ある日の ルノアール 新橋サンルート店

ルノアール新橋サンルート店、静かなものです。
また、スタッフが新しくなりました。

30代前半の木村文乃さん似の方は
一体何回シフトに入ったのだろうか。

お盆を平行に持てなかったまま、
辞めてしまったのだろうか。
行方が気になります。

隣のデベロッパー2人組曰く
豚は、電気ショックを与えてから
お肉にされるそうな。

彼らは地権者のリストを確認してから
帰っていきました。

隣の人は、FINAL CUTで編集しています。
が、合間にアプリで遊んでいます。
PCというデバイスの敗北を
目の当たりにしているような気持ちになります。

さっき
ノートにびっしりメモをとっている
百田尚樹さん風の男性が
禁煙席から喫煙席へ移動していきました。

今日の新橋サンルート店は、
午前中に行った
新宿靖国通り店よりも
静かです。

あまりに静かなので、
隣のTSUTAYAを覗きました。

こちらは、ブックカフェで
ほぼ満員です。

人の数だけストーリーがある
ルノアールよりも、

本の数だけストーリーがある
TSUTAYA新橋店を
なぜみんな選ぶのだろうか。

スマホから顔を上げると

同世代のおっさんが
本を手に取って
じーーーーっと眺めていました。

その目には
ティファニーのショウウィンドウを見つめる
ヘプバーンのような輝きが
微かに宿っていました。

その本のタイトルは、少し長め。

言いなりの人生は、いますぐやめなさい。

と書いてありました。

なんどもなんどもタイトルを見つめて、

やがておっさんは、
平積みのてっぺんに本を戻し
帰っていきました。

言いなりの人生の方へ。

会話にばかり気を取られていたけれど
それだけでは、ダメでした。

人が本を手に取る
一瞬にすら無限のドラマがある。

決して海賊とは呼ばれなそうもない
ふつうのごくふつうの、おっさんにだって
物語はあるんですよ。

振り返るともう、
百田さん似の男性は
スタスタと新橋駅の方へ歩いていきました。

#ルノアール

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