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人工甘味料アスパルテームの危険性について

かつては人工甘味料と呼ばれていたノンシュガー甘味料な健康影響に対して、世界保健機関(WHO)の参加の国際がん研究機関(IARC)と国連食糧農業機関(FAO)の合同食品添加物専門家会議(JCFA)が見解を公表したことで、いろいろとざわついているようです。

ことの発端は、公表前に「国連機関が初めて発がん可能性リストへの掲載をする」とロイターが内容をスクープしたあたりから。

これに尾ひれがついて、人工甘味料全体に発がん性が発見されたかのような記事が出回ることになってしまった、ということになります。

引用先の記事では、研究機関の発表内容に即して、アスパルテームのリスクを解説しています。

今回、IARCはアスパルテームを「人に対して発がん性がある可能性がある」という2Bのグループに分類しました。

このグループ分けは、ガンの発生リスクが同程度ということではなく、発がん性を示す根拠の強さが同程度という意味だそうです。

ただし、動物実験におけるエビデンス(科学的根拠)も限定的だとしています。

また、発がん性の強さも摂取量も調べていないので、リスク評価はしていないことに注意しなければなりません。

つまり、アスパルテームの単体としての毒性を分析して評価しただけで、それが人体にどのような影響を与えるのかまでは評価していないということになるかと思います。

そのうえで、WHOとFAOが合同で設立したJECFAでは、過去に設定していたアスパルテームの許容1日摂取量(ADI)を「40 mg/kg体重/日」のまま見直しの必要はないと判断しました。

この量は、体重60kgの人が毎日2400mgのアスパルテームを一生涯摂取し続けたとしても、健康への悪影響は出ない、ということを示しているそうです。

アスパルテーム2400mgについては、一般的にアスパルテームが使われている飲料を1日2リットル飲んだとしても、摂取量を過大に見積もっても1000mgに至らない、とのこと。

日本では1983年に、アスパルテームのADIを40mg/kg体重/日、その分解性生物であるジケトピペラジンのADIを7.5mg/kg体重/日と決めています。

つまり、日本の基準に従えばアスパルテームの摂取は日本において安全であると言えるわけです。

過剰な摂取も心配されなくはないですが、砂糖の200倍の甘さがあるといわれるアスパルテームを基準以上に使用すると食味が損われることから、その心配はないと言えるのではないでしょうか。

とは言え、腸内細菌層への影響はまだ研究途上とのこともあり、完全に安心することはできないかもしれません。

このニュースを目にして、我が家でも毎日のように摂取しているスポーツ飲料が心配になり、その成分を調べてみたところ、甘味料としてアセスルファムKとスクラロースが使われていることを知りました。

いずれも原料や製造過程で有害な物質を含むため、その安全性が心配されていましたが、厳密な品質管理をされている国での製造においては、問題ないとされているようです。

ただし、アセスルファムKやスクラロースを厳密な管理下で製造していない業者から安価に輸入しようとすると、リスクは高くなるので注意が必要です。

いずれにしても、消費者はメーカーを信頼するしかなく、信頼する限りにおいてはノンシュガー甘味料のリスクはいまのところ低そうです。

ただ、何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。ノンシュガー甘味料入りだからといってガブガブ飲んで痩せるというわけでもないので、適量を心がけたほうがよさそうですね。

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