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●展示会・Liuteriaレポート●やち陽子さん in Cremona


広報担当 角真央による工房レポート。

今年の9月、イタリア旅行をした際に、クレモナに立ち寄り、会員さん達の工房訪問をして参りました。

私自身は、楽器の演奏自体ままならないですが、
職人になられたキッカケや暮らしぶり、工房の様子、作り方、道具は大変興味深い所であります。


クレモナ駅にて、
やち陽子さんがお出迎えくださいました。

1日目の訪問は、ミラノ近郊在住、イタリア語コネクターのクミさん
と、さなえさんが同行されました。
さなえさんは、ミラノ近郊にお住まいで、娘さんがバイオリン奏者とのこと。



クレモナCremonaは、
イタリア一長い川であるポー川が近くを流れる、ミラノと同じロンバルディア州にある人口7万1523人(2021年1月集計)の街。

周辺を湿地帯に囲まれており、
『高い地面』を表すロシア語由来のクレムが語源説が有力だとか。



クレモナといえばバイオリン。

16 〜17 世紀にかけて、クレモナではアマティ、ストラディバリ、グァルネリなどのバイオリン製作の名匠を輩出、
現在は約180名もの職人さんたちが在住し、
公立のバイオリン製作学校や博物館があり、年に一度のクレモナムジカがあり、、と、
バイオリンに纏わるあれこれが一番に紹介されますが、

河岸近くであることから
古代ローマが初の軍事的コロニア設置し、
紀元前3世紀にすでに歴史に登場しているらしく。

守護聖人の聖オモボノ(Saint Homobonus)は商人で、流通で栄え、商人や貴族が住み、古代ローマ遺跡や中世の古い教会が残る、バイオリン以外でも歴史風景を楽しめる街です。



さてさて、

まずは、
やちさんの工房へ伺いました。
場所は、ご主人のマルコ・オジオ工房。

ヴィオラをオーダー製作されていました。
Youtube撮影用ライト装備がバッチリ。



学生時代はオーケストラ部でバイオリンを弾かれており、大学の卒業旅行で、クレモナのステファノ・コニア氏Stefano Coniaの工房を、たまたま訪れ、こんな世界があるのかと感動✨

卒業後は就職し、26才で会社を辞め、
イタリア語学留学を9ヵ月。
帰国し再就職したものの、もっと居れる!と
28才でクレモナの製作学校入学、
と同時にコニア氏の工房へ通い始める。

2005年からは、マルコ・オジオ工房に学び現在に至る。

とのこと。



写真の塊は、
ドラゴンズ・ブラッドというニス。
ドラゴン・ツリーという熱帯~亜熱帯の乾燥した場所に育つ木から採れる樹脂。
今では環境問題の影響で、大変希少価値が高いもの。



環境問題の影響といえば、
バイオリンの部材となる
ローズウッドがワシントン条約に引っかかってしまったり、弓の材料のフェルナンビューコが象牙並みの規制下に入ってしまったりと、
国際的な問題への対策が必要な時代となってきているようです。



そのほかのトピックとしては、

バイオリン製作学校へら
コロナ禍で日本からの新規留学生0人でストップしたまま。
在留日本人はご家族を含めて約100人、ほぼバイオリン関係者。



la febbre(the fever) (2005年)というクレモナが舞台の映画に、ファビオ・ボルタ演じる主人公の恋人役の同居人でチェロ弾く日本人役として、
やちさんと協会員の鈴木公志さんがエキストラ出演されています。



大量に出てしまう削片、
普通の燃えるゴミに出していたら大変な量になるので、工房の玄関先には、最後の写真のような専用ボックスに入れ回収される、クレモナ独特の光景。

あちこちで見かける世紀を超えた歴史的建造物



やちさんがクレモナに住み続ける理由のひとつは、街の中どこにいても、美術館に行かなくても、何世紀も前の美しい造形・美術があちこちから、自然に目に入ってくること。
それが製作意欲の源になっている、そうです。



お昼ごはんを挟んで次は、菊田浩さん、高橋明さんの共同工房へ。

やちさんのYoutube

ドラゴンズブラッドの話
https://blog.goo.ne.jp/cremonaquartetto/e/c4b645fb0d032fe87e1bc5ac25abaff5

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