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自動詞?他動詞?

英語は言語学的には 屈折語 という種類に分類される言語で、ぶっちゃけ、単語の並びだけで文の意味が決まります。
 I LIKE THE MOVIE  は SVO型 だから、「僕はこの映画が好きです」。なんだけど、THE MOVIE I LIKE の順番になると O SV 「僕の好きな映画」 という意味になります(関係代名詞が省略されている)。

 これに対して日本語は 言語学的には 膠着語 に分類される言語で、助詞(ておには 等)を単語の後にくっつけていくことで意味を変えていきますから、単語の順番というのは重要ではないのですね。
 「僕はあなたが嫌い」と 「僕をあなたは嫌い」では正反対の意味になっちゃいますからね。
 日本語を勉強する外国人(日本語と同類の韓国、モンゴル などの人は例外として)が一番苦労されるのがこの助詞の使い分けだそうです。

 それで、この単語の並びのルールは5つあって、それを学習するときに避けて通れないのが SVOC というもの。いわゆる 5文型 というやつ。
 高校になると必ずどこかの段階でこれが登場してきて勉強させられるのですが、私の印象でいうと、9割がたの生徒は「SVOCはわけわからん、文法大嫌い。もう英語いやや。」と言います。
 そりゃあそうです。生まれた時から、言葉の並びなんぞ意識したこともない人間に、急にアルファベットを使って、SVC やら SVO やら の説明をするのですから、まるで教師のしゃべってることが宇宙人語のように聞こえるでしょうよ。
 私も高校時代、SV と SVO の区別はさっぱりわからなかったし、教師の説明も、教科書に書いてあることも、理解不能で苦痛でしかなかったです。

 高校3年の夏休み、ダラダラと大学入試の勉強をしている時に、英語文法の問題集に marry the man と marry with the man のどっちが正しいか、みたいな問題がありました。
 marry は他動詞だから前置詞をとらない、したがって marry the man が正解。日本語の 「彼と結婚する」の「と」にだまされて、with をつけたらアウト。というのが正解です。

  その時に脳裏に浮かんだのが、SHOCKING BLUE の 悲しき鉄道員 という曲でした。
 原題は NEVER MARRY A RAILROADMAN (鉄道員とは結婚したらダメ)なんて、今の時代なら即刻炎上、職業差別で訴えられそうなタイトルです。

 この曲のEP盤(シングルレコード)は小学6年生の時に、高校生の姉にねだって買ってもらった記憶があります。
 小学生に英語の歌詞の意味なんぞ全くわかるはずもなく、「悲しそうなメロディだから、電車の運転手が事故で死んでしまったんかなー」、程度の認識で、姉に「これどんな意味の歌なん?」と聞いても、「さあー、難しいわー、自分で調べたら?」と逃げられてしまいました。

 このころの洋楽ポップスで流行っていたのは、エイトビートに乗せて、ギターストロークの3拍目をミュートして弾く奏法。CCRのプラウドメアリーとかスウィートヒッチハイカーがその典型。
 中学生になったらフォークギターを買ってもらうという約束を両親としてたので、早く中学生になって、この曲や VENUS をかっこよく弾けるようになりたいと願っておったのです。

 意味もわからずに、ねばまーりーれいろーまん とレコードかけて歌ってわけだが、この曲のおかげで、後々の大学受験勉強の時に、自動詞他動詞の説明だけはすっと頭に入ってきましたね。

 ショッキングブルーはオランダのグループで、VENUS はあまりにも有名。バナナラマのカヴァーの方がお馴染みかもしれないが、本家はこちら。   
 哀愁あるメロディとフラメンコを連想させるようなギターソロがサウンドの特徴で、「ダッチサウンド」と呼ばれていました。
 日本でも1970年代前半、ヒット曲を連発した。ショッキングブルーは当時としては珍しく、PV制作にも積極的だったので、YOU TUBE でもクオリティの高いPVを観ることができます。

(3) 悲しき鉄道員 [日本語訳付き]  ショッキング・ブルー - YouTube
 
 ショッキングブルーの数あるヒット曲のなかから私が厳選しておすすめするのは、 VENUS , 悲しき鉄道員、悲しき恋心、MIGHTY JOE  の4曲です。
 悲しき鉄道員は日本でのみ大ヒットしたので、日本だけの特別シングルバ-ジョンが発売されました。何故か、このバージョンは再生回転数がかなり速くなっています。

(3) 悲しき鉄道員/ショッキング・ブルー Never Marry A Railroad Man/Shocking Blue  (Japanese Single Edit) - YouTube

 今、小学校から英語の授業が導入されて、小学校の先生は本当にお気の毒なんですが、どうしても小学生に英語教えたいなら、 自動詞と他動詞の違いから教えるべきです。
 SV (自動詞)と SVO(他動詞) の違いをいかにやさしくわかりやすく視覚ツールを活用して伝授するか。
 日本の学生の大多数が英語に苦手意識を持つのは、ここの部分(英語の語順の重要性)をスルーして、重箱の隅をつつくような知識にこだわってるからだ、と批判を覚悟でつぶやいておきます。

 それにしても昔の洋楽の邦題は玉石混交。レコード会社の担当が新曲が出るたびに決めてたんだろうけど、「悲しき~ 」とか 「悲しみの~ 」 とか、きっと多忙な中で締め切りが迫ってきて、テキトーに決めたんだろうなーと思いますね。 
 今の時代、「悲しき」が一番似合う職業は何といっても教員ですね。「悲しき教職員」(教員とは結婚したらダメ)なんて曲が流行っても私は驚かないですわ。 
  
 
 

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