ハリー・ポッターと秘密の部屋

2023/07/06

マグさんと見た

この映画2時間40分ある。160分の間子供を飽きさせねえぞ!!って気合い入れないととても採用できない時間配分だと思うんだけどめちゃくちゃに面白い展開を160分やり続けることができれば可能。ハリーポッターにはグリフィンドールの剣を出すことも7作ずっと面白い映画をやることもできます。何なんだこの化け物作品。
ハリー・ポッターシリーズ、見返して改めて知ったけど子供向けの内容と絶対に飽きさせない展開を盾にして平気で2時間越えの映画を出してくるし死の秘宝は前後編なので手抜きがない。それでも原作読んだ時は結構飛ばしてるなと思った気がするのでハリー・ポッターシリーズは一冊一冊にぎゅうぎゅうに中身が詰まった名作。

冒頭のドビーって改めて見ると怖すぎる存在なんだけど、ハリー・ポッターを助けなければ!!!って言ってドラコの家から抜け出してあれもこれもやれるの「妖精」だし、その全てがちょっと外してる内容なの人外の挙動なのがめちゃくちゃいい。もうこの辺から作者の善と悪と人間とそうじゃないものの話が始まってて、改めて見るとハリー・ポッターってキラキラ王道ファンタジー学園ものだけど無視できない程度にダークファンタジーの要素が散りばめられている。
純血と半純血とマグル生まれの話を結構長いことやってるイメージはあったけど2作目から「穢れた血」の話ししてるのは覚えてなかった。生まれはその人の全てを表すものではないけど囚われることも縛られることもあるよねっていうのがハリーでロンでハーマイオニーでマルフォイの話だし、今回で言うとトム・リドルの話だった。
そういう生まれを気にせず、友人たちの声を聞いて前を向くことも出来るし、ヴォルデモートといえど自分が縛ったコンプレックスはついて回り、スネイプ先生はハリーの目を見るたびにめちゃくちゃになってるし、ロックハート先生は自分の作った経歴で首を絞めてる。本当にこういう対比と勇敢さと誠実さと愚かさの話しがうまくて…ハリー・ポッターってすごくて…。

トム・リドルが石田彰なの知ってた?!?!?
一作目から出てきてる顔がめちゃくちゃなヴォルデモートしか知らないハリーと視聴者からするとあれが覇権を取ってた気がするけどら実際は石田彰の声であの美貌で「この人のことは私が一番わかってる」って勘違いさせるカリスマ性を持った男が覇権を握ってたと思うと闇の魔法使いたちは趣味がいいしもうこれは仕方ないよ。終盤あたりで終結する闇の魔法使いたちがうっすら耽美寄りのビジュアルなのはわかりやすいキャラデザでもあるけど多分なんか…好みなんだろうなトムリドルの…ドラコ家のビジュとかちょっと愚かで傲慢で権力に目がないところとか好きなんだろうなあいつ…。フアンタビのグリンデルバルドの部下たちは迷える子羊で有能だけどその才能が認められてないものたち…!みたいなところがあるので各ラスボスたちの好みって設定されてると思う。今書いて思ったけどグリンデルバルドって世間に才能を認められてるダンブルドアを狙いながら世間に才能を認められてないけどダンブルドアみたいに子供の心を持った人たちばっかり集めてんの本当に嫌だな。嫌というか…可哀想だな…。

ロンとハーマイオニーはハリーがどうなっても信じてくれて、それがハリーを動かす原動力になってるし、信じてくれる大人としてハグリッドに助けられて助けることでめりめりと自己肯定感を高め、実績を上げて自信をつけているのを目の当たりにすると血生臭い階級社会とか無視できない悪の復活とかをやってるのにこんなに輝かしい成長譚でもあるので見てる間ずっとすごい作品だなって感動していた。
そして次回はアズカバンの囚人で作者の性癖がめちゃくちゃになる。ずっとアクセル踏んでるけどもうここからずっと全速力のまま終盤まで行くはずなので楽しみだし、15年ぶりくらいにアズカバン浴びたらどうにかなると思う。

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