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5月19日から20日にかけての23時間、私はきらめき高校の生徒だった

ときめきメモリアル 30th ANNIVERSARY LIVE エモーショナルに行ってきた

5月19日(日)
15:00から18:00までライブを見て、
18:00から18:30まで物販列に並び、
19:00から22:00まで総勢70名以上の大規模オフ会に参加し、
22:00から翌04:30まで三次会のカラオケに参加し、
06:00から09:30まで自宅で軽い休憩をし、
10:00から13:30まで秋葉原でオフ会で知り合った方々とグッズを購入し、
ブラインド商品は全員で協力しながらそれぞれの推しを入手し、
14:00に秋葉原発のバスに揺られ、14:30に出社し、オフィスの椅子に座り、
ノートPCを開き、パスワードを入力した


あ、ときメモライブ、終わっちゃった
と思った

ほんの1秒前まで、私は確かに きらめき高校の生徒だったのに




私が初めてときめきメモリアルの存在を知ったのは、漫画『こち亀』である。
何話にも渡り登場するパロディは、その元ネタがあまりにも素晴らしいものであるように表現されていて、興味を持ってしまうのも当然だと思う。
しかし当時小学生だった私に、恋愛シミュレーションゲームを親に買ってもらうのはかなり恥ずかしいことだった。
中古ゲームショップで恋愛シミュレーションコーナーの商品棚をじっと見つめる私に、親と姉は「好きなものを買っていいんだよ」と声をかけてくれたが、
言葉の裏には「恋愛シミュレーションなんて不健全で恥ずかしい、女が男性向けの恋愛ゲームをやるなんておかしい」という思いあったのではないかと思う。(思い込みかもしれないが)
私はそこでFFシリーズをやったことも無いくせに『チョコボの不思議なダンジョン』を購入し、3~4回程度遊んだ後、雰囲気の怖さにギブアップした。
※チョコボの不思議なダンジョンは神ゲーです※
※FFをやったことない子どもの私には雰囲気が不気味に感じただけです※


年を重ね、高校生になり、恋愛シミュレーションゲームに対する恥ずかしさも消えた頃、とうとう初めてときめきメモリアルに触れることになる。
iモード総合エンタテインメントサイト「コナミネットDX」で配信されていた、ガラケーでプレイするものだった。
グラフィックで表示された赤髪長髪の美少女に、「これが左近寺があれほど入れ込んだ早乙女沙織の元ネタか」と思ったのをよく覚えている。
だがガラケーでプレイするこれは、ボイスが無いのである。
ボイスも無ければルビも無いため、美樹原愛のことは「みきはら あい」だと思っていたし、館林見晴のことは「かんばやし みはる」だと思っていた。
みんながどれだけ可愛い声をしているのかも知るすべがなかったが、それでもゲームシステムとイラストとテキストの魅力は私をときメモの虜にさせるに十分だった。

数か月ほど遊んだ後、コナミネットDXの解約とともに ときメモをプレイすることは無くなった。
(2024年の今ではサブスクサービスは当たり前だが、当時の月額制サービスというのは今と比べて勿体ないもののように扱われていた気がする。)

そして数年後、アレが始まる。PSゲームアーカイブスである。
「ときメモが600円でできるの?最高じゃん♪」と思い速攻ダウンロードした。
ついでにときメモ2とEVS全員分とときめきの放課後もまとめてダウンロードした。

ガラケー版のときメモしかプレイしていない私に走る衝撃。
O P ア ニ メ ー シ ョ ン が あ る
なにこの素敵な曲。てか瞬きしかしてなかったキャラたちめっちゃ動いててすごい。

「あなたの名字を教えてくれる?」
し ゃ べ っ た
貴女、もしかして詩織ですか?背景に描かれてるから多分詩織ですね。

好 雄 も ア ニ メ ー シ ョ ン あ る
自 己 紹 介 す る と き の 詩 織 振 り 返 る ん だ
全 セ リ フ に ボ イ ス あ っ て す ご い ね

美樹原さんは『めぐみ』、館林さんは『たてばやし』なんだね
というか詩織のテキストに「メグ」と出ているのだからそこから気づけばよかったね

~forever with you~ 最高
PSゲームアーカイブス ありがとう

ちなみに2のEVSで名前を呼ばれたときに喜びのあまり落涙したのは想像に難くないと思う。
その後4をプレイして、名前の発音がより自然になっていることに感動した、ということも追記しておく。

私のときメモ遍歴はそんななので、
・ときめきメモリアル~forever with you~
・ときめきメモリアル2
・ときめきの放課後 ねっ★クイズしよ
・ときめきメモリアル4
以外のゲームをやったことがないのである。(GSシリーズ除く)
ぱずるだまはダウンロードしそびれた。バカ。

上記4タイトルしかやったことないということは、どういうことなのか。
ドラマシリーズをやったことが無いのである。
ゲームしかやっていないから、キャラソンとかも一曲もわからない。

ここでようやく冒頭の『ときめきメモリアル 30th ANNIVERSARY LIVE エモーショナル』に話は戻る。
ライブ情報が解禁された際、行くことは確定していた。だってときメモ大好きだし。突然作成された30周年アカウントもフォローしてたし。X(旧Twitter)の所在地設定もアカウント作成時からずっと『私立きらめき高校』にしてるし。

