VRCのあるコミュニティに存在し感じた組織運営の難しさについて。

念のためのご理解・ご協力依頼

本投稿は組織や個人の批判を主たる目的としていません。
そのため、一部内容に偽の情報を付与したりしていますし用語の説明を意図的に省略しています。
この投稿は広く読まれる事を想定していません。この投稿から何か議論を始めようとしないでください。解釈を広げようとしないでください。言い換えた言葉を再翻訳して発信しないでください。私の考えはこの記事内に書かれた事以上のものはありません。読んだ感想は貴方の思想が混じっています。この記事を元に外側で議論するのであればその議論の責任は外側に持ち出した人にあります。

私の責任を追求する場合は本投稿のコメント欄でお願いします。

ご理解いただける方は、拙筆ではありますが、楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。


はじめに

VRChatというゲームがあります。ご存じの方も多いでしょう。
PCやヘッドマウントディスプレイ(HMD)という機器を用いた、VRSNSです。同様のサービスにはClusterやResoniteがあります。

SNSであるという事はそのゲームの中で複数のコミュニティが存在します。VRChatイベントカレンダー様に記載されているイベントから派生するものや、何かのワールドに紐付くものとかです。

その中で今回取り上げるのはVRChatを開始した時期が同じような人たちが集まってコミュニティを形成している所です。仮の名称として同輩集団とします。

このコミュニティで私が感じた事を記載していきます。
先に結論だけ書いてしまうと、現状の同輩集団の運営方針が最善構成ではあるものの、構造として限界がある点も見られると考えています。

前提知識: 同輩集団の構成について

全体構造

基本構成は画像の通りとなっています。月単位で構成され、その内部としては主催・副主催が全体の統括を行い、そのサポートとしてスタッフが存在しており、他のメンバーがいます。スタッフまでを各月の運営と呼称する事が多いでしょう。

もちろん運営外のメンバーも役割であったり出来ることはあります。同輩集団の中でも部活という枠組みで「○○ゲームを定期的に行う部活」「アバーターの改変技術について共有する事を目的として行う部活」といった集団をメンバーが自発的に行える土台がある事が多いです。

また、一応権限的には以下の様になっています。交流の場は主にVRChat,Discord,Twitter(旧X)で、同輩集団が管轄するのはVRChat内のコミュニティ、Discordサーバーのみであることが一般的です。

権限構造


同輩集団のメリット・デメリット

どういった集団かを整理するため、集団のメリデメを記載します。

メリット

  1. VRCという世界において、同じ背景を持ちつつ多様な人が気軽に集まれる。参入障壁が低く、直近だと1月400人以上が参加していると聞いています。

  2. 参加メンバーから見て、他のコミュニティとの両立が容易。メンバーに強い制約がかからない

  3. 参加する部活によって1つのコミュニティ内でも複数のコミュニティに参加しているような恩恵(人脈・遊び方)を得られる

デメリット

  1. 主催・副主催に権限集約されており、安定感に欠ける場合がある

  2. 「転生者」が「攻撃的」な理由で主催・副主催・スタッフの立場を狙うことがある

  3. 帰属意識の形成がとても難しい

  4. 長期的な組織の目標の設定が難しい

  5. 時間経過でアクティブユーザーの減少が目立つ

  6. 新規メンバーの流入は無いものとして扱えるほど少ない

私が思う同輩集団での活動への参加は上記メリットを享受することができる一方で、組織が抱えるデメリットの元でなりたっています。

組織運営観点からメリットデメリットを整理する

同輩集団は「同じような時期に始めた」という1点のみで繋がる集団です。これにより参加ハードルは低く、VRChatをはじめて1つのコミュニティにも属していない人の広い受け皿としての価値がとても高いです。この点は明確な強みです。
一方でそれがデメリットにも繋がるということは着目するべきでしょう。

帰属意識が育たない・長期的な組織の目標が建てづらい等について

帰属意識が育ちづらいです。また、そういったコミュニティは「参加すること」でメンバーの目的が達成されてしまい、長期的なメリットの提供や享受が難しいというのは運営の悩みとなっています。そのため目標もメンバーに根付きません。


「○○月同輩集団は克服しました!」という方もいるかもしれませんが、その「○○月同輩集団」と定義される範囲はVRC・Discordの参加人数に対してどこまでを指して、いつ成立したのかを教えて欲しいです。参考にします。


帰属意識の成立が難しい組織である今回の場合、それに対しての回答は3つあります。1つめは同輩集団の立ち位置を強い帰属意識を必要としない組織とすること。2つめは同輩集団の本質を部活動と定義すること、3つめは明確な目標やゴールを設定する事です。

同輩集団のテンプレートとして、1と2が組み込まれています。
1は「いつでも帰れる場所」、2は「部活動単位での定期的な活動の奨励」が対応します。同輩集団会自体は広く受け入れる窓口として稼働し、より集団として活動する場合は部活動にアウトソーシングしてしまうのです。

3つめの解決策を何かグループ全体に指向性を与える方法ですが、上手くやれているグループは私は知らないです。恐らく同輩集団のメリットもいくつか潰すものだからだと思います。ご存じの方いれば教えてください。

