建物修繕と僕の気持ち
賃貸経営と建物の修繕は切っても切れないものです。
世の中に多くの大家さんがいるので、多くの考え方がありますね。
そしてまた同時に多くの管理会社もありますから、多くの考え方もありますね。
管理会社の視点で修繕について考えてみると、、
1.トラブル予防
2.入居促進
3.管理会社の利益
と3点浮かびます。
Twitterで表面的な話題に上がるのが、3の「管理会社の利益」の為に言いなりになるのは〜 というもの。
管理会社も多くありますので、各社の考え方はそれぞれです。
大前提として、管理会社は所有者の指定する業者の修繕の実施を拒むことは出来ないと思います。
しかしながら、工事で利益を上げる代わりに管理料を低廉な設定にしている会社もあります。
分譲マンションでも独立系のローコスト管理費の会社にはこのタイプがありますね。
こういった、「ランニングコストは抑えたいけどスポットで利益は出せるからよろしくね!」という会社の修繕を拒むのは義に反すると思います。
では、その他の相場の管理料5%の会社ではどうでしょうか?
これまた、地域と物件種別によります。
家賃が低い地域では大家さんも苦しいが、管理会社も苦しい。
そうすると、契約時付帯の小型消火器や除菌・消臭・鍵交換で小銭を稼ぎつつ、浄水器や安心駆け付けサービスなんかでランニングを薄く上積み、更新時に更新料と家財保険の代理店手数料で小銭を稼ぎつつ、退去時の原状回復でまた小銭を稼ぐのです。
小銭だけではやってられないのもあり、たまには大きな仕事に絡みたいのは本音です。
これは利益を上げると言う商売上当たり前の発想です。
管理会社はうすーく、チリも積もればのスタンスが多いので、たまに売買や大規模修繕をお任せいただけると嬉しいのですが、これはプラスのお仕事の部分。
多くは、ゼロ・マイナスの仕事です。
それはクレーム対応と、書類の提供依頼、自治会費の支払い手続き、ネット引き込み工事の承諾取次、建物巡回。。
それは管理の仕事なので当たり前なのです。
それでも、減らしたいと思うのがクレームです。人が介在する以上、何かしらのクレームが起きます。
それらを減らすということは、住んでいる方に不自由が無いということで目指すところなのです。(やり甲斐の部分)
(敢えてクレームの電話を諦めさせるように複雑な受付にしている管理会社は問題外です。)
人的なクレームは人と人、しょうがない部分もありますし、審査が甘かったと反省すべきところもあります。
でも、設備のクレームは未然に防げることが多々あります。
エアコンが古ければ事前に交換する、給湯器も予防交換する、雨漏りがする前に塗装する、などなど。
ここで大事なのは、予防的な修繕がどのような効果をもたらすか?ということ。
いずれ変えるエアコンであれば、原状回復工事の時に変えておけば案内時の印象も良くなります。給湯器も「お湯が使えない」というトラブルを軽減出来ます。
雨漏りをする前の塗装、防水は肝心なところで入居者の生活と家財を脅かす恐れが減ります。
入居者からすれば大家さんも管理会社も同列に捉えます。
・あの物件の大家は何もしてくれない
という口コミと、
・管理会社の◯◯コミュニティは何もしてくれない
という口コミが同時に発生するのです。
大家さんの個人名などネットに介在することは稀でしょうが、管理会社の実名付きの口コミは平然とネットの海に放たれます。
管理会社にとっては、一つ一つのトラブルとその解決までがお客様に評価され、トラブルをそもそも発生させないことが一番求める姿なのです。
一つのアパートのトラブルが管理会社の評判を下げ、その管理会社に委託している他の大家さんの物件にも悪影響を与えます。
大きなトラブルが起きないように、先手先手で対処をしたいのです。
誇張して言うならば、消防の仕事で火災の鎮火も大切な仕事ですが、火災予防もより大切な仕事です。
火災がなくて消防車が活躍しない社会が一番ですからね。
長くなりましたが、管理会社視点では利益も大切ですが、「マイナスを減らす」というのも大切な仕事なのです。
さて、大家さんの視点で考えてみましょう。
僕は大家さんではありませんので、関わってきた多くのお客様との体験をもとに考えます。
まず、エアコン交換と言っても数万円かかります。
地域によって単価は違いますから、仮に2.5kwで1台処分費・材工9万円としましょう。
これを一般的にメーカーが推奨する10年で交換すれば
1年あたり9,000円
12年持てば1年あたり7,500円
15年持てば1年あたり6,000円
20年持てば1年あたり4,500円
まぁ、12〜15年で交換していただければ田舎では正直御の字でございます。
「ここで細かいことでケチケチするなよ」と思う方もいるかもしれません。
が、管理会社もチリも積もればで利益を上げているのと同じく、大家さんにもチリも積もれば・・・が言えます。
1K 20室あれば、上記のエアコン交換のスタンスが15年であった場合、10年と比べて3000円×20室=60,000円です。
下手すりゃ1Kの2ヶ月分の家賃に相当することもあるでしょう。
(数字はあくまで例えだから噛み付かないでね)
これは分かりやすいエアコンの例えですが、そうそう壊れないし、壊れたら交換すりゃいいや っていうのは分かります。とても分かる。
世の中の推奨期間より、ちょっと長めの運用。
食べ物で言うと、賞味期限切れてるけど、まだ腐ってない。
食べてもお腹壊さないくらいのレベルを見極める感じですね。
この経営感覚の方はアリだと思ってます。
ここからは僕の視点です。
客商売で賞味期限切れを出すのはどうなの?と思いつつも、「いや、いける!」って根拠のない自信で祈りながら提供するのは、実際よくありますね。(飲食の方ごめんなさい、例えですから)
だから、前回の防水工事から10年経ってるけど、あと3年雨漏りせずにいけるかな?
ってのはぶっちゃけ、ありだと思います。
雨漏りしてから直せば良いよ という考えは、「でも、食中毒になっても死にはしないでしょ?」
と同じように聞こえるのです。
何故迷惑を掛ける前提なの?
修繕のタイミングとしてギリギリを攻めるのはありかもしれないが、人に迷惑をかけてから対処するのは管理会社としては確実にマイナスな仕事に繋がります。
だから嫌悪感があるのです。
大家さんのCFが逼迫している時は支払い時期の調整をしたり、二人三脚でやっていきたいのです。だからこそ、あまりにも歩調を合わせられない大家さんは嫌われるのです。
大家さんも支払いと収入とのバランス取りに大変です。
管理会社もまぁ、そこそこ大変です。
借主さんも家賃を払う為に働いたり、スネをかじったりしてます。
それぞれの立場で、それぞれ大変なのですが、「人に迷惑をかけないように心掛ける」のはどの立場でも大切なことではないでしょうか?
おしまい。
。。。携帯での書き殴りなので後で修正するかもです。