見出し画像

マンション管理組合における相続拒否問題[ニュース拾い読み]

NHK NEWS WEBに、築33年の観光地のマンション管理の相続が拒否され、管理組合が頭を抱えているという記事が上がっていました。

居住の高齢者が亡くなり、所有権がそのままになっていたので、管理組合が相続人を探して連絡を取ったところ、「勘弁してよ」と電話をガチャ切りされて、話ができなかったという内容です。

こうした事態が、どの地方でも増えているというのです。

横浜の事例では、管理費等の滞納で居住者が2年ほど前に(その部屋ではない場所で)亡くなっていたことが発覚。

管理費滞納の名目で管理組合が家庭裁判所に清算人の選任の申し立てを行ない、ようやく「遺品部屋」の内情が明らかにされた、というもの。

記事では、2022年までの10年間で清算人が選任されたケースは4万6千件。これが、分譲マンションで相続人がいないまま放置されて明るみになった数値であるとしています。

清算人の手続きまでたどり着かないケースを考えると、こんな数では済まないのかもしれません。

また、相続人が見つからないためにそのままにされている「遺品部屋は、10年で1万件に達しているとか。多いのが東京都と大阪府で、都市部に見られる傾向のようですが、人口比で並べ直すと新潟県湯沢町、静岡県熱海市、静岡県東伊豆町と、リゾートのマンションが目立っているような地域の名前が挙がっています。

これはは、景気のいい時期に購入して住居とは別に保有していたものの、子どもが独立して配偶者に先立たれたりすると、部屋数が多い居住マンションを引き払ってリゾート地のマンションに移り住む例が多いもことから発生している事例かと思われます。

どうせなら居住とリゾートの両方とも処分して、都市部にワンルームでも買えばいいのにと思うのですが、ローンの精算やリゾート地の不動産価格の大幅な下落などのために、そう上手くもいかなかったりするわけです。

そして、そんな「そう上手くもいかない」ような物件だから、それを相続ということになっても、放棄されてしまうのです。

ただ、不動産価格の大幅な下落によって、第三者が購入するというケースも増えているとか。

一見、問題解決のように見えますが、新たな入居者も高齢であることが多く、「遺品部屋」問題は先送りされるだけだというのです。

こうした負のスパイラルから脱出するべく、湯沢町では民泊やコワーキングスペース付きの物件へのリノベを進めていて、販売価格のアップに貢献しているそうなのです。

このことからも、事業化を組み込んだ管理組合運営に体制を移行できる柔軟性が求められていることがわかるのではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?