HiGH&LOW THE WORST X
マグさんとみた!!感慨深いよ。
引き続き脚本に理性がある
HiGH&LOWは幼馴染不良作品であり、毎作新しい幼馴染が生まれては拗らせていることでお馴染みなんだけど今回は特に「本当に隣にいるってとは」って話をしてたと思う。
幼馴染が隣にいなくても居場所であり続けることをコブラとかが掲げていたことや楓士雄がアラタを絶対に連れ戻すと決めて強行したけど、この幼馴染たちって「道を踏み外してから再会までそばにいない」っていう共通点がある。道を踏み外したその瞬間だけは見たことがないし、側にいなかったっていう事実は「お前は戻ってこられるやつだ」って真正面から言ってあげれる強みだし、なにも踏み外してない自分しか知らない彼らのそばはやり直しのチャンスとして輝くと思う。もちろんコブラも楓士雄も彼らの罪を直視してるし無視してないのは大前提なんだけど「あの時の俺たち」を夢とか幻ではなく現実として捉えているからこそ「帰れる」って思ってると思う。
その点須嵜くんは全部見てる
ぜーーーんぶみてる。俺と一緒にテッペン見てくれるって約束した大切な幼馴染が生まれと金に人生を狂わされて人を人として見ずになるまで比較的側にいたし最後は隣にもいた。すごいよ…。
しかも「お前は駒だ」に「…仲間、とかでも」という食い下がりもしている。なんなら幼馴染の中で一番粘ってる。天下井が自分をどんなに大切にしてなくても、どれだけ殴っても逆らわない駒だと認識されてても、強いことしか望まれてなくても、それでも側にいることを選ぶのちょっと考えられないくらい愛が深い。
実際、楓士雄たちが来るまでこの関係にちょっとの改善も見られないしこのままだと2人は平行線で終わりだしお互いに救われることはなかったんだけど圧倒的な絆パワーと正しさで鬼邪高校がぶん殴りにきてくれたから助かっている。かなりギリギリだった。今助けられなかったら会社を引き継いだ後も役に立つ側近として雇われ続けて泣きながら須嵜くんは手を汚してたと思う。
でも一緒にいた時間は無駄じゃなかったという形で終わったのが本当に好き!!!気がつかなかっただけで天下井には他に誰がいなくても、明らかに人数の差で勝てなくても、大義がなくても、正義が伴ってなくても自分を守るために前に立ってくれる人がいると完璧な形で気がつかせてくれたできごととして2人に刻まれたのがかなり嬉しい。これは妄言なんだけどこの後順調に人との関係を修復したり正しく築いていく天下井が「あの時は1人にして悪かった」とかいうんだけど須嵜は「2人なのも悪くなかった」とか返すよ。この2人って依存の方向でいうと須嵜があの時の煌めきに目を焼かれたまま帰ってこれてないから須嵜の方が依存してる。
だって、須嵜くんが強いのって「天下井とテッペンを取るから」って理由だけだもんね…。そのために鍛えたんだもんね…。身長が高くなくて160センチだったとしても相応の武芸を身につけて天下井の横にいると思うよ彼は。
あと最後の須嵜くんでいうと制服が赤なのがかなり映えててかっこよかった。前回鳳仙が真っ白な制服を泥とかで汚してくのもめちゃくちゃかっこよくて、あの白い制服に血が返らない職人技が「殺し屋」って呼ばれてるのかなとか思ったんだけど今回は完全に血で汚れてなんぼのまっっかな制服だったのが手段の問わなさを表してたと思う。いいよね制服。ホワイトラスカルズの皆さんが何やっても汚れなかったの、かなりかっこよかったし…。
この話をすると、村山くんが率いてると青かった鬼邪高校がworstでは色彩豊かになったのも、MIGHTY WARRIORSが虹色を背負ってたのも、オレンジがテーマカラーとしてる割に本人たちが意識してない山王もそれぞれ味があってよかったよね〜!!!!になる。自分たちの色を身につけるとか気にするとかってキャラ立ちだったし、戦国の衣装とかにも反映されてた。
司くんってさ
今回、赤い忠義の幼馴染が「あなたが何をしようと構わない、隣で頂点を目指すと言ってくれ」って言いながらボロボロになってたけどその隣で司くんが楽しそうにしてたのが印象的だった。エピソード0からworstを見たの手間思えばこの人の忠義を最初から浴びてたような気もする。
不良の情報自体はみんなジャム男に聞くし、それを疑ってないし、なんなら噂話であるという前提込みで楽しんでるしその上で「俺より強いか」を精査しているけど司くんは「楓士雄が相手してふさわしいか?」ってところを気にしている。楓士雄がどうしようもない相手と喧嘩して彼の価値が下がること、ひいては鬼邪高校が周りから舐められることを気にしてるんだけどここにきて司くんが「楓士雄の相手を気にしてる」って情報が重みを増すの凄すぎる。
エピソード0で、楓士雄がいないから何もできないでいた司くんがジャム男の行動の末に「楓士雄に喧嘩を売りに行った」って結末が「自分が彼の隣に立つ人間であると認める」ための儀式じみていて、直接的に「俺が帰ってくる場所の格を下げることはしない」って覚悟なんですよ。司くんってもしかしてエピソード0まで楓士雄と喧嘩したことなかったのかも。すごくないですかそれ…。
そしてその期待に100%で応える男、楓士雄。鬼邪高校の面々がボロボロで…。の時にふらっといなくなってしまうシーンでは「いかないでよ〜!!」と「まあHiGH&LOWの男って割とプレッシャーを受けた初動がぐずぐずだしな…」と思ってたんだけどそんな心配を全て跳ね飛ばして行った。楓士雄〜!!