だが、二の足を踏む。
上記の文を全て読んでいただいた方になら理由がわかるだろう。

OP、GOOD ED、BAD EDの曲しか知らない
発売当初からファンを続けている人向けのライブかもしれない
昔からの仲間が集結するかもしれない場所に、ときメモ友達がいない自分が居るのはしのびない

そんな考えが頭に浮かび、
でもときメモが大好きという気持ちは本当だから、2日間のうち1日だけ、スタンド席でひっそりと見ることは許してもらおう。
そう思って19日のA席を申し込んだ。

当選して、中央の2列目を提示されたときは、私の“大好き”を認めてもらえた気がした。



ライブが発表されてから、界隈が盛り上がっている様が強く感じられた。
29年前に発売されたゲームについて、まるで先週リリースされたものかのように多数のアカウントが熱く語っていたし、ファンアートが流れてくることも明らかに増えた。
そんなスピード感のあるポストの中から、「オフ会」の三文字が目に飛び込んでくる。
詳細を見ると、ときメモ愛が強く伝わってくる文体で、オフ会参加者募集の要項が綴られている。
行きたい気持ちと行きたくない気持ちが、ない交ぜになって私の心に落ちてきた。

行きたい理由は、ときメモが大好きだから。
行きたくない理由は、前述のとおり。

オフ会の主催者と、既に参加が決まっている方々は、「参加を決めあぐねている人に来てもらえるように」とスペースを行っていた。
人が話しているところを聞くだけなら、と、リスナーとして参加する。
簡潔に書くが、皆さんのときメモトークが楽しそうすぎてオフ会の参加ボタンをあっさりタップした。

あとは当日を迎えるだけ。
まあVIP席問題とか色々あったんですけどこの日記には関係ないので割愛します。

5月18日、ライブ1日目。
楽しそうなポストが追いつけない速度で流れていく。
「まさか〇〇(曲名)が聞けるなんて…!」というコメントには共感できずにいたが(前述のとおり曲を知らないため)、明日の自分が楽しい気持ちになっていることは間違いないだろうなと思った。

ライブ2日目。
チケットを1日分しか取らなかったことを後悔した。

私が知らない曲であっても、その曲を聴いたファンの人たちが嬉しそうにしているのを見るだけで、こんなにも幸せな気持ちになるなんて知らなかった。
私が大好きなときめきメモリアルを、…熱量は到底敵わなくても、同じく“大好き”な人たちがいるって肌で感じることが、こんなに楽しいなんて。

ライブは最高だったし、ちょっと目頭が熱くなった。
私でそうなんだから、熱狂的な人は号泣していたことだろう。

ライブを大満喫した後は、開演前に行けなかった物販に並んで目当てのものを買い、いよいよオフ会である。
これまた簡潔に書くが、超スーパーウルトラ楽しかった。
ゲーム発売当時を生きた人の話は、どんなにお金を積んでも得ることのできないかけがえのないものだった。本当に行ってよかった。当時のことをたくさん教えてくださった皆様本当にありがとうございます。
昔のグッズやアンソロジーを見ている間は、口角を下げることが不可能。
改めて、30年続いているコンテンツであることを実感。バケモノコンテンツ。最高。
ときメモ仲間がいないが故に家に眠っていた美樹原さんグッズを、メグファンの方にプレゼントすることもできて、大変 有意義な時間だった。
貴重な古式さんグッズをいただいたり、VIP席特典のグッズをご好意でいただいたりもして、まるでわらしべ長者のような経験をした。

本当はオフ会終了時点の22時で帰宅するつもりでいた。
徹夜が大の苦手なので、日をまたぐ前に帰宅できて、ちょうどいいと思っていた。
だから三次会の参加要望も出していなかった。

あんなにも楽しすぎたのは、誤算だった。
きらめき高校の生徒である時間をどうしても終わらせたくなくて、カラオケに向かった。
ただ移動しているだけの時間も、ときメモが大好きな人たちと話しができるんだから、毎秒楽しかった。

カラオケでペンライトを振る間も、「今ならまだ終電に間に合う」という言葉が数回頭をよぎったが、私はまだきらめき高校の生徒でいたかった。
外が明るくなっても、私はまだ卒業したくなくて、「最悪買わなくてもいいかな」と思っていたアニメイト販売グッズを買いに秋葉原へ行く約束をした。
自分の体調の心配も、仕事のことも、高揚感と比べれば負けてしまうものだった。

複数人でアニメイトに出向いたのも、ブラインド商品を交換しあったのも、あまりにも楽しかった。(無事に推しが出たからだと思う)
前日のライブ会場から、私たちはずっとクラスメイトだった。

アニメイトカフェグラッテの前でクラスメイトと別れ、バスに揺られて会社に向かっている間も、私はきらめき高校の生徒だった。

出社し、オフィスの椅子に座り、
ノートPCを開き、パスワードを入力した

あ、ときメモライブ、終わっちゃった
と思った

ほんの1秒前まで、私は確かに きらめき高校の生徒だったのに
また、ただの社会人に戻ってしまった



でも15:00から14:30までの23時間半、本当に楽しかったなあ。
ときめきメモリアル大好き。

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