ここの結論は「目標を設定しづらく帰属意識が成立しない場合、グループを切り分けてそこに帰属意識を持って貰うのが良い」や「もし通常のコミュニティを作るのであれば長期的な目標も設定してから立ち上げよう」ということです。

新規メンバーの流入がないデメリットについて

単体のコミュニティとして成立することが難しいデメリットです。この解決策として隣接する月の同輩集団とのつながりで解決されています。
同輩集団全体としては人が流入しているためこれが成立します。

ただし、これにも限度があります。同輩集団に人が残っている限り運営がコミュニティとして成立させ続ける人的なコストが必要になります。

成立当時は人が多くて活気があったのが次第に人がいなくなるのに維持し続けるというのは真綿で首を絞められる様な地獄と私は思います。
だからこそ主催・副主催になるというのはそれなりの覚悟がいるものです。その責任を負っている主催・副主催に対して敬意を持ちましょう。

ここの結論は「もし通常のコミュニティを作るのであれば何らかの手段で人を流入させる経路を考えてから作ろう」です。

参入障壁や他のコミュニティとの両立が容易について

メリットとして一番大きいものだと私は思っています。少し良くない表現ですが、ガッツリ青田買いして、その中で運営が望む組織を構成することで一定の成功が約束されます。

ここの結論は「人は多い方が良いです」。1+1=2みたいな結論です

ちなみに同輩集団で転生者が嫌われる理由はこの青田買い戦略からの組織構築に不純物が混ざって組織が歪むからという要素もあると思います。

メリットの具体例について

ここからは余談です。私が気になっている事象とその解釈を置いていきます。

といってもメリットについては広く成立している理解のため、具体例が出しづらいですが、以下のことは良い事例だと思っています。

  1. Veket等でのオフ会。仮想の世界から現実の世界での交友へと繋げるというのは、忌避感がなければ、あるいはそういうのが難しい事情がなければ、とても素晴らしいものです。よく見ることが出来ます。

  2. 対外活動の発生。集団外の集団との交流がある所もあると聞いています。同輩集団の方向性へ決めたり、新しい刺激でメンバーを楽しめる良い事例だと感じています。

  3. 公式HPを作っている所もあるらしいです。インターネット上での活動やそのほかの技術的な面の育成などが良いと思っています。


デメリットの具体例について

最近、デメリットに挙げている「主催・副主催に権限集約されており、安定感に欠ける場合がある」の具体例の様なものがありました。

とある月(仮に8月とします)の主催がSNS上のアカウントを削除しており、恐らく現時点でも主催不在となっています。

不在となった起因は、主催が「SNS上でのNSFW行為をやめてほしい」という主張を行い注目を集めた中、続けてSNSで自己弁護的な発表を継続して行ったことで更に意見が集まり、メンタルにダメージを負ったのか不在となってしまったという経緯だと私は把握しています。

主催だって人間なので不完全な部分はありますし、そこの批評は建設的では無いので、ここでは行いません。

じゃあ何を言いたいのかというと、この事例は「主催・副主催に権限集約された結果、主催の暴走を他運営が指摘できず問題を深刻化させた」様に見える事を指摘するものです。

8月の集団は他と比べ対外に対して発信することが多いという特性がありました。先にメリットとして記載したHPもそうですが、SNS上でも告知したり、謝罪文を載せたりといった事をしていました。これら何が問題かというと、これらの行動にメリットが無いのです。他の月は通常Discordのみで重要な連絡を行います。
そういった訳で私は今回の事例が起きる前から8月集団の動向を見てたら何かありそうだと眺めていました。それにもかかわらず(つまり長期間問題は顕在化していたにもかかわらず)なぜ副主催やスタッフが対処しなかったのかを強く疑問に思っています。

恐らく主催の力が強く、スタッフによる主催の行動に対しての評価や進言が適正にされていなかったのだと思います。

この解決策としてはスタッフに主催・副主催の行動に対して検閲能力を与えるルールなどがあればいいのですが、スタッフの立ち位置として同輩集団全体への影響力が無い事や、スタッフであることは直接帰属意識に紐付かないといった事でその責任を負わせるのはなかなか難しい問題です。
大体の場合、主催(権力者)とバトろうとするくらいならスタッフの席から即座に辞しても問題ありません。

あるいは、スタッフの必須条件として各部活の代表者かそれに近い立場という条件を追加するべきだと思います。現状のスタッフは立候補制なのでそこのルールに手を入れるべきという主張です。
現状のテンプレートだとスタッフは集団に居続ける事に執着する理由がないので当事者意識を抱きづらいです。

ただ、そういった対策ができない事情もあるでしょうしここの答えはないと思います。

私個人としては「閉鎖的かつ金銭のやり取りのない集団において情報の公開に前向きなのは必ずしも善ではない」とか、「主催は組織ではないしその逆もなりたたない」みたいな考えが形成されました。

おわりに

いかがでしたか?
同輩集団から組織運営について記載してみました。
結論としては現状の同輩集団の運営はよく出来ています。
他はよくわかりませんでした!
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参加していると課題も多く感じる一方で、そこが構造上限界と感じたため少し書きました。
難しいです。もし私がコミュニティを作ったり、次に関わるときはどうしたら良いのかという視点で考えてみました。やはり何事も最初にちゃんと構造を作るのが良いとは思います。まあ、そんな構造だけつくれても人が居なければコミュニティじゃないのですが。