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YouTuberベテランちさんの個人的おすすめ挨拶3選

先日チャンネル登録者7万人を突破した人気YouTuber、ベテランちさん。

私は、彼が人気を博した要因の一つに、毎動画の冒頭に行われる「挨拶」があると感じています。

彼の挨拶のフォーマットは、以下の通りです。

「ブンブンハローYouTube どうも、ベテランちです」

どこかで見た挨拶ですね。確かにこのフォーマットだけ見ると、「パクリ」としての面白さしか残らず、はじめは笑えても、その面白さが上昇していくことはないように感じます。

しかし、ベテランちさんは、このフォーマットを巧みに変化させ、毎回新しい笑いを提供してくれます。

このnoteでは、そんなオリジナリティあふれるベテランちさんの「挨拶」について、私のおすすめを3つ、紹介してみようと思います。

その1 三遊ベ亭ランち

”【極限】灘高校から東大理三受けるやつあるある【医学部】” より

「『一席お付き合い願います 

どうも近頃、挨拶てえとブンブンとかハローYouTubeとか申すようですが』

どうも 三遊ベ亭ランち です」

この挨拶は、私がベテランちさんの挨拶を毎動画楽しみにするようになったきっかけとなった挨拶です。ずっと「なんとなく好き」という曖昧な理由で何回もこの挨拶を聞いていたのですが、ベテランちさんが短歌に造詣が深いということもあり、言葉の面白さを味わうために一度自分なりに理由を考えてみようと思い立ち、少し分析してみました。

この挨拶の面白さは、最後の「三遊ベ亭ランち」の語感にあると、私は考えています。

「三遊亭」という言葉は、音にすると「さんゆーてー」となるため、割と滑らかに発音することが出来ます。しかし、「さんゆー」と「てー」の間に、「べ」という濁った音が入り込むことによって、「さんゆー」の流れをそのまま受けて「てー」がくるのではなく、一瞬の遊びが生まれます。その一瞬の遊びである「べ」が、いわばバネのような働きをして、「てー」へのリズムを(いい意味で)崩しているように感じました。

このような感覚は、音楽を聴いているときにも時々感じるのですが、もしかしたら、短歌にもリズムを崩すことにおける芸術性が存在するのかもしれません(この気づきが正しいかどうか知るためには、もっと勉強が必要だなと感じています)。

もちろん、「三遊ベ亭ランち」の中に「ベテランち」がうまく溶け込んでいる、ということもおすすめに挙げた理由の一つです。

その2 俵マテランち

”【とっておき】一番好きな本屋さんを紹介します” より

「『この味がブンブンとハローが言ったから 

7月6日はサラダYouTube』

どうも、俵マテランチです」

短歌を全く知らない私でも聞いたことのある、俵万智さんの有名な短歌のオマージュです。この動画は、私がベテランちさんの動画の中でも一番好きな動画なのですが、その理由の中に、この挨拶も勿論含まれています。

この挨拶が好きな理由も、その1の「三遊ベ亭ランち」と同じく、「俵マテランチ」の語感の良さにあります。

「たわらまち」という音の最後、「ち」が「て」に代わっています。「たわらま『ち』」と来るはずが「たわらま『て』」となることで聞き手には違和感が生まれますが、「ち」も「て」も子音は同じ「t」であり、大きな違和感にはなりません。とはいえ、「ち」が来なかったことによるムズムズしたある種の気持ち悪さが、聞き手側に残るのは確かです。

しかし、その後の「ランチ」で3文字越しにお目当てであった「ち」という音を耳に入れることが出来ます。その1の「べ」は一文字による一瞬のリズムの崩しが深みを生んでいましたが、今回は3文字後にようやくお目当ての音を手に入れられるというドラマチックな体験をすることができます。「俵マテランチ」の最後には爽快感が待っているのです。

以上の2つの挨拶の考察は、『「なんとなく」という感覚を言語化する』というベテランちさんが普段動画で使われているスキルを私も身につけたくて自分なりに挑戦してみたものなので、保険を掛けることになってしまいますが、あくまで私なりの解釈ということでご容赦ください。

その3 カービィ

”【変わった人】灘校変人列伝【変な人】” より

「『てっててっててっててっててっててっててっててってて』

どうもカービィです」

これは単純に私がカービィを久しぶりにやりたくなったのと、「てってて…」の字幕の音合わせが意外と適当だったのが笑えたので3つ目に入れました。なのでこれ以上の考察はないです。すみません。

番外編 原点回帰

”【人生の授業】灘卒理三YouTuber、灘志望の小学6年生に自由を説く” より

「ブンブンハローYouTube どうも、ベテランちです」

これは、「挨拶が面白いから」という風に紹介してよいのか迷ったため、番外編とさせていただきました。

記事の冒頭でフォーマット挨拶についてディスを入れるようなことをしてしまいましたが、この動画では、「原点」ともいえるこのフォーマット挨拶が、初めてしっかりと案件動画を撮ることになったベテランちさんがYouTuberとして新しいステージへ進んだことの表れになっているような気がして(実際は小学生のために分かりやすくしただけの可能性もありますが)、個人的にとても好きな挨拶です。

これらの他にも、ベテランちさんの挨拶には色々な面白さが含まれていると思うので、ベテランちさんの動画を視聴する際には、ぜひ冒頭の挨拶にも注目してみてください。

それでは。

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