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白いキャンバスに

12月の良く晴れた日にいつもと同じ時間にいつもと違う場所に来た。そんな日に今日までのこと、これからのことを記憶と記録をしていこうと思う。

服飾学校に通う私は2年生になろうとしていた。
テレビから流れるニュースはこれまでの日常が非日常という色に塗り替えられ、生活様式の変化は異国情緒さえ感じた。
実習を要する授業はなくなり、座学で受けられる授業はオンライン形式になった。凄く怖かった、
自分の好きな授業が受けられなくなる空白の時間が...
自習でできるのは曖昧でベーシックなシャツとパンツのパターンとソーイング。

それからして受けられなかった実習の空白を埋めるために並行して別に縫製教室も通うようになった。
ようやく対面で授業が受けられる日が来たが、
そう思っていた矢先、先生の口からは「就職活動」だ。
時間の流れは体感と共に感じていて学ぼうという意志や努力はあったけど、まだ何も身になっていない。

僕はデザイナーになりたい。

そう思った日から今日まで、気持ちは変わらずにあったけど、どうやって、どのようになれるかは何も分からなかった。学校はきっとデザイナーのお仕事(基礎中の基礎)は教えてくれるけど、デザイナーのなり方は教えられなかった。
そう、つまり自分は「何にもなれなかった」...

専門学校卒業後は地元の縫製工場に勤めていたけどやはり不完全に燃焼されていく日々が凄くもどかしかった。

そんな2021年6月
チャンスの便りが届いた...
                                                        (つづく)

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