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二軍大学の一軍

大学時代も冴えた生活ではなかった。

札幌とはいっても田舎のエリアにある大学。曲がりなりに国立だけれども、飛び抜けて優秀なわけでも、めちゃくちゃバカでもない大学。

幸い大学敷地内の寮に入っていたので友達はいたけど、かなり限定的だった。そして何よりつまらない人たちに押しつぶされそうになっていた。

教員養成系の教育学部あるあるなのかどうかはわからないけども、多数は大学を卒業したら何も疑うことなく即公立小中高いずれかの先生として働き始める。

世間的には朴訥な人が多いコミュニティだ。飛び抜けて変人もいなければ、決定的な秀才もいない。どん詰まりの落第生も一部の寮生と軽音仲間以外にはあまり見かけなかった。

そんな中でもスクールカーストに近いものはあった。小規模な大学にもなるとそれは露骨だった。

一軍はモテる。というか色んなイチャイチャやいざこざが繰り広げられていた。二軍はモテないけれども彼氏彼女はなぜかいる。三軍以下は酒飲んで麻雀囲んでゲロ吐いての繰り返し。

男だってイケメンはそこまでいないし、女子だってなんでモテるのかわからないやつらがモテていた。

それは、二軍大学の一軍という不思議な光景だった。

彼ら彼女らと飲みに行くと大抵なぜ僕がモテないかという話になり、覇気がないとかオーラがないとか言われたものだった。当時はむかついたが、的確なダメ出しであった。ただどうすればいいのかは教えてくれなかった。先生の卵なのに。

僕は高校から変わらず、三軍にいた。寮で酒浸り、時々部活でラグビーをしていた。

親元を離れると、人と話すのが苦手なのがそのまま生活での充実加減にも影響する。

ろくにバイトもしていない僕は、共同の炊飯器に入ったかぴかぴのご飯に塩をかけてばりばりと食べていた。あとはラーメン屋さんに食パンを一枚持っていって友達の残ったスープにパンを浸して食べたりしていた。

二軍大学の一軍に僕はなりたかった。(つづく)

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