無自覚的な金の移動

11月、祖父の墓参りのために東京に向かった。
人の多さに圧倒されて、そんな自分に、東京には半年は住んでいたのになあ、もうちょい長く住んでいたかったなあと寂しい気持ちにもなった。

新宿駅にできた東西通路の便利さに感動したのだが、この通路の両壁面や柱は、隅々まで新作スマホゲームのサイネージ広告で埋まっていて、アニメ風の女性キャラがダンスをするCMが繰り返し流れていた。

あー、こんな沢山の人が通るところにあるこういう広告から人々の目に入ることでダウンロードが行われ、プレイされ、場合によっては課金が発生してお金が移動していくんだな。

そしてそれらはいずれも無自覚、無意識的なんだろうなとも思い、そんな無自覚な行動を誘発させるために広告はあるのか、広告の意義とはどこにあるのかななんて思ってしまった。

こんなに沢山の人々が手持ちのお金を移動させられるがために、街中を移動させられてしまってるんじゃないか、とすら感じた。派手なスイーツや美容器具や甘ったるい歌詞や何から何までスマホからテレビからいろんな媒体を通じて無意識に摂取をし続け、無自覚にお金が移動していくのかな。

自分にとってこのサイネージ広告の通路は巨大な吸引装置のような奇妙な風景に見えた。

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