ステロイド軟膏の副作用って?part.1
*今回の解説はステロイド軟膏を否定するものではありません
ステロイド軟膏は上手に使えば非常に有用な薬です
*ステロイド軟膏の副作用の写真が掲載されています
皮膚病の写真をご覧になりたくない方はご注意ください
では以下本文スタート!
なんとなく
「ステロイド軟膏って使っちゃダメらしいよ」
「ステロイド軟膏って肌が黒くなるんだって 」
「ステロイド軟膏を使うと骨がもろくなるって聞いた やばくねぇ」
皆さん漠然と恐がっていらっしゃいませんか?
ステロイド軟膏の副作用って何?
さてステロイド軟膏の副作用って何でしょう?
皆さん実ははっきりわからないのではないでしょうか?
わからなくて当然です、でも知っておくとちょっと役に立つかも
まずは
『副作用が出るかもしれない軟膏使用条件』
・毎日ぬって2〜3週間
・週に2〜3回ぬって2〜3ヶ月
この期間連用すると副作用が出る危険があるとされています。
(もちろん個人差がありますあくまでも目安ですよ)
思い当たる方 注意ですよ
次にいよいよ本題
『ステロイド軟膏の副作用って何?』
基本的な副作用は以下の5つ
①皮膚が薄くなる(萎縮)
②皮膚の毛細血管拡張
③皮脂腺の活性化(ニキビ肌 多毛)
④皮膚が感染症に罹りやすくなる(ウイルス 細菌感染 し易い)
⑤全身性の副作用
今回は①皮膚が薄くなる(萎縮)
②皮膚の毛細血管が弱くなる(血管の拡張)
について解説しますね
①皮膚が薄くなる(萎縮)
上の写真をご覧ください
上から下に爪でかいた部分の皮膚が剥がれ赤く軽い出血を伴っています
ステロイド軟膏を連用すると皮膚が薄くなるため少しの刺激で傷ができ出血を伴います
これはステロイド軟膏を連用することにより
皮膚表面のタンパク質の分解が促進
↓
皮膚の再生に必要なタンパク質の不足で皮膚が正常に再生されない
↓
皮膚が薄くなり バリア機能低下
により起こります
上記の写真であれば正常に戻る可能性は十分あります
注意して欲しいのは以下の場合です
縦にシワのような線が入っているのおわかりでしょうか
これは皮膚萎縮(ひふいしゅく)の典型的な例です
皮膚萎縮(ひふいしゅく)が見られるとステロイド軟膏をかなり長期にわたり使用されている事が推測されます
したがって皮膚萎縮の症状が少しでも見られれば注意が必要
急激なステロイド軟膏の中止は慎重に行いましょう
また皮膚萎縮の症状は非常に改善が難しいのが現状です
②皮膚の毛細血管拡張
前回『ステロイド軟膏の強さと適切な使用部位』
でお伝えしたように強いステロイド軟膏ほど
連用後に急に使用を中止すると急激な血管の拡張を伴います
それはわかるけど、
「ステロイド軟膏って血管を収縮させる薬だよね」
その通り、血管を収縮させる薬です
でも実はステロイド軟膏は長期にわたり使用すると
使用中でも薬の効き目が落ちて血管の拡張が見られるようになります
以下の写真はステロイド軟膏使用中の写真です
頬とおでこに約2年間ステロイド軟膏を使用されていました
ステロイド軟膏による皮膚の毛細血管拡張の特徴は
当たり前ですが
使用していた部分の毛細血管が拡張する事です
写真の状況では現在使用中のステロイド軟膏は効かなくなっています
ここで注意!!
効かないならもっと強いステロイド軟膏を使えばいいじゃん
これは本当に危険です
2年間ステロイド軟膏を使用して効かなくなっているのに薬を強くする
初めは「な〜んだよく効くじゃん♪(´ε` )」
そうよく効きます
でも皆さん想像つきますよね
そのうちまた効かなくなってよりひどい毛細血管の拡張を招き
使用範囲が広くなってしまう
↓
より広い範囲の毛細血管拡張
↓
より広い範囲の炎症
以下写真は悪循環になったしまった場合です
なんども念押しです
・ステロイド軟膏を2週間使用して明らかな変化が見られない
・ステロイド軟膏をぬってよくなる→また悪くなる→またぬる→また悪くなる→またぬる→また悪くなる→またぬる……
この2つが思い当たる方は
ぜひ他の方法もご検討ください
少しでもご参考になれば幸いです
次回はステロイド軟膏の副作用
③皮脂腺の活性化(ニキビ肌 多毛)
④皮膚が感染症に罹りやすくなる(ウイルス 細菌感染 し易い)
⑤全身性の副作用
について解説予定です。
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