつつ、友蔵が熱く語る、セブンイレブンでおかわりしたうまからチキンについての賞賛を耳にしながら、寒風吹きすさぶ夕方の天王洲アイルに到着した。そして会場の寺田倉庫G1ビル入口に着いた瞬間、我々の度肝が抜かれるに至るのである。

David Bowieが寺田倉庫に入居

こちらが、フロア入居者の一覧である。よくオフィスビルのエレベーターの横とかにあるヤツだ。5Fに着目してほしい。David Bowie is 5th floorである。なんだろうこの腰の落ち着きようは。David Bowieが、この地にしっかり根を張ったかのような安定感。すばらしい。まぶしい。David Bowieとともにこの東京で経済活動を営んでいる事実に、胸が熱くなる。

5Fの前に、カバンを詣でる

入居者状況のお知らせでひとテンション上がった。まさかの幕開けである。そのテンションを5FのDavid Bowie居住フロアに運んでもよかったのだが、まずは一旦1Fのカフェ&ショップエリアで落ち着くことにした。

5Fを見終わった先達が、ビール片手にいい感じでまったりする横を奥へと進むと、グッズ物販エリアに到着する。商業の香り高い物販エリア最深部には、David Bowieが着た黒のジャンプスーツを、ジャンプスーツのデザイナーである山本寛斎本人がカバンに仕立て上げ直したものが鎮座しているのだった。これをぶら下げて街を行けば、ロックのおともだちがいっぱい増えてしかたないだろうな!電車で話しかけられちゃうな!

でも12万か… とりあえず、会期中にワタクシは誕生日を迎える旨、友蔵とジゴロに噛んで含めるよう、じっくりアピールするに留めておいた。

(ぎりぎり) ネタバレなし、5Fの思ひ出

このDavid Bowie isは、一言で言うと大回顧展なのだけど、ただ博物館的に陳列するようなものではなかった。見せ方がとんでもなくうまい。

全体的には時系列にかつ時代ごとに並んでいるのだけど、各時代の中での展示物の並べ方がいい意味でお行儀悪い。持ち物・衣装・映像・ヘッドホン音声が、ヒトのアタマの中で起きる連想を考慮した形で並べられていると思う。近場の言い方だと、ドン・キホーテ方式だろうか。そのせいで、飽きない、David Bowieファンなら何時間でも過ごせる、なんなら宿泊さえいとわない、中毒性の高い空間になっている。

会場内では、ひとりひとりがヘッドホンを貸与されることは周知の事実である。ヘッドホンはこの展示の中毒性を高める上で非常に重要な役割を担っているが、たまにはヘッドホンを外してBGMに耳をすませることをお勧めする。David Bowieの代表曲の数々が、カットアップのようにテンポよくリミックスされ、入れ替わり立ち代わり現れる。格別の妙味があった。

最後に、5F会場内にはコート着用のまま入場することをお勧めしたい。常温の倉庫内はこの厳冬期に冷蔵庫になる。展示は4月までなので、春の訪れが待ち遠しい。

本当は、もっとネタバレしたいのだ。そして、David Bowieその人、その作品、この大回顧展について語り合いたい。でもまだ会期が始まったばかりで、これから見る方も多いだろうということで自主規制する。そもそもこの初Noteを読む人がいるのかも怪しいものだが、ここはインターネソトだから一応ね。

ではまた、何かロックのおともだちなことが起きれば書きに来ます。

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