司のために、友人になったばかりで、初めは勘違いさえしていた鈴蘭のラオウに頭を下げに行くところにHiGH&LOWらしいし、HiGH&LOWらしくないところを感じる。敵対していたり仲間だけど普段は一緒にいないメンツと喧嘩をするのはめちゃくちゃHiGH&LOWなんだけど頭を下げて回るのはらしくなかった。なにせ「仲間のために頭を下げる」あんま…やらないからねみんな…!スモーキーが「俺のためだよな、ごめん」したっきりだからね!!楓士雄、こういうことが適切なタイミングでできるので本当にカリスマ性が極まってる。
楓士雄のカリスマ性というか対極を見据えた言動、司くんが幼馴染で親友であるのとは別に魂を分けてる幼馴染は別に五人いるところとかにもあると思う。単純に色んなところに体重をかけて、そのどれもが大切だから満たされてる。色んな大切を本人が知ってるから他人の大切に正しく近寄ることができる。強さっていうのは視野の広さと、経験が浅いことを心得てることだってworstは通しで言ってるから凄い。
轟〜!!!!!
視野が狭くて経験が浅いことを初登場時からしばらく認めなかった男。
HiGH&LOW無印からの参加だから一番HiGH&LOW歴が長く、おそらく一番変化している男。よかった轟くんを目当てにHiGH&LOWを見初めて…。
彼が感情を露わにするということはそれだけ彼に変化があったわけで、それが「強くなったから変わった」んじゃなくて「人と接し始めて変わった」って描写なのがいいよね。轟くんは初登場時から鬼邪高校が一目置くくらい強かったし、本人も何があっても揺らがないところが強さの秘訣でもあったけど辻と芝マンが倒されて仇討ちでボロボロになりないったり、置いてかれると思って「俺はいらないのか…?」って声を震わせたりする弱さを手に入れたから楓士雄以外も轟くんに視線を向けるし彼が必要であることを理解してるし、話せば面白いやつだとわかるし、他校に友達もできる。他校に?!!?!!?!!?!!
この辺のエピソード、轟くんが色んな場所に知り合いを作れるようになったってことだから本当に嬉しいよ。趣味ができたこともそれを学校の友達に知られた上で放って置かれてるのも、顔見知りとあって連絡先を交換するくらいには気を許してることも、鳳仙への連絡係をになってるのも嬉しい。村山くんもにっこりだと思う。
そもそも「鬼邪高校をとりにきた」で転校してきた轟くんが満たされないから村山くんに喧嘩売ってたところから始まって、worst時点で「頭は預かる」って言えてる時点で成長が凄いんですよね。自分にとって何が大事か分かってるから楓士雄にそれを譲れるし、1人で喧嘩しないし「置いて行くのか?」も言える。それに鬼邪高校の脅威として数えられてることも、その時に格がある描写込みで登場したのもめちゃくちゃかっこよかった。振り返ったら仲間がメガネで学ランのやつにのされてるの、オタクはみんな好きですからね。
HiGH&LOW、去年の12月からみてついにここまできてしまった。ちなみに宝塚のHiGH&LOWを買ったのでもうちょっとだけ続きます。